神なんて信じない。 だって神様が本当にいたとしたら、人類を恐怖で震わす、巨人なんてモノを造り上げるはずがない。 でも、何故だろう。 最期に頭に浮かぶのは、「神様」それだけだった。 お願いだから、もう少しだけこの世に居させて下さい。 あの人の隣に、居させて下さい。 ろくに神の存在を信じていない私の願いが届くはずもなかった。 意識が薄れる中で見たのは、リヴァイの哀しみに歪んだ表情だった。 愛する人のそんな表情を、最期に見たのだ。 もし、初めから神を信じていたらもっといい最後を迎えられたのかな。 リヴァイのあんな表情を見ずに済んだのかな。 ねえ、神様。 今さらだけど、あなたの存在を信じるよ。 だから、だから、リヴァイを守ってください。 誰よりも強く、誰よりも優しいあの人を。 私はもう寄り添って慰めることも、抱き締めて励ますことも出来ないから。 私のことは嫌ってくれても構わない。 地獄に落としたって構わない。 だから神様お願い。 私の代わりにリヴァイを、守って― |