ペトラに恋人が出来た。
手を繋いで帰ったとか、別れ際にキスされたとか、これ以上緩まないんじゃないかっていうくらい頬を緩ませて毎日毎日のろけてくる。
幸せオーラ出しまくりのペトラに、たまには私もリヴァイに甘えてみようかな、という気持ちになってきた。


が、やっぱりいざとなると出来ない。恥ずかしすぎて。
よし!ベッタベタに甘えてやろう!とリヴァイの部屋を訪れたのはいいが、いまだに行動を起こせないでいた。
リヴァイは机でペンを走らせているし(私に見向きもしない)、私はベッドでごろごろしながら本を読んでいる。
…駄目だ、私は本を読みに来たんじゃない。リヴァイに甘えに来たんだ…!
自らを奮い立たせ、本を閉じ、体を起こす。

「リ、リヴァイ!」

あ、声裏返った。
リヴァイが変な顔でこっちを見ている。
…そんな顔で私を見るな!馬鹿!

一瞬で心が折れた私は、枕にぼすっと顔を埋め、変な唸り声を上げながらごろごろとベッドの上を転がる。
甘えるってこんなに難しいことだっけ…!?
やるせない気持ちでいっぱいになっていると、ぎし、とベッドが沈んだ。

「オイ、さっきからどうした?」

リヴァイが眉間に皺を寄せながら、私に覆い被さってきた。

「…な、なんでもないよ」
「嘘つけ」
「…嘘じゃないし」
「…何かあったのか?」

リヴァイの眉が、少し下がった。
滅多に見せない心配そうな表情に、心臓がトクン、と動く。
…今なら、言えるかも。

「…リヴァイ、ちゅーして?」

いつもより可愛い声を出し、リヴァイのスカーフをくいっと引っ張る。
反応がない。
リヴァイが目を見開いて、固まっている。
もしかして、引かれた?と思った瞬間、唇を塞がれた。

(あ、いつもより激しい)

噛み付くようなキスに、身体中が痺れる。
たまには甘えてみるもんだな、と思いながら、リヴァイの首に腕を回した。



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