01

(日野 赤弥視点)

「うっそー!! うっそ、え、いやいやいやいやうそだよな、うそだと言ってくれ小池ぇぇ!」
「ちゃんと掲示板見てきたんだからうそじゃないだろ。現実を受けとめろよ」
「だってうそだって信じたいじゃん! なんでどうしてホワイ?!」


 新学期。
無事に高校2年生になれて、今年1年また楽しくやっていこうと思っていた矢先に、まさかの事態が発生。
まさか、つかなんで!
のっさんと黒田とは別クラなのに、なんで望月と小池は同じクラスなんだ!

「もうなんでだよ、おれ。なんでのっさんは黒田と2組なんだよ……小池はまあともかく、なんで望月…」
「日野、お前おれに失礼だろ。"まあともかく"ってなんなんだよ。」
「小池は別にいいってことだよ! ………あああぁぁ…」

今年1年、良いことなんてないだろう。その手始めにクラスが望月と一緒で、のっさんとは離れてしまったし。本当にショックだ。


「はよーん。あり、ひのっちてばどしたの? テンション低いぬ?」
「のっさんんんんんぁぁ!」
「ほんとにどしたの? 僕 なんかしちゃった?」

 不幸中の幸い(とまではいかないけども)だ。おれのテンションがどん底にまで落ちていたところに、のっさんこと野々村京(ののむらきょう)がやってきた。のっさんはゆるくて独特な話し方と雰囲気を持つおれの相方。金髪のわりには不良っぽくなくて、一人称は"僕"で全く怖くない。おれの不良像をぶち壊した張本人だ。ノリは軽いし一緒に居て楽だしきれいだし優しいし、ちょっと変わってるけど良いやつ。

「のっさん、掲示板見た?」
「けーじばん……、あー見たよー。僕とひのっちクラス離れちゃったねー…」
「そうなんだよ! のっさんがクラスに居ないとか……ストレスで死ぬ!!」
「おまえは大袈裟だな」
「小池てめー他人事だと思いやがって! こうなったら1年間小池に迷惑かけてやるからな!」
「はぁ?! なんでおれなんだよ!!」
「おれの心の傷を思い知れ!」
「意味わかんねぇよ!」

やつ当たりじみたことをしてみるものの、小池もなんやかんやで優しいからおれの相手をしてくれる。ああ、望月と2人じゃなくてよかったと心底思う。
 それでそろそろ教室行くか、ってなったから、各々ロッカーに向かった。ロッカーは学年別名前の順で、3年間ずっと同じ場所を使う。移動とかなくて便利だ。
おれはすぐにスリッパに履き替えたので、小池とのっさんが靴を履き替えるのを待っていた。
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