004:懐かしむ 





誕生日も一緒。髪の色も一緒。服も一緒だし、身長だってほぼ同じ。そして目指すものも。
どんな時も傍にいたし、いつだって全てを分かち合ってきた。悲しい時は二人で泣いたし、おかしい時は二人で笑った。
だが、旅に出てからは、そうじゃなくなった。
家にはほとんど帰ってこないし、ポケギアにかけても通じない。ようやく繋がって、現在地を訊いても、適当にはぐらかされる始末。
「当たり前だろ」
オレが今の現状を話すと、ソウルにそう切り捨てられた。オレは気に入らず、くってかかる。
「んな訳ねぇだろ!ついこの間まで、『ゴー兄、ゴー兄』って言ってたんだぜ!?」
「兄離れだろ。おまえも、ポケモンを持てる年なんだ。いい加減、弟離れしろ」
ソウルは、あくまでピシャリと切り捨てる。
「おまえには弟がいないからわかんねえんだよ!!…ヒビキに風呂を断られた時のショックったら…」
オレはがっくりと項垂れた。
「兄弟で、何を恥ずかしがることがあるんだ…前は風呂はもちろん、ベッドだって一緒だったのに………昔は良かったよ…」
嘆くオレの肩に、ポンとソウルが手を置いた。
「…仕方ねえから付き合ってやる」
「シルバー…」
頬が少し赤い。不器用なコイツなりの優しさなのだろう。
「よーし、こうなったら今日は飲むぞ!!お姉さん、マトマの実のジュースお代わり!!ほら、おまえも!!飲み比べしようぜ!!」
「なっ…ふざけんな!!!」



幼き頃を、懐かしむ








▼初金響。ブラコン兄貴書くの楽しかった!…けど、10代で昔を懐かしむ様じゃいけないよ、ゴーくん…!











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