※エレン視点


「アイルさん、ハンジ分隊長から書類預かってきました」
「ちょっと今、手が離せないから私の部屋に置いといてー!」
「了解です」

カチャカチャと忙しそうに夕食の準備をするアイルさんに頼まれた俺は、言われた通りアイルさんの部屋へと足を向けた。



綺麗に片付けられた机の上にパサッと書類を置いた瞬間、はらりと一枚だけソファーの下へと滑り込んでしまった。
書類を拾おうと、床に這いつくばり、ソファーの下を除きこむ。

「あれ?」

書類の他に、スカーフが落ちているのが見えた。ふと、ここ数日、兵長の首もとにスカーフが巻かれていなかったことを思い出す。

(…でも、なんでこんな所に落ちてるんだ?)

不思議に思ったが、取り敢えずスカーフを手に取り、広間へと戻った。



「あ、兵長。これ、兵長のスカーフですか?」

椅子に座り、寛ぐ兵長にスカーフを差し出した。瞬間、少し驚いた表情を浮かべる兵長に、やっぱりそうだ、と確信する。

「アイルさんの部屋のソファーの下に落ちてたんですよ!」

そう口に出した瞬間、空気がピシッと凍り付いた。オルオさんを見ると、眉をしかめながら"馬鹿野郎!"と口をパクパクしている。
…見付けてあげたのに、何でそんなこと言われなきゃいけないんだ?

「でも、不思議ですよね。なんでアイルさんの部屋「エレン!もういいから!分かったから、黙って!」

後ろから、アイルさんが真っ赤な顔で駆け寄ってきたと思うと、バッと口を手で覆われた。驚きながら振り向くとペトラさんと目が合った。
が、気まずそうにふいっと顔を逸らされた。


一体何なんだ…!!!!


「オイ、エレン」
「むぐっ、ふぁ、ふぁい?」
「…空気を読め」

はぁ、と溜め息を吐きながら、ジロリと睨まれた。持っていたスカーフをバッと奪い取られ、無言で首に巻き始める兵長に体が強張る。


だから、一体何なんだ…!!!!!!!



後日、この出来事をハンジ分隊長に話したら、

「アハハハハッ!!!!リヴァイとアイルの奴、ソファーでヤッてたんだよ!!!!夢中でヤッてるもんだから、ほどいたスカーフどこにやったか分かんなくなったんだね!!!!馬鹿だね、リヴァイ!!!!アハハハハッ!!!!!」


笑い転げるハンジさんを前に、やっとで理解した俺は、くらりと立ち眩みがした。



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