要×右京 R18
俺には、ずっと考えている事がある。
京兄が毎日頑張っているのは、誰のためなんだろうって。
そんな事、考えても仕方ないと解っているのに。
でも、たまには家族の事ばかりじゃなくて
俺の事だけを考える時間を作って欲しかったりするんだよね。
京兄の頭の中を、俺で埋め尽くしてみたい。
そんな事を俺はいつも考えているよ…――。
「ただいま帰りました。…誰も居ないんですか?」
「京兄、おかえり。みんなもう寝ちゃったみたいだよ?こんな時間だしね。」
「…そうですか。要もやる事がないなら早く寝たらどうですか?」
俺はソファに鞄を置きネクタイを緩めている京兄にゆっくりと近寄ると、京兄の眼鏡をそっと外した。
「…二人きりの時くらい、肩の力抜きなよ。京兄…。」
頬を微かに赤く染め俺を真っ直ぐに見つめてくる京兄の両頬を挟むと、その薄い唇を塞いだ。
唇の隙間から舌を挿し込み京兄の咥内を撫でるように舐め廻すと、京兄の唇から甘い声が漏れた。
「ん…ッ…ん、ふ…ぁ……っ…要…行儀が悪いですよ…?こんなところで……。」
「こんなところだから、こんなに興奮してるんでしょ…?京兄の、もう固くなってるもんね…?」
耳元で低い声で囁くと、京兄の両脚が固く閉じたのが解り俺の興奮は高まっていく。
京兄の欲の塊にスーツ越しに触れると、そこは既に固く張り詰めていて俺は思わず息を呑んだ。
そっと擦ると、京兄の甘い声と共に京兄の身体がビクビクと大きく跳ねた。
「あ、ぁっ…ん、ぁっ…あっ…ひあぁぁぁっ…――ッ!」
「…嘘…京兄、今のでイッちゃったの?速いな…もしかして、溜まってた?」
息を乱しながら静かに俺を睨んでくる京兄が可愛くて、俺は思わず京兄を抱きしめその頬に優しく唇を寄せた。
「要の所為で…スーツまで汚れてしまったんだが。責任は取ってくれるんだろうな?」
「…もちろん。俺がちゃんと脱がせてあげるから心配しないで?」
「なっ…そういう事を真顔で言うんじゃない!まったく…。」
涙目で反論する京兄の頬を撫でると、京兄のしているベルトをカチャカチャと外しスーツを下着ごと脱がしていく。
先程達したばかりの京兄自身に舌を這わせ、そのまま口に咥えると再び熱く膨らんでいく京兄自身に俺は堪らなく欲情した。
「ん…京兄、ここ舐められるの好きだよね?手で弄ってる時より気持ち良さそうな顔してる。こっちもこんなに濡らして…もう俺のが欲しいんじゃない?」
俺は京兄自身を舐めながら、まだ触れていない京兄の秘部に指を滑らせるとわざと音を立てるように中を掻き回した。
指を第二関節まで折り曲げ前立腺を刺激すると、京兄は眉を顰め口を開いた。
「あ…っ…ん、や…違…っ…舐められるのが好きなんじゃない…!要だから…気持ち良いと思うだけだ…っ…。」
京兄の瞳から大粒の涙が溢れているのを見て、俺は胸の奥が抉られるように痛むのを感じた。
「京兄…ごめんね。意地悪し過ぎちゃったよね…でも、京兄が気持ち良くなってくれて俺は素直に嬉しいな。だから、京兄も恥ずかしがらないで…もっと、俺を求めて…?」
「ん…謝らなくても構わないから……早く、要を感じさせてくれないか…?我慢の限界なんだ…。」
俺は熱を帯びた瞳で見つめてくる京兄の身体を持ち上げると、ソファに浅く腰掛け膝の上に京兄を乗せた。
「…京兄、自分で挿れてみようか?欲しいんでしょ?俺のコレ…。」
「なっ…一体どうしたらそんな考えに至るんだ…私にはこれっぽっちも理解できないんだが…。」
「でも…やってくれるんでしょ?このままじゃ辛いもんね?」
