「あームラムラする」

訓練は、午前中に終了して、今はアイル、エレン、リヴァイ、ペトラでお茶を飲んでいる。

「…黙れ、変態女。」
「しょうがないじゃん。生理前がね、私のムラムラDAYって決まってるんだから。」
「もう、兵長達の前でやめなよ。恥ずかしい。」
「だって、もうどうしようもないんだもん!」

3人の会話についていけないエレン。
そんなエレンにアイルはちょっかいを出し始めた。

「エーレーン!どう?お姉様に童貞を捧げてみない?」

胸元をチラリと見せながら、ウインクするアイルに、エレンは、いや、俺は、と顔を真っ赤にしながら首を横に振った。

「最初は、ちゃんと優しくする…いったあぁ!」
「もう止めとけ馬鹿。エレンが困ってるだろうが。」

暴走するアイルに兵長の一撃が飛んだ。
エレンは助かったとホッとする、が、

「お前な、エレンが童貞な訳ねぇだろ。失礼にもほどがあるぞ。」
「たしかに、そうよね。アイル、エレンに謝りなよ。」

アイルは、不服そうに、むうっと顔を膨らましながらごめんなさいとエレンに謝った。

エレンは心の中で、
(この人達は、何を勝手に話を進めているんだ!俺は童貞なのに!)
と思ったが、そんなこと恥ずかしくて言えるはずもなく、気にしてないんでいいですよ、と見栄を張って答えるしかなかった。



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