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隊首会の際に聞いた場所へと向かう。
近づくにつれて感じるのは異様な霊圧。
虚だろうか。
それにしては霊圧が大きすぎる。
霊圧を消して目的の場所へと急いだ。



『これは…一体どういうことだ…』



目的の場所に着いて目にしたのは、九番隊の隊長と副隊長、それに先ほどの隊首会で選出された者たちの変わり果てた姿だった。
それに加えて思った通りの者の姿。
惣右介たちだ。



『虚…なのか?』



仮面をつけた死神。
初めて目にするその光景に、駆け寄ろうと思っても足が動かない。
その場に立ちすくむ私の視界に、新たな人影が加わった。



『喜助と…鉄裁…』



先ほどの隊首会で取り乱していた喜助も、いてもたってもいられなかったのであろう。
その場の誰も私に気づくことはなく、わずかながらに会話が聞き取れた。



「……は…虚化……」

「やはり……男……」



“虚化”という耳慣れない言葉。
恐らく、今の平子たちの身体に起きていることをいうのだろう。
やがて、鉄裁が鬼道を放ち、惣右介はそれを鬼道の断空で止めた。
やはり、惣右介は力を隠している。
鬼道長の鬼道を止めるなど、いくら副隊長とはいえ普通はできない。
一体惣右介は何をしようとしているのだろうか。

姿を消した惣右介たち。
残された平子たちはきっと喜助がどうにかしてくれるだろうと思い、私は惣右介の後を追った。



『惣右介』



そう離れていない場所で惣右介たちを見つけた。
声をかけると、酷く驚いたような顔でこちらを向いた。



「優奈、こんなところでどうしたんだい?」

『久しぶりに会う友人に、挨拶もなしか?その言葉をそのまま返す』



私の言葉で全てを悟ったのか、惣右介は素の顔で私を見た。
やむを得ないと思い、私は斬魄刀に手をかける。



「私は優奈と戦うつもりはないよ。最も、君の出方次第ではあるけどね」

『惣右介、平子たちに何をした?お前は一体何をしようとしているのだ』



ふっと笑った惣右介の瞳は冷たかった。
幾度かその瞳を目にしたことのある私でも、寒気を覚える。
そこに“藍染副隊長”の面影はない。



「“虚化”の実験さ。死神をもっと強くするためのね」

『どうしてそこまで力を欲する?お前はもう十分な力を得ているはずだ』

「まだ足りないんだよ。私はね、天に立ちたいんだ。そして、この世界を再生する」



誇らしげに言った惣右介に何も言い返せなかった。
隣で張り付けたような笑みを浮かべるギンにも。

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