「おはよー、エレン」 「おはようございます」 起きてくると、アイルさんが朝食の準備をしてくれていた。 リヴァイ兵長達の姿はなく、いつもと違う朝に少し変な感じがした。 アイルさんは俺の隣に座り、器用にリンゴの皮を剥き始めた。 「あ、リヴァイ達は団長に呼ばれて本部に行ったから」 「アイルさんは、行かなくていいんですか?」 アイルさんの手がピタッと止まった。 なんかヤバいことでも言ったか? 「私まで行っちゃったら、誰が君を止めるの?」 ナイフを俺に向け、スッと表情が冷たくなるアイルさんに、俺は固まった。 「なーんてね」 ふふ、と妖艶な笑みを浮かべ、ナイフをまたリンゴへと戻す。 俺がもし今ここで巨人化してしまったら、確実に瞬殺される! 鼻歌を歌いながら、陽気に皮を剥くアイルさんの隣でスープをすするも、何も味がしなかった。 |