「一緒に寝てもいい?」

深夜、アイルは僕の部屋を訪れた。キャミソールの上に、薄いカーディガンを羽織っているだけの、無防備な格好だ。さすがにまずいと思ったが、眠れなくて、と言うアイルに、僕は断ることが出来なかった。

「じゃあ、アイルはベッドを使って。僕はソファーで寝るから」
「……それじゃ、意味ない。一緒に寝て」

アイルはベッドに潜り込むと、ポンポンと隣を叩いてみせた。

「…それは駄目だよ。」
「なんで?」

なんで?って……アイルは僕を男として見ていないのだろうか?それとも、僕を試しているのだろうか?悩んだ末、少しアイルと距離をあけてベッドに入った。が、狭いシングルベッドじゃ、まったく無意味だった。アイルが少し動くだけで、シャンプーのいい匂いがしてくるくらい、近い。僕は、天井を向いたまま、できるだけまっすぐな姿勢で眠ろうと試みた。

「ねぇ、アルミン」

早く眠ってしまいたいのに、アイルは眠らせてくれない。ごろんと、アイルが僕の方を向いた。目を瞑りながら、どうしたの、と聞く。

「髪の毛、触ってもいい?」

心臓がドクン、と大きく鳴った。僕が答える前に、アイルは髪を撫で始めた。なんで僕の理性を掻き乱すんだ!頼むから、もう寝てくれ!と僕はぎゅっと唇を噛み締めた。

「アルミンの髪、さらさらしてるね」
「…うん」


「……アルミン」


艶めいた声で、名前を呼ばれた瞬間、僕はアイルの上に覆い被さった。


「アイル、ごめん。もう、我慢できない」


アイルが言葉を発する前に、僕は彼女の唇を塞いだ。



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