仲間としてずっと一緒に過ごしてきたからリヴァイのことは大体分かる。愛想0、口は悪いし、すぐ手も出る。そして、潔癖。これは絶対に外せない。「きたねぇ」とブツブツ言いながら手を洗ってる姿を見る度に、リヴァイって、女の子と付き合えるのかなー、といらない心配をしてきた。あんなんじゃ、手を繋いだり、キスをしたり、それ以上のことなんて絶対無理だ。でも、もしそれが平気だったとしたら。リヴァイの普段の俺様振りを考えると何もかもが強引だと思う。自分がしたいと思えば、どんな場所でも迫って来そうだ。こっちが嫌がろうが関係無い。ムードなんて糞食らえ。キスとかもガツガツしてるんだろうなあ、とリヴァイの薄い唇を見ては、勝手に色々な妄想を繰り広げてきた。だけど、

「...反則、」

ゆっくりと唇が離れ、リヴァイの胸にぼすんと顔を埋めた。誰もいない訓練場。片付けをしていた私の腕を取り、突然唇を奪われた。なんだかんだでリヴァイと付き合い始めて2週間。初めてのキスは思っていた通り、強引なものだった。だけど、脳がとけそうなくらい甘く、濃厚な口付けは予想外だった。ガツガツなんてしてない。私を気持ち良くさせようと、そんな気持ちが伝わってくるような愛の溢れるキスに、腰が砕けてしまいそうになった。

「...リヴァイって、もっと、ガツガツしてると思ってた」
「...うるせぇよ」

リヴァイのことは全部知ってるつもりだったけど、所詮仲間としてのリヴァイしか知らなかったんだと改めて感じた。今のリヴァイは、私の知らないリヴァイだ。私の頭に優しく置かれた大きな手も、甘く掠れた声も。全てが新鮮で、ドキドキが止まらない。

「...リヴァイ、」
「なんだ?」
「ギャップ萌え」
「...黙れ、馬鹿が」





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