シュラちゃんのパーフェクト性教育講座☆


!注意!
ぬるめですがR-18文です!

唐突に始まって、中途半端に終わります

シュラ18歳、リア15歳くらいのイメージ

お題
「ロスに性教育されたシュラがリアに性教育する話」

ちなみに、完全なタイトル詐欺です←

以上でも鼻で笑って流せる方のみ、どうぞ






















こうして褥を整えて人を待つのは何年ぶりだろうか、とシュラは小さく息をついた。
思い出すまでもなく、答えの分かりきった問いを繰り返すのはこれで何度目か。他ならぬシュラ自身にも分からない。
ただ待つだけの時間は感覚が間延びしてやけに長く感じるものだが、今夜は特に時間の進みが遅い気がする。
それ程に気が進まないか、と問われれば答えは「是」であるのは間違いない。今この時も逃げられるのならば逃げてしまいたいと理性の一部が叫んでいる。
尤も、本当に逃げることなど今のシュラには出来はしないのだが。
そうして、どれ程の時間が経ったのか。
一つだけ灯された燭台の火が空気の動きに合わせて大きく踊る。
来訪者を報せる印でもあるそれに、扉を振り返ったところで
「…っ、」
シュラの動きが止まった。
薄闇の中でもくっきりと存在感を放つ淡い金の髪。修行の成果を表すようにほどよく筋肉のついたシルエット。
シュラがよく知るままの、見慣れた「彼」の姿形。
「――」
けれど。
前髪の隙間から覗く、僅かな翳りを帯びたエバーグリーンの瞳に喉まで上ってきた名前を飲み込む。
そうだ、「彼」がいるはずがない。他ならぬ自分が一番それを知っている。あの夜、逃げる彼の人に致命傷を与えた自分が誰よりもそれを分かっているはず。
何度も自分に言い聞かせてきた事実を繰り返し、忘却を許さない彼の人の幻影を振り払う。
「…シュラ」
戸惑い混じりに自分の名を呼ぶ声音すら似ているように感じるのは、兄弟だからなのか。
沸き上がる後ろめたさから逃げる為に、
「アイオリア」
シュラは未だ境界線を越えていないアイオリアを、薄闇の中へと手招いた。







シュラが教皇直々の『獅子座アイオリアの性交の相手をせよ』という命令を受けたのは、つい昨日のことだった。
何故、そんな話が持ち上がったかは知らない。
が、その裏に隠された教皇の――あの男の意図を読み取るのは容易かった。
恐らくは、保険の一つのつもりなのだろう。あの「悪」そのもののような彼らしい、悪趣味な方法ではあるが。
「逆賊アイオロスの弟」という烙印を背負わされたアイオリアが、あの男の統治する聖域に欠かせない駒の一つであるのは確かだ。
逆賊の身内という弱い立場の存在を衆目の中にスケープゴートとして置いておくことで聖域内の統合をはかり。かつ、あえて人々の口や手の届く所に居させることで人の視線を上手くアイオリアへと誘導させ、自分の悪事に日が当たらないよう目眩ましとして活用している。
その過程で「恩赦」という形でアイオリアを獅子座の黄金聖闘士へと戻し、慈悲深き教皇をアピールする辺りは、抜け目がないの一言に尽きる。
その上、性状からして真っ直ぐなアイオリアが自身にかけられた汚名を晴らす為に誰よりも聖闘士として女神に忠誠を誓い、血の滲むような努力を重ねることも折り込み済みだったのだろう。
そうした努力の果てに少しずつアイオリアが認められれば、彼がただ誠実に忠誠を誓う女神――延いては教皇への人々の忠誠も篤くなる。
スケープゴートにして、あの男の「正義」を周りに説得する為の象徴。
だからこそ、あの男はアイオリアが間違っても教皇を疑い、真実に辿り着くことのないように繋ぎ止めておきたいのだ。最大限に、彼を利用し活用する為に。
その一環としてシュラが利用されるであろうことも、分かっていたことだった。
兄を討伐したシュラを、けれどアイオリアは憎まず、何故だか逆に慕ってさえいるのは端から見ても明らかだった。
それは恐らく、あの夜から孤立するアイオリアをシュラが気遣い見守ってきたからなのだろう。が、それはあくまでもアイオリアに二重の罪悪感を抱える自身の一種の贖罪であり、利己的な行動でしかないと他ならぬシュラ自身は分かっている。
分かっているが、だからと言って自分を疑わないアイオリアの真っ直ぐさを拒絶することができないのも確かだった。
そんな彼の弱さが、アイオリアを「」た結果――こうして付け込まれることになった。

