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◎赤司と黒子 (2012/08/18)








具合が悪い。
ふらふらするし、頭痛や目眩もする。
黒子は保健室に行こうと廊下を歩いているが己の限界は近い。朝から風邪のような症状は出ていたのだが今日は期末テスト日。休むわけにもいかずテストをうけて、先刻五教科すべてのテストが終わったので全力で保健室を目指している。
いつもならなんなく通る道が時間をかけなければ通れない。保健室までの道が随分遠く感じる。

「…っ」

元から体力があるわけではないのでこのような状態になるともう座っているので手一杯だ。テストの結果もどうなっているものか。
視界が霞んできて、その場に座り込む。目を閉じる直前、黒子は誰かが自分呼ぶ声を聞いた。だがその声の持ち主が誰なのか理解できるほど黒子の意識はしっかりしていなかった。













「…ん」

あれからどれくらい経ったのか、黒子が目を覚ますとそこは先程座り込んだ廊下ではなく独特の匂いが漂う保健室だった。むくりと起き上がると額から濡れたタオルが落ちてきて、枕を触ると妙に冷たくすぐに氷枕なのだと分かる。
先程より幾分がはっきりした頭で誰が保健室に運んでくれたか考える。しかし黒子は朧気な意識の中聞いた声と目を閉じる直前に映った残像しかわからない。

「ああ、テツヤ。起きたかい」

シャッ、とカーテンを勢いよく開けたのは赤司だった。黒子は確信する。残像の中、僅かに映ったのは制服と赤い髪。あれは赤司だったのだ。

「赤司君が助けてくれたんですね。ありがとう、ございます」

掠れた声でお礼を言う黒子に無理をするなと言うように赤司は黒子の髪を撫でる。その手つきは、酷く優しい。

「僕は大丈夫だ。先生がいなかったか僕が介抱したけど、辛くないかい?」

黒子がこくこくと頷くと赤司はそうかと呟き、担任が家に連絡をしていると教えてくれた。

「…さて」

そう言うと赤司はベットに乗りキスでもできるくらい顔を近づけていった。

「ー…無理するな」

そう呟いた赤司の顔は見ている黒子が痛くなるような表情で、赤司はそのまま黒子の肩に顔を置いた。

「赤司君、風邪がうつりま」
「もっと早く気づくべきだった…すまない、テツヤ」

君のせいではありません、と黒子は言う。全ては自分の体調管理がなっていなかったのだと言っても赤司はまるで聞く耳を持たない。

「…赤司くん、」

ぎゅ、と黒子は赤司の体を抱き締める。驚いた赤司は黒子の肩から顔を上げ黒子を見たが黒子はふわりと優しく笑っていた。

「ボクは君が助けてくれただけで十分です…ありがとうございます」

黒子は赤司の制服に顔を擦り付け、力一杯抱き締める。そして赤司もそれに答えるように抱き締め返す。

「あかしくん、」
「なんだい」

黒子が赤司を見て赤くなった顔で言う。それは風邪のせいか、はたまた違うものか、

「一緒にいてください」




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赤司君に看病されたい一心で書いた作品(^O^)




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