真夏のある日、裏庭を歩いていると遠くに黒い影のようなものが見える。
「かげろうかな…?」
何となく気になって近付いていくとそれがかげろうではないことに気がついてしまった。何かがすごい早さで動いているのだ。
「何これこわい!」
恐怖におののいていると、きり丸がいつの間にか隣に来ていた。
「名前先輩…これ、信じられないでしょうけど、しんべヱなんスよ…」
「えぇっ!あんなにのんびり屋さんだったしんべヱがこんなに素早く!?」
「ハイ…乱太郎と一緒に走る練習してたら急にこんな風になったんです」
「こんな目にも止まらぬ素早さに…!」
「急に素早くなったもんだからしんべヱのやつ嬉しいらしくて暇があるとここでこうやってるんスよ」
「ハッ!しんべヱの動いてる所の土が円状にえぐれてる…!」
「名前先輩、しんべヱのことつかまえるの手伝ってくださいよ」
「無理………」