だからこそ、侍従からその命令書を渡された時、シュラがまず感じたのは怒りだった。
従うつもりはなかった。教皇からの命令は絶対であり、逆らえばどうなるかなど分かっていても、従えるはずがなかった。
それは、二人に対する何よりの、背徳であり冒涜。
そんな真似ができるはずがない。
それなのに。
命令書の最後に付け足された「従わない場合には他の者を宛がう」という一文が、シュラを駆り立てた。
別にアイオリアに後輩以上の感情、ましてや恋愛感情など抱いてるつもりは、ない。
けれど、どうしてかは分からない。
分からないけれど、他の誰かが彼の相手を務めることを――許容することはできなかった。







「ん…ッ、む…」
言われるままに差し出されたアイオリアの指を、口に含んで丁寧に舐める。
予想通り、と言うべきか。アイオリアには辛うじて男女間の性行為の知識はあったものの、男同士のものとなるとまったく知らなかった。
相手がシュラというのもあってか戸惑うアイオリアをベッドまで誘い、手解く。
くちゅり、と水音を立てて咥えた指の股まで丹念に舌で撫でつつ、片手で自分の下衣を剥いでいく。
「シュラ…」
愛撫とも言えない行為に、それでもアイオリアの声は上擦っている。
性の快楽に慣れない少年を汚す行為に、背徳感が背筋を震わせるのがはっきりとわかった。
相手がアイオリア――アイオロスの弟であることが一層、シュラの罪悪感を掻き立て…熱を昂らせた。
かつてアイオロスにより性の悦びを手解かれ開発された身で、今度はその弟であるアイオリアに性を教え込む。
その背徳感に、くらりと目眩がした。
「んっ、ふ…」
震える指でなんとか己の下肢を露にしたところで、アイオリアの指を口から離した。
シュラの唾液で濡らされた彼のものより無骨な指が、燭台で頼りなく揺れる炎に照らされ淫靡にぬらりと光る。
これからする行為を考えるだけで羞恥で頭が沸騰しそうになるが、今更逃げることもできない。
立てた膝を大きく広げ、ゆるく勃ち上がった性器の奥、本来なら排泄の為にある後孔へとアイオリアの指を導く。
「…男同士は、ここを使う、から…指で解してほしい」
囁くような声で促せば、ごくりとアイオリアの喉が鳴る音がやけに大きく響いた。
遠慮がちに、後孔に触れる濡れた指の冷たさにわずかに体が跳ねる。
不安げに顔を窺ってくるアイオリアに頷けば、つぷりと体の内部に異物が差し込まれる感触。
長い間触れられていなかった穴は、当然のように狭まりキツくなっている。が、ナカはかつての悦楽をしっかりと覚えているのだろう、歓喜にぞわりと肌が粟立つ。
「ふ、…ん…っ」
唇を噛み締めても、甘い吐息が漏れるのまでは止められなくて。
おずおずと躊躇いがちにアイオリアの指が敏感な肉壁を擦り、軽く抜き差しされた。
何度も繰り返される内に、徐々に粘膜が柔らぎ抜き差しされる内に拡げられていく。
2本目の指が拡げられた隙間に挿入される頃には、アイオリアにも余裕が出てきたのか指の動きが大きくなる。
受け入れる悦びに慣らされた体は、内部を押し拡げられる痛みの中からさえ快楽を拾い上げて、無意識の内にアイオリアの肩に縋りついた手に力が入った。
「は…っ、…い、おり、ぁ…っ」
じわり、と生理的な涙でぼやけた視界の中で努めて情欲に染まったエバーグリーンと視線を重ねる。
快楽に蕩けた顔を見られたくはなかったが、そうでもしなければ熱に浮かされた頭が呼び起こしたアイオロスの幻影に侵されてしまいそうだった。
「ん…っ、ふぁ、ぁあっ」
バラバラに動いていたアイオリアの指がたまたま前立腺をかすめ、シュラの体が大きく跳ねる。
「ん、すごい。ここ、気持ちいいんだ?ナカ、すごいヒクヒクいってる」
「ぁ、ん…っ、リア、も…っやめっ」
ぐっ、と強く何度も前立腺を押されれば堪ったものではなく、シュラの口から甘い悲鳴が上がった。
完全に勃ちあがったシュラの性器からトロリと先走りが零れるのを眺めていたアイオリアは何を思ったのか、不意にシュラの耳元へと唇を寄せた。
「シュラは…、男とセックスしたことあるんだよな」
唐突な問いかけの間にも、シュラの内壁を弄る指は止まらず。
「っは、ん…っ、いき…り、…ふぁっ……なに、を…っ」

