今日はリヴァイとハンジと私で巨人の実験を行うことになっていた。
な、の、に、

「なぜ、来ないっ!?」

こんなくそ寒い中待たせやがって、と私の隣で半狂乱になりながら叫ぶハンジ。

「これは、まさか…」
「寝坊かあっ!!?」
「…ハンジ、頼む。」
「あいつ寝起き最悪だから、無理。アイルに任せた」
「やだよ!私この間起こしに行ったら、髪の毛引っ張られて円形脱毛みたくなったんだから」
「私だって、先月眼鏡ぶっ壊された」
「…ああ、なるほど。だから眼鏡してなかったんだ」

ハンジの眼鏡の謎が解けたのはいいとして、出来れば起こしに行きたくない。けど、今日の実験はリヴァイの参加は必須。

「「……じゃーんけーんぽいいぃぃっ!!」」

ハンジがグー。
私がチョキ。

「ひゃっほおーい!!!ってことで、よろしくっ!!!」
「なんでだよおぉぉ!!」

寒いから本部で待ってるね、とスキップで向かうハンジが憎い…けど、負けてしまったから、しょうがない、けどやだなあぁぁ。
重い足取りで、リヴァイの元へと向かった。




前回の経験から、私は髪の毛を死守するべく、フードを深く被った。

「いざ、出陣!」

自分に気合いを入れ、リヴァイの部屋に足を踏み入れる。
ベッドを見ると、気持ち良さそうに眠るリヴァイが見えた。

「起きろー朝ですよー!!」

とりあえず、遠くから叫んでみる。…反応なしか。
仕方なくおそるおそるリヴァイへと近付く。

「…誰だ、てめぇ」
「ひいぃ!」

起きてるじゃねぇか!!
寝惚けているのにも関わらず、相変わらず凄い力で腕を掴まれた。

「いだだだっ、アイル、アイルだよ!!!」

フードを取ると、私の顔を見て、力を弛めた。

「…びっくりさせるな」
「ごめん…って、そうじゃなくて!!」
「…ぎゃーぎゃーうるせぇ」
「うわっ!」

布団をガバッとめくり、私を引きずり込むと、ガバッと包み込まれた。

「俺が許す。お前も寝ろ」

リヴァイの体温で温かくなった布団、そして私の首筋にかかるリヴァイの息、腰に回された腕。

「き、きゃああぁぁ!!!!!」

リヴァイのスケベ!!と一発顔にぶち込み、私は部屋を飛び出した。




「あれ?リヴァイは?」
「知らない!あんなスケベ男!!死ね!!」


1時間後、やっとリヴァイが来たかと思えば、さっきのことは何も憶えていませんでした。…ほんと、タチが悪い!!



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