||| plus alpha





燭台の火を手にした黄金が鈍く弾く。
くるり、くるりと宝物庫から取り出してきた「それ」を指先で弄びながら、じっと見下ろす。彼が本来纏うべき聖衣と同じ輝きを宿したそれ――黄金の矢は意外なほどにずしりと重い。
かつて射手座の黄金聖衣の修復の際に副産物として作られたもう一本の黄金の矢。長く宝物庫にしまわれていたそれを彼が見つけたのはまさしく偶然であり、必然でもあったのか。
聖衣のものより短いその矢の輝きは、戦女神を守る為に己の全てを犠牲にして逃げ出した彼の姿を嫌が応にでも思い出させる。だからこそ、戦女神を亡き者にする為にあえてこの矢を選んだのは彼なりの皮肉だった。
彼の神を守る彼はこの聖域はおろかこの世のどこにも居ない、その証明でもある。
嘲りの笑みを浮かべるはずの口は、けれど彼の意に反して小さく息を吐き出すだけだった。
そんな己を訝しみながら顔に指先を伸ばせば、触れるのは冷たい仮面の感触だけ。13年間被り続けた仮面はあの日から変わらず無表情のまま、彼を覆い隠している。
もう他ならぬ自分でさえ、己の表情を知ることは出来なかった。
ああ、けれど――。

「…ふ」

自嘲の笑みは先程とは違いはっきりと喉を振るわせた。
その微かな音一つで、愚かしい感傷を断ち切る。今さら何を考えた所で、何一つ変えることは出来ない。
彼が知っている限りでは誰一人として邪魔をできる者はいない――彼自身も含めて。
準備はもう既に整っている。


「誰ぞ、矢座の聖闘士をこれへ」


あとは、ただ賽を投げるだけ。










教皇にしか抜けない矢→教皇から渡された→アテナの心臓に刺さる→普通の矢じゃないよね→黄金といえば黄金聖衣

という連想の結果、浮かんだネタ

ほぼ思いつきで書きたいように書いたのでだいぶ読みにくくなりましたね…



自分でも忘れがちなんですが、意外と双子座が好きだったりします

というか、初めて星矢を読んだときはまったのは双子座でしたー
しかもサガかカノンではなくセットで(ちなみにその時はまだ腐ってなかった、はず)


双子で長髪で影のある美形で確執があって…当時のツボにがっつり入ってたような…


その名残(?)なのか、今でも双子座は好きな方にはいりますねー無印もLCも
あ、もちろん腐った意味で!


February 04, 2013 23:48
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