熱く昂ぶった俺自身は先程から京兄の秘部の入口付近を掠めていて、京兄の表情は徐々に呆れから切なげなものへと変わっていく。
「…解りました。自分で挿れればいいんですね?…んっ…んぁ、あ…っ…入っ…ひぁっ!んぁ、あっ!ぃ、あっ…!んぁ、あっ…んぁ……ッ!かな、め…ぁあっ…!」
京兄の中に先端が入った瞬間に京兄の腰を引き寄せ下から激しく突き上げると、京兄は艶めかしい声を上げながら俺の首に両腕を巻き付け淫らに腰を揺らし始めた。
時折キスをねだる京兄が可愛くて愛おしくて、京兄の全てを愛したくて、俺は気付いたら京兄の欲の塊を右手で包み込んでいた。
「京兄…京兄…ッ…好きだよ…ずっと、京兄とこうしたかったんだ…。」
「あっ…んぁっ…要…っ…私も…ずっとお前に触れて欲しかった…素直じゃなくて…すまない…。」
「…そんなの、全然気にしないよ?そういうところも含めて、愛おしいと思っているから…。」
震える瞼にそっとキスを落とすと、京兄の固く尖った乳首に舌を這わせていく。
舌で転がすように舐めながら、京兄自身の先端を指でくりゅくりゅと刺激すると京兄は一際高い嬌声を上げ俺の胸めがけて熱い欲を迸らせた。
京兄が達した瞬間、京兄の中が俺自身を淫らに締め付ける感覚が堪らなくて、俺は身体をブルッと震わせながら京兄の中に欲の証を放つと京兄を思いきり抱き締めその肩に顔を埋めた。
「…京兄。俺…これからも、京兄の傍に居てもいい?」
行為の後、京兄は疲れ切っているのか暫くの間無言だった。
不安になって問い掛けると、京兄は俺の耳元で静かな声で呟いた。
「…居てくれなきゃ、困るんだ。私は…要が居ないと、頑張れないんだからな。」
京兄はそれだけ言うと俺の胸に顔を埋め、瞼を閉じてしまった。
「…京兄がいつも頑張ってるのって…俺が居るからだったの?俺が居るから頑張れるってこと?」
「…っ…いちいち言葉にしなくてもいいだろう…恥ずかしい男だな、お前は。」
顔だけを上げて俺を睨んでくる京兄が愛おしくて、思わず京兄の手に自分の指を絡めるとその柔らかそうな唇を奪った。
言葉にしなくても伝わる想いもあるけれど
もう、君が泣いているのを見るのは耐えられないから
不安になったり、傷ついたりしたら、迷わずに俺に伝えて欲しい。
俺の知らない間に君が離れていかないように
これからは、君の心にも寄り添えるように
どんな事があっても、君の傍に居るよ。
俺が愛するのは、どんな時だって君だけだ。
だから、ずっと俺だけを見ていて。
「…京兄、愛してるよ。」
「…私も…愛している。私には…お前だけだ…。」
そう言って笑う京兄の笑顔を失くしたくないと強く思うのに
京兄をめちゃくちゃにしたいと思っている俺も居るから、どうしたらいいか解らなくなる。
でも、もう迷ったりしないよ。
どんな事があっても、京兄の事だけを守るから。
ずっとずっと、守り続けるから…――。
君が泣かないように
(君のその優しい笑顔を、ずっとずっと見つめていたいから)
end.
今回は要×右京を書いてみました。
右京受が少なかったので…何だか少し短いけど、大目に見てください…!
情事後の要さんの語りの部分だけで1時間以上かかりましたよ…濡れ場は30分程だというのに(笑)
右京さんの口調がよく分からなくて手こずったけど、楽しかったです。対面座位もいいですね(笑)
読んで頂きありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら、嬉しいです。
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