愛の呼び声 Flyenn ver. 





※フレンが惚気てるだけの話。



え?ユーリってどんな人かって?
うーん…簡単に言えば、皮肉屋で自信家かな。ちょっと意地が悪いし、感情が表に出にくいから、よく誤解されがちだけど、悪い奴じゃないよ。
冷徹そうに見えるかも知れないけど、困っている人を見ると、放っておけないんだ。よくそれで無茶をするんだが…心配する周囲の身にもなってほしいよ。
下町の人のために無茶して、それで騎士に目をつけられてるんだ。実際、投獄歴もある。大体、10日未満なんだけどね。本人いわく、『法を守って誰かを守れないんじゃ世話ない』らしいけど、だからって犯罪を許していい訳じゃない。まぁ、エステリーゼ様の件は誤解だったけど…

あとは…好きなものなら、甘いお菓子かな。ああ見えて、甘いものに目がないよ。子供の頃は、あまり裕福じゃなかったから、甘いものはユーリにとってのご馳走だったんだ。それだけあって、今でも執着が強いんだよ。あ、甘党だからって、辛いものが苦手な訳じゃないよ?マーボーカレーとか、結構好きだから。良かったら今度作ってあげてくれ。きっと喜ぶと思うよ。

嫌いな食べ物はないんだ。好き嫌いして食べ物を残す程、裕福じゃなかったし。そこは僕も見習いたいけど…

あえて嫌いなものを挙げるなら…食べ物じゃないけど、偉ぶる貴族とか、役人は大嫌いだな。下町では、役人や貴族が好き勝手やってたんだ。それを見て育ってるから………
エステリーゼ様は大丈夫なのかって?
ああ、うん。エステリーゼ様がお優しいのは、ユーリもわかってるから。じゃなきゃ、護衛なんて、はなから引き受けないだろう?

それとね………ユーリは、昔、騎士団にいたんだよ。似合わないって?ああ、よく言われる。ユーリが騎士の鎧を着ているのを見て、僕も最初は思わず笑ってしまった。“鎧に着られてる”って感じがしてさ。
でも…僕と一緒に騎士団に入って………内部から、理を変えようとしたんだ。下町の人々みたいに、弱者が虐げられることのない様に………
けれど、彼は辞めてしまった。内部から変えるのではなく、別の方法を模索することにしたんだ。その方法が、ギルドだったんだけど…
…本当は、彼に騎士団へ帰ってきてほしいんだ。右腕を預けられる部下ならいるけど、背中を託せる相手なんてユーリしかいないから。

………少し話が逸れたな。君は聞き上手だから、つい余計なことまで話してしまった。『そんなことはない』?…君は優しいんだね。ありがとう。
話を戻そうか。

そういえば、髪が長いせいで、よく女性に間違われてるな。彼がギルドに入るまでは、下町の宿屋にお世話になってたんだが…そこに、長身長髪の麗人が出入りするって噂が流れたことがあってね。結局、それはユーリだったんだけど…
マオに、男性に声をかけられない様に注意しろって言われたって、ユーリが笑ってたな。…別に恋愛は個人の自由だが、風紀を乱す輩は放ってはおけないな───…ああ、すまない。

『ユーリのことをどう思ってるか』?
友達だよ。…『本当に?』って………
………。
…そんなに見ないでくれ。困ったな…。
…誰にも言わないでくれるかい?

…ユーリのことは、好きだよ。いろんな意味で。
だからこそ、つい口煩くなってしまうんだけど………
え?好きなところ?
そんなの、全部好きだよ?粗野で強引なところもあるけど、それも時としてユーリの長所になるし。余裕たっぷりで自信家のところとか、たまに格好いいななんて思うんだ。たまにだけど。
…何ていうか、彼の隣にいると、ほっとするんだ。すごく居心地がいい。

………そういえば君、最近、ユーリとパーティ組むこと、多くないかい?
別にいいけど…たまには僕も連れて行ってほしいな。君だけユーリを独り占めなんて、ちょっと狡くないか?

………あ、誰か呼んでる。噂をすれば影か。この声はユーリかな。
すまないが、僕はもう行くよ。早く行かないとユーリが拗ねてしまうからね。
話の続きは、また今度───え、もういい?…お腹いっぱいって、どういう意味だい?
あ…何だい、ユーリー?
…すまない。じゃあ、もう行くよ。

…今日は話を聞いてくれてありがとう。





▼元拍手文。ちなみに聞き手はディセンダー(貴方)です。 



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