「今日からよろしくね、エレン」

柔らかい表情で差し出された右手。握り返してみれば、女性とは思えないほどマメだらけの手に驚いた。どれほどの修羅場をくぐり、経験を積んできたのだろうか。こんなに柔らかく笑うこの人は、どれほどの辛い経験を乗り越えてきたのだろうか。相当な数の巨人を殺してこなきゃ、こんな手になるはずがない。握り締めただけで、相当な腕の持ち主だということは俺でも分かった。

「エレンには期待してるよ」

存分に活躍してね、とポンと肩を叩かれた。明日から、調査兵団としての訓練が本格的に始まる。リヴァイ班の一員として最初の第一歩だ。アイルさんの隣には憧れのリヴァイ兵長が立っていた。これからは一緒に戦えるんだと思うとゾクゾクしてくる。この人達の力量は計り知れないけど、いつかは越えたい、いや越えてやると、俺は心の中で熱く思った。



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