エレンの「兵長って、彼女いるんですかね?」の一言で大盛り上がりのリヴァイ班。

「兵長の浮いた話、聞いたことないもんな」
「でもさ、エルド。元ゴロツキだし、彼女はいなくても、女はいるよ。絶対」
「アイル、ひでぇな」
「でもアイルの言う通りかもよ、グンタ。兵長だって男だし」
「兵長に女なんている訳ねぇだろ。第一、「「オルオは黙ってろよ」」

気の強い女性陣2人にオルオがチッと舌打ちをして押し黙る。

「ねぇ、エレン。兵長が帰ってきたら聞いてみてよ!」
「嫌ですよ!ペトラさんが聞いてくださいよ」
「いや、言い出しっぺのエレンが聞くべきだ」
「グンタさんまで…!」

わいわいやっていると、ガチャリと扉が開いた。リヴァイ兵長のおでましだ。

「「「「「「兵長、お帰りなさい」」」」」」

どこか変な空気を感じ取ったのか眉をしかめながらリヴァイがジャケットを脱いだ。お茶淹れますね、と席を立つペトラにずるい!とみんなが心の中で叫ぶ。私も手伝うー、と便乗しようとアイルが立ち上がるもエルドに逃げるなよ、と裾を引っ張られ制止された。そして「聞け!聞いてしまえ!」とみんなの視線がエレンへと集中する。エレンは最初こそおろおろしていたものの、唇を噛み締め、意を決した。

「へ、兵長は、彼女、とか、いるんですか?」

よく言った、エレン!みんなが心の中でガッツポーズをした。リヴァイは、その問いに少し目を見開いたが、またいつもの仏頂面に戻り、ガタンと椅子に腰を降ろした。

「ああ。いる」

その一言に、えぇー!!!!!と部屋中に響き渡る声。キッチンからはがしゃんと食器が割れる音が聞こえた。あまりの衝撃に、ペトラがコップを落としてしまったらしい。

「本当ですか!?」
「ああ」
「彼女さんとは長いんですか?」
「調査兵になる前からの付き合いだ」

さらりと言ってみせるリヴァイに、みんながやっぱり硬派だったんだ!というか、兵長も一人の男だったんですね!と心の中で思った。親近感が湧いたのか、どことなく雰囲気が和らぐ。


リヴァイとアイルを除いては。表情こそいつもと変わらないものの、内心は相当焦っている。


(…チッ。誰だ?こんな話題を出した奴は)
(私、普通だったよね?うーわー、心臓痛い!っていうか、兵長。嘘上手すぎ)


2人が付き合っているなんて思いもしないリヴァイ班の午後でした。



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