>> 2 気が付けば、目の前には金色の髪が広がっていた。 「今のお前にこないなこと言うのも酷かもしれんけどな、藍染達が尸魂界を裏切ったで」 “達”という言葉で、惣右介一人ではないことがわかった。 『ギンと東仙か…』 「何や、知っとったんかいな」 正確には知らなかった。 それでも、惣右介とともに行動を起こすとすればその2人しか思いつかなかったのだ。 『平子、私はあの夜あの場に居たんだ。惣右介達がお前達に何をしたのか見ていた。それなのに私は…本当にすまない』 平子は一瞬困ったような表情をした。 しかし、すぐにいつものへらへらとした笑みに変わった。 「もう百年も前のことや。今更優奈んこと責めてもしゃあないやろ。それより、俺はお前に言わなあかんことあんねや」 平子の口から出た言葉は、意外なものだった。 「尸魂界に居る時にな、お前の実家について調べててん。でな、一つわかったことがあってな…」 それは、暁家の襲撃事件についてだった。 私が両親を失ったあの夜、あの事件を起こしたのは一人の男である、と。 「俺も最初は信じられへんやった。死神でもない男があないなことやってのけるなんてなァ。しゃあけど、アイツならやりかねん」 信じられなかった。 今までのことは全て仕組まれたものだというのか。 何もかも…私のこの気持ちまでもが… 「優奈、一遍尸魂界に戻って…っておい!優奈!?」 平子の言葉を聞く前に、私は平子の前から姿を消した。 prev//next back |