「――兄さんとも?」

「……っっ」
今一番、アイオリアから聞きたくなかった呼称に、シュラの息が詰まった。
真っ白になった思考ではうまく否定することすらできず、沈黙は肯定に他ならなかった。
あぁ軽蔑された、と絶望にシュラの体が小刻みに震える。自業自得と言われればそれまでだが、やはり辛いものは辛い。
せめて溢れそうになる涙だけは堪えなければ、と強く唇を噛み締めたシュラは気付かなかった。

――薄闇の中、アイオリアの双眸に昏い光が宿ったことに。

「ひ、ぁあ…っっ」
ぐちゅり、といつの間にか3本に増えたアイオリアの指に肉壁を強く擦られ、シュラの体がビクリと派手に跳ねた。
ずるり、と引き抜かれる指を追い縋るように締め付ける内壁のはしたなさに、涙腺が緩む。
「シュラ。だいぶ柔らかくなったみたいなんだが、次はどうすればいい?」
これ以上は続けないだろうというシュラの予想に反して、アイオリアは先を促す。
何故だか少しばかり不機嫌そうではあるものの、怒りや呆れといった感情はない、ように見えた。
ともあれ、アイオリアの内心がどうであろうと、彼が先を促すのであればシュラにそれを断ることはできないのだけは確かだった。
それが今のシュラの務めであり、なによりも半端に昂った熱が更なる快楽を求めて体を疼かせていた。その証拠とばかりに指よりも太く熱いものに貫かれる悦びを覚えている後孔が、ひくりと口を開閉させる。
ごくり、と耐え難い飢えに喉を鳴らしたのはどちらだったのか。
「…シュラ」
焦れたように先程まで自身の指で解していた後孔をアイオリアが撫でる。
その声に、指に促されるまま、そろそろとシュラの四肢が動く。
白いシーツに手と膝を付き臀部を高く持ち上げた、いわゆる四つん這いの体勢。この体勢が、男同士の性交の場合には一番楽だと知ったのもアイオロスとの性行為の中であった。
羞恥に小刻みに震える指を叱咤して、ひくつく穴へと添える。尤も、薄い皮膚の下が灼けつくような恥ずかしささえも、今のシュラにとっては快楽のスパイスの一つでしかなかったのだが。

「…ここ、に……アイオリアの、…挿れて」

甘い熱を孕んだ懇願に返答はなかった――言葉では。
「っく…」


「っか、くっ、ぁああぁぁぁ…っっ」


指などより太く猛ったアイオリアの陰茎に慣らしていない奥まで一息に貫かれ、シュラの喉から悲鳴が上がる。
立てていた腕が崩れ、びくびくと痙攣する上半身がベッドに力なく沈む。縋るようにシーツを掴む手は力が入りすぎて白く色を失っていた。
聖闘士として痛みに耐性があるとはいえ、それはあくまでも外傷の話で。敏感な内壁を抉られるような痛みに、恥も外聞もかなぐり捨てて泣き叫んだ。
「ぃ、や…ぁッ……」
だが、悲しいかな。性に目覚めたばかりの幼い獅子は止まることを知らない。
むしろ、初めて目にするシュラのあられもない姿にアイオリアの欲は一層、張り詰めていく。
ぎちぎちと雄を食い千切らんばかりに締め付ける内壁に熱い吐息を溢しながら、アイオリアは本能のまま力任せに律動を繰り返す。
性器をギリギリまで引き抜いては最奥まで一息に突き立てる。性戲の欠片もないそれはまさに獣の情交のようで。
それでも、太いカリ首が前立腺を強く擦りあげられる度に、挿入の痛みに萎えたシュラの陰茎は再び勃ちあがりはじめていた。
同時に遅いくる肉を割り開かれる痛みと快楽が混ざりあった痺れるような刺激に、意識が白く飛んでは、すぐに引き戻されて。
ただ、与えられる刺激に反応するだけの人形のようにアイオリアの欲を受け入れる。
「っは、……んっ、シュラ…っ」
「ひ、ぅ…ッ…ゃ、ぁあ…っっ」
アイオリアが呼びかけてもシュラから返ってくるのは形にならない声だけで、それが少しだけ悲しかった。
そう出来ないようにしているのは、他ならぬ自分自身だと分かっているけれど。それでも、彼の声に呼んで欲しかった。
そんな感情の機微など構わずに、アイオリアの雄は本能のままに深く突き上げ、精を迸らせる。
「いっ…あぁぁぁ…ッ」
反射的にだろう、逃げようとするシュラの腰を押さえつけ、アイオリアは熱い飛沫の最後の一滴まで彼の後孔に注ぎ込んだ。


彼の肢体に染み込んでいるであろう、兄の気配を塗り潰せないだろうかと淡く願いながら。





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