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「そうそう、今度の新入りにすごいのが居るらしいですよ!」



定例の隊首会の帰り道、迎えに来た乱菊が思いついたように言った。
噂は聞いたことがある。
どの隊に入れるかで揉めたらしい。
最も、特に興味がなかったので詳しいことは知らないのだが。



「檜佐木君だろう?一度会ったことがある」



どこからか話に参加したのは惣右介だった。
乱菊は一歩下がって後ろからついて来る。



『五番隊に入るのか?』

「いいや。前に一度、霊術院の実習の時にトラブルが起きてね。その時の引率が檜佐木君だったんだよ」

『そうか。優秀な者が居れば、それだけ護廷の士気も上がるというものだ』



その後、他愛もない話をしながら隊舎へと戻る。
五番隊の前で惣右介と別れた後、いつものように次から次でと話をする乱菊を後目に、そういえば白哉の件についてまだ返事をしていなかったと思い出す。



「乱菊、すまないが先に戻っていてくれ」



不思議そうな顔をする乱菊を置いて、私は六番隊の方向へと向かった。



『暁です、失礼します』



扉を開けると、いつものように銀嶺殿と白哉がいた。
銀嶺殿は待ちわびたと言わんばかりの表情で私を見た。



「優奈、引き受けてくれるか?」

『はい、私でよければ』



そうか、と嬉しそうな顔をして、銀嶺殿は早速白哉に何かを伝えていた。
それが終わると、白哉が私のところにやってきて頭を下げた。



「よろしくお願いいたします、暁隊長」

『そうかしこまるな。お前に頭を下げられると気味が悪い』



早速明日から午前の間は白哉が十番隊に居ることになった。
乱菊にも伝えておかなければならないと思い、私は足早に自隊へと戻った。
隊首室に戻った私の目の前に広がる光景は、何とも奇妙なものであった。



『お前たち…一体ここで何をしている…』



そこには乱菊と京楽の姿。
床に散乱する酒の瓶。
ここは私の部屋のはずなのだが。

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