だ、誰か助けて!

只今、全力疾走中。
何でかって?
よくわからないけど、刀(らしきモノ)を持った人達に追いかけられています。
私何かした?
っていうか、あれ偽物だよね?

この平和な日本であんなもん振り回すなんて、確実に銃刀法違反で捕まるっての!

しかも何ここ。
走っても走っても交番がない…っていうか、明らかに私の住んでる街じゃない!
やけに古い町並みに電柱すらない。

何かがおかしい!

いい加減に疲れてきた…
体力のない私が男に追いかけられてここまで逃げられたっていうのも奇跡に近いよ全く。
仕方ないので立ち止まってみる。
そして、息を思いっきり吸いこんで…



『誰か助けてー!!!!!!!!』



とりあえず叫んでみた。
追ってきた男達はすぐ目の前。
よく見ると、浅葱色の羽織に真っ白な髪、そして赤い目。
あれ?
これどこかで…



それに気が付くと同時に、目の前の男が私めがけて刀を振り下ろした。



何もかもが普段通りだったんだ。
いつものように学校に行って、いつものようにバイトに行って、誰も待っていないアパートに帰ってる途中だった。

いつもと違うことといえば、帰り道にある公園で不思議な光景を見たくらい。
季節外れの桜。

こんなところに桜の木なんてあったかなと思いつつ近づいた。



それが全ての始まりだった。


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