「アイル」
「んー?」
「明日の新兵の訓練、お前が見ろ」
「は!?なんで!?リヴァイの役目じゃん!」
「俺は色々と忙しいんだよ」

暖炉に薪を入れながら、訳のわからないことを呟くリヴァイ。
何が色々と忙しいだ。
私だって色々と忙しいんだけど。
顰めっ面でリヴァイをじーっと見ていると、暖炉の傍で身を縮めて暖まり始めた。
…こいつ、もしかして、

「ねえ!!まさか寒いから私に押し付けたって訳じゃないよね!?」
「違う」
「本当に!?本当に違うの!?」
「違う」
「いや、絶対そうでしょ!!!!!!!」

何を言っても「違う」と言い張るリヴァイだが、絶対にそうに決まってる。
たしか、明日の訓練は朝からだったはずだ。
気温も低い。あのジャケットだけでは寒い。寒すぎる。
新兵と一緒になって体を動かせばいいのだが、ただ見ているだけの監督の立場だ。
これは、地獄。極寒地獄。

「ぜっったい代わんないからね!!!!!」
「…俺の代わりを出来るのはお前しかいない」
「そんな言い方したって、騙されないよ!!!!」
「…ちっ。じゃあ、やれ」
「は!?」
「やれ」
「命令かよ!!!!!」
「俺は忙しいって何度も言ってんだろうが」

次の日の朝、訓練に行く前にリヴァイの部屋に寄ってみたら、ぬくぬくと寝てやがった。
はい、やっぱりね。
ムカついたから叩き起こして無理矢理部屋から引きずり出した。

何が忙しいだこの野郎!!!!!



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