小話 | ナノ


◎及川と影山※hq (2013/05/03)




※hqです。及影
※ブチっと終わる。短い。クオリティの低さ





「好きだよ、トビオちゃん」

形の良い顔が目を細めて俺に囁く。耳元で吐息が混じったそれは俺の心をじわじわと熱くするには十分だった。

頻繁に囁かれるその言葉に照れや嬉しさを感じるのはいつものことで、疑問を持ったのは最近のことだった。あの人は俺を好きだというけれど、俺のどこが好きなのだろう。あの人は多少胡散臭いところがあるものの少なくとも俺よりは人望がある。その証拠に部活ではキャプテンで、女はよりどりみどりだ。いつ俺に飽きたと言ってこの関係が終わることもなくはない。だってあの人だから。
あの人の特別でいたい。あの人のそれを、一番近くで聞いていたい。触れたい、肩を並べていたい、傍にいたい。そのためには、俺はどうすればいいのだろう。与えてもらっているだけの今の状態だったら、駄目だ。あの人に相応しい人になるにはどうすればいいのだろうか。

「…及川さんは俺のどこが好きなんですか」
「んー…?そりゃあトビオちゃんの全…」

横を向いていた及川さんが俺の顔を見た瞬間、同時に紡がれていた言葉が止まった。俺の顔に何かついていたのだろうか。及川さんは俺の顔をじっと見て、そのあとゆっくり微笑んだ。

「トビオちゃんの好きなところはねー。トビオちゃんのそういうところだよ」





hqすみません…。及川さんに好かれるのに必死な影山と、そんな影山が可愛くて仕方ない及川です。
誰得?はい、俺得です。



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