008:見つめる 





わたしとヒビキくんは、小さい頃から一緒に育った。いわゆる、『幼馴染み』。
ヒビキくんのことなら、ほとんどのことはわかる。お菓子が好きなことも、お母さん想いなことも、全部わたしは知ってる。
だから。
「泣いていいんだよ」
「…っ」
わたしの声に、ヒビキくんは肩を震わせた。何をそんなに脅えているのかは、わからない。だから、わたしは抱きしめる。
「!!」
「…大丈夫だから。泣いても、わたし、ヒビキくんのこと嫌いになったりしないよ」
優しくそう言うと、おずおずと背中に手が回ってきた。抱きしめ合う様な状態で、わたしにはヒビキくんの顔は見えない。
「我慢しなくていいんだよ」
そう囁くと、回された腕に力が込められた。そして、ヒビキくんは大声で泣き出した。…よく頑張ったね。



あなたの弱さを、見つめる



▼初NL…すごい、まともに書けました。というか、ちゃんと完成できた。NL完成させたの何年ぶりだ?←
コトネちゃんは母性が強そう。欠点ごと包み込むくらいの、包容力ありますよ、きっと。



[目次]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -