荒々しくドアが開いたと思えば、不機嫌そうに眉をひそめるリヴァイの姿。
ベッドで俯せになりながら本を読んでいる私の上に、ぼすっと倒れ込んできた。


「リヴァイ、重い」
「……………」


なにも言わず、私の背中に顔を押し付けたままのリヴァイに、きっと今日の合同会議も散々だったんだろうなあ、とぼんやり思った。




―いつからだっただろう。
何か嫌なことがある度にリヴァイが私の元へ来るようになったのは。



ごろんと体を倒し、リヴァイの頭を撫でながら、抱き締める。



「今日もお疲れ様、ダーリン」
「…気色悪ぃ」



実際はダーリンでもなんでもないが、空気を和ますために可愛い冗談を吐いてみた。
予想通り悪態をつかれたが、私の腕の中にすっぽり収まるリヴァイを見て、口元が緩む。



「…人類、最強ねぇ」



こんなリヴァイ、誰が想像するだろうか。
人類最強と皆に英雄視されているリヴァイが、私に甘えているのだ。
ハンジに見付けられたらきっと爆笑されるんだろうなあ、と想像すると少し面白い。


目線を下に移すと、私の胸の中でいつのまにか寝息を立てているリヴァイ。
よっぽど疲れているんだろうな、とリヴァイの頭にそっと唇を寄せた。
ふわりと石鹸の香りが鼻をかすめる。
こんな日もたまにはいいか、と私も一緒になってスッと目を閉じた。



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