04

日野と小池と野々村と望月


「じゃんけんぽん!」
「!!!」
「よっしゃぁ…、あっち向いてほい!!」
「っ!」

「……日野、お前やっぱり馬鹿だな」
「んな、馬鹿じゃねぇし!」
「いやいやいや指差した方向を向いたらいい遊びじゃないよ、あっち向いてほいは」
「知ってる!」
「…なら、なんで指差した方向をわざわざ向くんだよ、やっぱり馬鹿だな」
「んなぁ?!!」




「おまたー」
「おー、のっさん。…黒田は?」
「あんこは学級委員なりー。お、断定の助動詞使えた!!」
「そうかぁ、やっぱり黒田は学級委員になったのか。……内申目当てだな」
「小池、黒田が学級委員になる理由がそれ以外にあるわけねぇだろ。俺らとつるんでるからそうでもしないと教師の信頼もらえねぇし?」
「…お前と一緒にするなよ、日野と野々村とがつるむからだ。おれとつるんでも、信頼はなくならない」

「うわーん否定できなーい。……あり、もっちーは?」
「望月は呼び出し」
「え、ちょ、小池! 俺、そんなこと聞いてないんだけど!!」
「いや、おれも直接聞いたわけじゃない。呼び出されてるとこ見ただけだよ」
「うやー…、さすがもっちー、もてますなぁ」
「……まあ、あいつ顔だけはいいからなー」
「だぬー。ほんとーに顔だけだよねぃ、僕らにはそれなりの反応してくれるけど、初対面だとすっげぇ冷たいもんね、性格がねー」


「え………そうなのか?」
「え…小池、まさかの初耳だったりする?」
「おれら以外に冷たいのは知ってたけど、初対面っていうのは初耳。……ていうかおれが初めて話した時はそんなに冷たくなかったけど」
「え、マジで!? 俺とかむっちゃ冷たかったんだけど!」
「僕もー。うそーん差別ー」
「日野と野々村は問題児だから、区別じゃないのか?」



「差別だけど。」
「もっちーおかー。」
「お前、入ってきてまず始めに差別言っちゃうのかよ! 否定しろ!」
「ただいま。…いやだって事実だし。問題児と地味面で区別したわけじゃなかったし、いうなら差別だと思って」
「望月、今何気なくおれのこと貶しただろ」
「えーじゃあなんで初対面冷たかったのー?」
「…日野の時は、日野じたいがウザかったから。もう慣れたけど」
「てめ、ウザいとはどういう了見だこら」
「そのまんまの了見ですよ日野君。…んで、ののン時はそんなに冷たくしてねぇと思うんだけど。」
「うそん」
「ほんとほんと。たぶん初対面って、俺がお前の頭にボール当てた時だろ。謝ってたし、冷たくはしてないと思う」
「………あー、そういえば。その時の記憶はちょーっと曖昧なもんで。忘れてた。」
「あー…、悪かったな」
「おい望月、おれを貶したことをなかったことにする気か」
「はいはい悪かった。」
「望月君、俺にウザいって言ったことには?」
「ところで黒田は?」
「おい無視か望月こら」
「黒田は学級委員らしいよ。今の時間、委員会じゃなかったっけ?」
「可哀想なひのっち、のっさんが慰めてやろう。かもん。」
「あー…そういえばそうだったような……」
「のっさーん!!」
「あ、それで、呼び出しどうしたんだ?!」
「ひのっちー、ぎゅー…」
「知ってたんかよ。」
「のっさんー」
「たまたま見かけたんだよ。その様子じゃ、断ったんだよな?」
「………」
「そりゃな。知らねぇやつからの呼び出しに応じただけでも感謝してほしいくらいだし」
「………のっさん?」
「知らない女子だったらそりゃあなぁ。いやっつったらいやだよなぁ」
「ガリッ!!」

「いってぇぇ!!」

「っ、うるさ、日野、うるさい。いきなり叫ぶな阿呆」
「…わあ、耳にキーンってきた……、どうしたのさ、日野?」

「〜〜っ!!」

「痛みに悶えてるな」
「転がり回るなよ」
「…野々村、もしかしてなんかしたのか?」

「……首咬んじゃった」


「……またかよ」
「………野々村、お前はすぐに咬み過ぎ。日野は学習しろ、これで何回目なんだよ…」
「たぶんー、5、6回目かなぁ? ひのっちの首って咬みやすいんだよねぃ」

「……大概ののも、脳みそスカスカだな、日野に負けず劣らず…」
「? ……ちょ、ももももっちぃぃい、いた、いたたたた痛いです、痛い、ほんと、ほんとに痛いです、やめ、や、やめて、く、クラッチは死ぬ、おわる、やめてぃぃ」
「咬みやすいからって咬むな。日野以外にしたらお前そろそろセクハラだと思われんぞ」
「いい、あ、意義ありぃ! ひのっちにしか、やってぃ、」
「却下」

「望月、せめて聞いてやろうよ」


 
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