001:焦がれる 





寒々とした空を仰ぎ、時折目を閉じる。先ほどここを去った少年のことを思った。
あんなバトルは久しぶりだった。全身の血が騒ぎ、心拍が上昇する。アドレナリン全回だった。今も思い返すだけで、少し恍惚とした気分になる。
実力だけなら、自分の方が上だった。だが、彼は諦めず、創意工夫して立ち向かってきた。流れは明らかにこちらに向いているのに、徐々に追い詰められる様な感覚があった。結果として、少年が考えている間に力業でねじ伏せたが、持久戦になっていたら、勝てたかどうか自信がない。
「…楽しかったね、ピカチュウ」
「ピカ!」
満面の笑みでピカチュウが頷いた。どうやら相棒にとっても、楽しいバトルだったらしい。
「………また来ないかな」
レッドは自分の中の焦燥を抑え込むために、空を仰ぎながら、静かに目を閉じた。



次の邂逅に焦がれる




▼まずは一発目。自分で書いておいて言うのも変だけど、短っ…







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