ガンガンと、ドアを蹴る音がした。どこのどいつだ、とイラつきながら、ドアを開ける。

「へいちょー、助けてくださいー」

そこには、半泣き状態で、立っているアイルの姿があった。

「ノックくらい普通にしろ」
「出来ないんですよ」

ほら、とくるりと後ろを向くアイル。両腕が縄で縛られている。

「ハンジ分隊長にやられました!兵長、ほどいてください!」
「…エレンにでも頼め」
「頼んだんですけど、駄目だったんです!」

めんどくせぇ、と思いつつ、縄をほどきにかかろうとした。

「あ!兵長」
「なんだ」
「すいません、喉が渇いて…お水もらえませんか?」
「…我慢しろ」
「無理です!もう喉渇いて死にそうなんです!脱水しょ「分かったから、黙れ」

仕方なくコップに水を用意し、差し出すが、

「飲ませて下さいよ!」

ああ、そうだった。こいつは今、手が使えないんだった。慣れない手つきで、コップをアイルの口元へと運ぶ。コクコクと、飲み込む音が聞こえた。

「ん、んー!」

あ、やりすぎたか?アイルの口元から、水が溢れ落ちた。

「ぷはっ!兵長、酷い!」
「うるせぇ。飲ませてやっただけでもありがたいと思え」
「そうですけどっ!ダラダラ溢れちゃったじゃないですか!」
「拭けばいいだろ」
「拭けません」

ああ、そうだったと、イライラしながらハンカチで、口元をぐいっとぬぐってやる。ふと、目線を下にやると、胸元が濡れて、白いシャツから下着が透けて見えた。

「兵長?……っ、やー!!!!」

見ないでくださいと、顔を真っ赤にして慌てるアイル。アイルが暴れる度にシャツが肌に貼り付いて、俺を興奮させた。

「兵長!早くほどいてください!」

胸元を見られまいと、くるっと後ろを向き、ほどけと、懇願するアイル。…ほどいてやるわけねぇだろ。アイルを抱き抱え、ベッドへ足を運んだ。

「へ、へいちょ?」
「…俺を欲情させた、お前が悪い」
「え、うそ!…きゃっ!」

ベッドに投げ出すと、同時に、アイルの首筋に唇を這わせた。

「ぁっ、ちょ、タイムタイム!…ぁっ!だ、だめっ…」

今日だけは、ハンジを許してやろう、俺の愛撫に体をビクビク反応させるアイルを見て、そう思った。



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