||| plus alpha ゆらゆら、と猫じゃらしが揺れる。 揺れ動くそれを視線で追っていた子供が素早く手を伸ばすが、当然のように猫じゃらしはその小さな手から逃げてゆく。 むぅ、と不満げに唇を尖らせる子供を嘲笑うかのように、ゆらゆらと揺れる猫じゃらし。今度は両手でつかみかかるが、やはりあっさりと逃げられる。 ふわふわとした金茶の髪の子供が猫じゃらしに飛びかかる様はまるで猫そのもののようで。懲りずに何度も飛びかかっていく様子は微笑ましく、自然と見る者の笑みを誘った。 猫じゃらしを持つ黒髪の少年でさえも、うまく子供をあしらいながら珍しく年相応のあどけない笑顔を浮かべている。 そんな実の弟と弟分がじゃれあう姿を離れた位置から眺めるアイオロスもまた頬がだらしなく弛むのを自覚していた。 年の離れた弟であるアイオリアが可愛いのは当然だが、常は大人びた表情のシュラが子供らしい笑顔をしているのも同じくらい可愛くてたまらなかった。 見ている方が恥ずかしくなる所かドン引きするほどにだらしなく弛みきったその顔を見ているものが誰一人としていなかったのが幸いである。 (二人とも可愛いなぁ…、もう可愛いじゃ言い表せないくらいに可愛い。まさに、そう…天使だ、天使) アイオロスがそんな些か気持ち悪い思考に没頭する間にも。 いつまでも掴めない猫じゃらしに焦れたのかアイオリアがシュラに飛びかかって、コロコロと草地を転がりながらじゃれあっていた。 よくも悪くも互いに集中している彼らが、その様に胸を射抜かれ更に悶えるアイオロスに気づくことはなかった。 (あー、可愛い可愛い可愛いっ。ああも可愛すぎるとお兄ちゃんとしては心配だな。いくら二人とも黄金聖闘士とはいっても、まだまだ子供だし。世の中には変態とか変態とか危険が一杯あるからな) 口の悪い蟹座の少年あたりが聞けば「いや、一番危険なのはアンタだから」と的確に突っ込んだのだろうが、幸か不幸か今この場に彼が居合わせることはなかった。 (まぁ、もちろんしっかりとお兄ちゃんが守ってやるから問題ないろうけど。とはいえ、どこぞのゴミが分不相応に少しでも手を触れようものならどうしてやろうか。黄金の矢で心臓を射抜く程度では生温いよな…) 甘い甘いとろけるような笑顔を浮かべつつも、つい思考が物騒な方向に行き始めたアイオロスの背後。 「…なぁ、もしかしてあそこでものすごくいい笑顔で鼻血流してんのって」 「…射手座様、だよな」 「信じたくない気持ちはよーくわかるが、現実だからな」 「…いい加減、誰か声かけてこいよ」 「…このまま何も見なかった振りするとかは」 「気持ちはわかるが、教皇様の御命令だから無理だろ」 「「「「………はぁ」」」」 射手座の黄金聖闘士を呼んで来いと命令された雑兵達が、遠い目で変態――もといアイオロスを見ていたことに、もちろん本人は気づいていなかった。 † むしゃくしゃしてやった、こうかいはしていない(`・ω・´)キリッ なんというか、アレですね、自分にギャグの才能は欠片もないってのだけはわかりました… いや、まぁ、そもそも文才そのものがないんですけどねー とりあえず、ギャグを書ける人すげぇ、ってのが正直な感想です しかし、 最初は猫じゃらしにじゃれる子獅子とか可愛いよね、相手が子山羊だとなお美味しいよねってだけだったのに… うっかり変態ロス兄を面白半分に出したら、収集つかなくなってかなり焦った… まぁ、書いてる方は意外と楽しかったんですがね! でも、ちょっと不完全燃焼なので、また機会があれば子獅子山羊書きたい 子獅子山羊イラストもっと増えろー、というくらいには好きなんで あ、ちなみにこの場合の好きは小動物を愛でる的な意味合いですので、壱はショタ好きじゃないですからね ショタコンじゃない(ry …まだいくつか小ネタが溜まっているのでしばらくはここでの更新がメインとなりそうです それでは January 28, 2013 20:28 back |