アイルの絹のようなしなやかな髪に指を通したい。
白く透き通った肌を撫で回したい。
細く柔らかそうな体を壊れるくらい抱き締めたい。
艶めいた薄い唇に喰らいつきたい。


「兵長、今日もお疲れ様でした」


俺がそんなことを考えてるなんて思いもしねぇだろう。アイルはいつも通り、丁寧な挨拶をして、自分の部屋に戻っていく。

ああ、こいつを今すぐ押し倒して滅茶苦茶にしてやりてぇ。
おとなしく、真面目で何でもソツなくこなすアイルには、性的欲求なんてものはないだろう。

そんなアイルがどんな声で喘ぐのか、どんな淫らな表情をするのか、俺の体で意識が飛ぶくらい何度もイかせてやりたい。

…なんて想像するだけでやべぇ。



兵長の鋭い瞳で見つめられたい。
あの低い声で名前を何度も呼ばれたい。
細いけどゴツゴツした手で体を触られたい。
時折見せる、赤い舌で身体中を舐め回されたい。


「ああ、お疲れ」


私にそんな欲求があるなんて思ってもないだろうな。私がペコリと頭を下げて挨拶をしても、いつも通り素っ気なく返されるだけ。


ああ、部屋に戻ろうとしてる私の腕を引っ張って、ベッドに投げ出してくれないだろうか。彼に抱かれたい。私の中を激しく突かれたい。快楽に溺れる彼の表情と声を知りたい、と思う私は淫乱なのだろうか。


…なんて、想像しては虚しくなるだけ。
はぁ、と小さな溜め息が漏れた。



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