追記
2014/07/07 23:36



○◎○西大輔

「はーる」

僕が呼びかけると啓は少し面倒臭そうな顔をした。この子って性的なことから離れてそうな、なんていうんだろ、淡泊な話し方? 受け答え? をするくせに、仕草とか気だるそうな雰囲気とかがどうしても色っぽいから、いつもどきどきする。ギャップだよね、いい意味かどうかは人によると思うけど。色っぽいの期待してたのに話してみたらあれ、なんか、脈なし? って感じちゃうかもしれないし、すごく淡々としててこんな相手と寝たいって思っちゃうかもしれないし。

「…何度も言いますけど、やですよ。俺 西先輩は間違えても抱きたくない」
「なんでそういうこと言うの! ていうか僕まだなにも言ってないし!!」
「あんたが俺に話しかけるって、そういうことでしょ」
「僕は確かにネコだけど! もしかしたら抱かせてって言いに来たのかもしんないじゃん!!」
「ありえねぇ」

まず、俺は俺より小さい奴に抱かれるつもりはないんです、だってさ。身長高い方なんだから、そんなのほぼ特定されてくるじゃん、相手なんて、数えられるくらいになってるじゃん。なにさぁ、僕に負けず劣らず結構ヤってるくせにね。学内の相手が少ないってことも知ってるんだからね。だからさぁ。

「特定したげよか」
「かまいませんけど、俺に手ぇ出した奴に抱かれないで下さいね」

はは、なにそれ、僕の使った肉棒は使いたくないーってこと? あくまでも啓が手ぇ出したんじゃないってこと?
……もうかわいいなぁ! なんでツンデレっぽい独占欲出してくるんだろ! きっと啓はそんなつもりじゃないんだろうけど、そうとしか聞こえないよね!! 萌えた!


きっとお互いぎすぎすしてます。



○◎○山里佑太


「はる!! お前またあの髪青いやつのとこで、あの、や、やらしい、こと、しにいってたのか!!」

啓がそういうことをしてるのは有名だと思う。おれは早くそれをやめさせたい! だってそんなことしてもむなしいだけだろ!!

「お前に関係ねぇ」
「か、関係なくない! 友達だろ!?」

友達のいけないことを止めるのは当たり前だろ!? なのに、なんでいつも、そんなこと…!

「友達ってなんのつもり?」
「え、」
「セフレじゃないくせに俺に意見すんな」

せ、せふ、れ…って……!!
啓はなんで、おれのことを友達と思ってくれないんだろう…せふ、れじゃ、ないからか…??



ここも啓が精神的に少し女々しいのでいつまでもぎすぎすします。余裕がないです。そしてちょっとセフレに対して従順です



○◎○吉川



「なーあみやき。男同士って気持ちーの?」

ずっと気になっていたこと。たまたま体育で2人して見学になったから聞いてみた。
宮木はいつもの薄い表情、要するにほとんど無表情でおれを見て、また目線を前に戻した。

「異性とするのと同じで相性によりますよ」
「あー、上手いとか下手とかも?」
「はい」

宮木は目の前で行われているハンドボールを見ている。サッカーとかバスケとか、基本的にゴールに入れられるスポーツがすきというのを知ったのはつい最近の話。わかりやすいのがすきらしい、そのくせこいつの考えていることはわかりにくい。

「なー」
「なんですか」
「聞いていー?」
「どうぞ」
「8組では誰に抱かれた」

宮木は動揺するでも怒るでもなく変わらずハンドボールの様子を見続けている。
おれは怒ってるわけじゃない。でもちょっと語尾が強くなっちゃったのは、なんでなんだろーね。

「内緒です」

それで宮木も宮木で内緒なんて言うでしょ、普段は関係ないだろーっつって切り捨てるくせに。他の誰かと共有してることだから、言っていいのかわからないみたいな答え方をする。
黙るしかなくなっちゃったじゃんー。抱いた相手に遠慮でもしてんのかな、確かに榎本ちゃんとか相手だと内緒じゃないとまずいけどさー。
宮木は自分より小さい奴には抱かれないらしいし、8組で宮木より身長高いのって、3、4人しかいないし。あれ、これって可能性としては、もしかして?

