壁外に向かう前日の夜は、決まって私の部屋に訪れる。今日も、すでに眠っている私のベッドにリヴァイは、潜り込んできた。

「…ん、」
「わりぃ、起こしたか」

そう言って、後ろから私の髪を撫でるリヴァイ。その優しい指使いは、私をとても安心させる。ゴロン、とリヴァイの方へ体を向き直し、ぎゅうっと体を抱き締めた。

「……Hする?」

明日から、壁外へと行ってしまう彼。最低でも3週間は会えないだろう。しかし、人類最強といえども、死なない保証はない。死んだら、3週間どころか一生会えないのだ。私は、まだ半分寝ている頭を必死に起こそうとしながら、リヴァイに聞いた。

「…今日はいい。帰ってきたらな」

私の頭に顔を埋め、ぎゅうっと抱き締め返してくるリヴァイに、いろいろ考えていた自分が馬鹿みたいだな、と思った。
私が起きる頃には、いつもリヴァイの姿はない。明日は、リヴァイよりも早く起きて、いってらっしゃいと、キスをしてやろうと思いながら、彼の腕の中で眠りについた。



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