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それから一年後、また春がやってきた。
我が十番隊にも新入隊士が入ってきた。



「優奈さん!時間ですよ!」

『わかっておる。そう急かすな』



慌ただしく準備をする乱菊を他所に、最近惣右介に教えてもらった煙管とやらをふかした。
集まった新入隊士の顔ぶれの中には、あの少年が居た。
一年で霊術院を卒業した天才、周りはそう騒ぎたてた。



『乱菊、日番谷冬獅郎を呼べ』

「あの少年ですね。わかりました」



乱菊は急いで隊首室を出た。
戻ってきた時には、後ろにまだあどけなさの残る少年を連れていた。
私は少年と乱菊に座るように言うと、再び煙管に火を付けた。



『久しぶりだな、冬獅郎』

「お久しぶりです」



冬獅郎はどこか緊張したような声音で答えた。
一年前より随分と霊圧が上がったようだ。



『もう始解は修得したようだな』



何故それを?と言いたげな冬獅郎に、私はにっこりと笑って見せた。



『これでも一応は隊長だ』



私は冬獅郎に十の席次を与えた。



とある非番の日。
私は五番隊へと出向いた。
死霸装を着ず、帯刀もしていない私の様子に、すれ違う隊員たちはやや驚いているようであった。



『惣右介、入るぞ』

「優奈か、珍しいね。今日は非番かい?」



ああ、と言い、私は椅子に腰を下ろした。
今日ここにきたのは他でもない、冬獅郎のことだ。



『惣右介、五番隊に雛森という隊士は居るか?』

「ああ、雛森君だね。彼女がどうかしたのかい?」

『今どこにいる』



鍛練場にいると思うよ、という返事を聞くと、私はその場所へと向かった。
感じとれる霊圧は三つ。
友人と鍛練をしているとでもいったところであろうか。



「おらおら〜もう終いか?」

『ならば、私が相手をしようか?』



驚いた三人の表情がおかしかった。

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