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◎※及川先生と影山♀(※hq) (2013/06/23)



※下の及川先生×にょた影山の続きです
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今日も、及川先生との二人きりの授業がある。と、言っても私はこの塾の正式な生徒ではないのだけれど。先生の授業がない空き時間を私は事前に及川先生に聞き、頃合いを見計らって塾の自習室に行く。これだけのことだけれどなんだかとても大きな犯罪をしているみたいで、寿命が縮む。でも会いたいのだから、仕方ない。

この自習室は現在使われていない。別に使用禁止なわけではないけれど、講義室から一番遠いのと、早くから講義室が空いているからそこで勉強する人が多いだけ。なら自習室はいらないんじゃないか、と呟いたとき、自習室は元は教室として使っていた場所だったのだと及川先生は教えてくれた。
今日は早くから及川先生は授業に出ていて、私は夜の9時くらいから、と聞いていた。私はいつもの時間に自習室に入り、持参した毛布と温かいお茶を入れた水筒を取り出し、勉強を始めた。自習室は寒く、秋頃の今の時期にはあまり良くない場所だった。夏は涼しくて心地よいのだけれど。何も罠らはさに寒いこの自習室に一人でいるのは、少し冷たくて寒い。まぁ、そんなの慣れているのだけど。


□ □ □


ひと段落ついたので私はお茶を飲もうと水筒を手に取ると、その手に大きな男の人の手が重なった。それが誰かなんて分かりきっていた。

「及川せんせ…」
「飛雄ちゃん…いつからいたの」

手冷たいよ、と言われぎゅっと握りしめられる。顔に熱が集中して、熱い。

「もう夏じゃないんだから、遅く来てよ」
「でも、バレるかもしれな」
「心配しすぎ!それに去年早くからいすぎて風邪引いたの飛雄ちゃんでしょ」

言い返せないでいると、及川先生はお茶を渡してくれた。カップ代わりになっている蓋に入ったお茶は湯気を出している。ぺこりと頭を下げてお茶を飲んでいると、及川先生は急にこう言った。

「ちょっと飲ませて」

そのまま水筒の蓋を取られて中のお茶を先生が飲んだ。頭が回らない。今、何が起きたのか。ぐるぐるぐるぐる頭が回って、状況を理解したときにはもう言葉より先に熱が集中していた。

「…ふ、はは、飛雄ちゃん、真っ赤」
「だ、だってそっちが勝手に…!」
「間接、キス?」
「〜っ!」

また赤くなって、及川先生がくすくす笑う。最近、赤くなってばかりだ。勉強を教えてもらっているのに、こんなに浮ついた気持ちでここにいるなんて。私はここに何をしに来ているのか。及川先生に勉強を教えてもらいに来てるのか、ただ及川先生に会いに来ているだけなのか。もはや判別がつかない。

「飛雄ちゃん、荷物持って外で待ってて」
「え、勉強は」
「ここ寒いから、今日は俺の部屋にしよう。車回すから、外で待ってて」

でも、あれもこれもゆっくり考えればいい。今日の夜はまだまだ終わらないのだから。


タイムアップ・シンデレラ


title by 少年チラリズム


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はい、続いちゃいましたー
そういえばらこのサイトで続きものを書いたのはこれが初めてですね、あれっ、ここkrbs中心腐サイトなのに…hqが最初になっちゃったよ…



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