「宮木より高い奴全員とかー?」
「…そうだったらどうします?」

宮木はなんにも変わらない口調と表情で俺を見ながら答えた。逆質問されたっぽい。

「反応に困るんだけどー」
「へえ」

本当に反応に困った。宮木は全然気にしてないみたいだからこーいう探られる質問には慣れているとみた、なんていうか、可愛がってる後輩だし実際敬語で話してくれるし可愛いんだけど、なー。
とりあえず言えることは、これが女の子相手だったらクるなーってことだけだった。男だしー。



ここは大して変わらない



○◎○轟





午後の授業からずっと寝てたらいつのまにか放課後になっていた。くそ暑くて目が覚めたら、前の席の宮木はまだいた。他の奴等は既にいない。
なんでいるんだと考えたけどそれは簡単で日誌を書いてるからだってすぐわかった。
寝過ごしたと思って舌打ちをしたら起きたことに気づいたらしい宮木が立ち上がり、急に机を退けて俺の膝に座ってきた。

「てめぇどけよ」

理解できねぇ。意味わからん。軽すぎる。

「轟って男いけたっけ?」
「潰すぞ」

なに無表情でほざいてんだこいつ。睨んでも効果がないのはわかってるけど睨みつけてやる。座られてるから自然と上にある顔はどう見ても無表情。身長同じくらいだからそりゃそうだ。
つーかこいつまじで軽すぎて引く。このまま勢いつけて蹴りあげるとか振り落とすとかしてもいいけれど真意が読めねぇしそれはまたあとでいい。いつでも、どうにでもできる。

「ヤろ」
「殺すぞ」

無理矢理(というほど力入れてねぇけど)立ち上がって振り落とす。こいつがこの言葉を俺に向けて言ってきたのはたぶん、10回は超えてる。諦めねぇしつこい奴だと思う。そのたびに殺すぞって言ってる俺も俺だ。無視すりゃいいのに。
でもいちいち反応しないと苛立ちが収まらなかった。こいつに言われっぱなしになるのは苦痛だ。

「いつヤってくれんの」
「は? てめぇは自分が言えば絶対ヤる気になると思ってんのか」
「思ってなかったら言わねぇ」
「…」
「睨むなっつーの、無理矢理されたいわけ?」

むかついたから振り落として座り込んだままだったこいつの胸ぐらを掴んで頬を殴った。口を切ったみたいで血が出た。これで黙るだろうと思っていたら、今度はこちらが両手で胸ぐらをつかまれて、喉元を噛まれた。がりっという音が聞こえて、血が出たことがわかる。うっぜ、シャツが汚れる。

「本気で轟とセックスしたいんだけど」

のどをぬるっとした舌で舐めながら宮木はそう言った。こいつは本当に。

「うるせぇ」


積極的にいきます



○◎○前川樹


「おんまえほんま、ええ加減にしときや」

ため息を吐いてから説教、とまではいかんけど、啓に言い聞かせる。

「風紀乱れてはないからよくね?」
「乱れとるわあほ。ややこなっとんねん、何人お前に逆恨みしとるか」
「告白断ったら嫌われるんだからやってらんないよね」

本当に困っているわけではないというのを全面に出しながら啓はこっちを見上げてきた。

「樹君がずっとヤってくれるんなら今のセフレ全部切るよ。問題が起こらないようにうまく」

それを何人の相手に言ってきたんやろか。きっと啓のことやからそんなに多くの相手には言ってへんのやろうけど、そういうこと言うから告られてややこしいことなってんねん。そんな簡単なことにも気づけんほど鈍くもあほでもないくせにな。

「厄介や、複雑すぎんねん」
「簡単でしょ、樹君の身1つで全て解決」


啓は軽く笑った。


お目付け役です


○◎○
藤川とか神崎とかがないのはあくまでifなので攻めとの会話は想像できないというのと、神崎視点を書くつもりがないからです。
更新…がんばります……




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