兵士になってから、こんなに巨人に憎しみを持ったことは一度もなかった。
数え切れないほど、仲間は死んだし、怪我もした。
だけど、今すぐに巨人をズタズタにぶっ殺してやりたいという憎しみの感情を持ったことがなかった。

守りたい人なんていないと思ってたけど、今更気付くなんて。

「……兵長。」

起きてください、と頬を叩いてみたが、手に伝わる彼の冷たすぎる体温に私は涙が止まらなかった。



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