メラメラと仲間たちが燃えていく。炎を見つめながら、ぎゅっと拳を握りしめた。

「アイル!」

遠くから、私の姿を見つけ、声をあげるベルトルト。ああ、生きてたんだ。息を切らしながら、私のもとへ走ってくる。

「良かった、姿が見えなかったから……良くないこと考えてた」

はぁ、と呼吸を落ち着かせ、安心したように笑いかけるベルトルトに、強く握った拳が少し緩んだ。

「みんなは?」
「あっちにいるよ。……でも、マルコが、」

その先を言えずにいる、ベルトルトだが、聞かなくても想像がついた。

「…ねぇ、ベルトルト」

私は、この世界に生まれたことが憎い。とても、憎い。炎を見つめながら、呟く。気づくと、涙が溢れていた。唇を噛み締めて、堪えようとしても無駄だった。

「な、なんで、私達は壁の中で生まれたのかな?」

こんなに世界は広いというのに、不公平だ、と泣きじゃくる、私の体をベルトルトはそっと抱きしめた。

「……でも、壁の中で生まれなかったら、僕たちは出会えなかった」
「……うん」

残酷すぎる現実の中で、ベルトルトの言葉が心に響いた。壁の中で生まれたからこそ、出会えた仲間達。愛する人。その人達を、もう二度と失いたくない。そのために、私は絶対に巨人を絶滅させる。この日、私は調査兵団になることを決意した。



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