アイルにプレゼント、とペトラが紙袋を差し出してきた。開けてみて、と促され、ちょっとワクワクしながら開けてみる。

「…ペトラ」
「なぁに?」
「なにこれ」

中の物を見た瞬間、固まる私にニコニコしながらペトラは言った。


「Tバックだよ」


うん。見れば分かるよ。
そうじゃなくて、何でこれを私に買ってきたの?ペトラさん。

「てか、彼氏いないし。こんな勝負下着、持ってても虚しいだけなんだけど」
「いつどこでどうなるか分からないじゃない」
「そうだけど。もしもだよ、脱がされた時にTバック履いてたら引かれるでしょ」
「興奮するよ」
「まじか」
「だから常に履いとけ」

そうニコニコ親指を立てられてもなぁ…。とりあえず、ありがとうと貰って置いた。

「さて、どうしよう」

シャワー室に向かう前に、テーブルの上にパサリと置いて考えてみる。
折角だし、履いてみるか?いや、でもなぁ…うん。今日は止めておこう。
ペトラには悪いが、着慣れた下着を持ち、シャワー室へ向かった。


「ふー!さっぱりした!」

頭をタオルでがしがし拭きながら、ガチャリと部屋のドアを開けるとソファーに足を組んで座っている兵長の姿が見えた。…あぁ。もう何でこの人はいつも勝手に部屋に入ってるんだろう。もう慣れっこだった為、対して驚きもせずにお疲れ様です、と挨拶をした。

「なぁ、アイル」
「なんですか?」
「男でも出来たか?」

は?何を急にそんなことを…と思ったが、一瞬で全身の血の気が引いた。兵長が、テーブルに置いたままのTバックを摘まみ、ピラピラと私に見せてくるのだ。

「色気付きやがって」
「ぎゃああぁぁ!!!」

兵長の手からバッと奪い、ポケットに押し込む。

「こ、これは、決して私の趣味ではありません!」
「男の趣味か?」
「なっ、違います!」

ペトラに貰っただけです、と真っ赤になりながら弁解する私を兵長がジッと見つめてくる。

「…はっ、似合わねぇんだよ。ガキ」
「…っ!今、想像しませんでした!?」
「してねぇよ」
「嘘です!絶対した!兵長の変態!えっち!」
「…テメェ、殺るぞ」
「ヤ、ヤるぞ!?…ペトラぁぁ助けてえぇ!!」

部屋を飛び出したアイルの兵長に犯されるううぅ…という叫び声が廊下中を響き渡った。次の日の朝、気まずい雰囲気がリヴァイ班に漂ったのは言うまでもない。



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