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『合同任務?』

「せや、五番隊と十番隊でな。なんや流魂街の外れに大量の虚が現れたらしゅうて、五番隊に要請が来たんや」

『五番隊だけでも十分ではないのか?』

「俺もそう思ったんやけどな、念のためや」



出発は午後だと言われ、私はすぐに隊士を選出した。
今回の任務は五番隊と合同。
おそらく惣右介も来るであろうから、新人に経験を積ませようと思い、七席の乱菊、それに他の新人も何名か連れて行くことにした。



『よいか、今日は五番隊と合同だ。人数が多いからといって気を抜くではない』



隊士たちにそう忠告すると、私は待ち合わせ場所へと向かった。



「何や、えらい新人ばっかり連れて来よったなァ」

『新人とは言っても十番隊隊士だ。それなりに力はある』



五番隊は隊長副隊長に加えて席官何名かだった。
どうやら今回はギンはいないらしい。



「おや、君は確かギンの…」

「松本乱菊です。よろしくお願いします」



私の後ろにいた乱菊に惣右介が気づいた。
そういえば、まだ死神になる前に何度か会っていたなと思い出す。
そして挨拶もそこそこに、私たちは流魂街へと向かった。
技局に聞いた場所に着くと、報告通りに大量の虚がいた。
こんなに多くの虚が尸魂界に現れるなど珍しい。



「こりゃあえらい数やなァ〜」

『雑魚はウチの隊士に任せてくれ』



平子に了承を取ると、私は自隊の隊士に斬りかかるように言った。
とはいえまだ新人。
苦戦している様子が見て取れた。



「暁隊長、手を貸さなくて良いのですか?」

『惣右介、その呼び方はやめろ。危なくなったら私が出る』



そんな隊士たちの様子を眺めながら、私と平子、惣右介は他の者の手に負えない虚を昇華していく。
大方片付いた頃、乱菊の声が私を呼んだ。



「隊長!終わりました!」



笑顔で私のほうへと走ってくる彼女。
今日連れてきた隊士の中では彼女が一番上だ。
その時だった。
突如乱菊の後ろに虚が現れた。



『乱菊、避けろ!』



振り下ろされた虚の手。
驚いた乱菊が後ろを向くが、突然の事に刀を手にする余裕はなさそうだ。
しかし、私が斬魄刀に手をかける前にその手は斬り落とされた。



「危なかったね」

『惣右介…』



その場に座り込む乱菊。
私は急いで彼女の元に駆け寄る。



『大丈夫か?』

「はい、すみません…」



虚の気配に気がつかなかったことを悔いているようだ。
しかし、それは私とて同じこと。
そもそもあの虚は私の視界に入るまで微塵の気配も感じさせなかった。



『惣右介、今の虚は…』

「気配を感じなかったね。新種の虚だろうか」



こちらに気づいた平子が走ってくる。
問題はなかったことを伝えると、私たちは瀞霊廷へと向かった。



「藍染副隊長、ありがとうございます」

「構わないよ。怪我がなくてよかった」



いつものように温和な笑みで乱菊と話す惣右介。
しかし、この時私は彼の微かな表情の変化に気づいていた。
何と言えばいいのだろう、彼の表情はどこか満足気だったのだ。



「優奈、どうしたんだい?」

『いいや、なんでもない』



不思議そうな顔で私を見る惣右介。
勘違いであることを祈って、私は隊士たちとともに隊舎へと戻った。



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