棗×椿 R18



こんなに椿を想っているのに、俺はまだ椿の全てを感じた事がない。

椿がその気になるまで待つ覚悟で居たけど、もう限界かもしれない。

椿があまりにも無防備だから、めちゃくちゃにしたくてたまらなくなるんだ。

なあ、椿…?

そろそろ、おまえに触れてもいいかな。

椿が欲しくて、欲しくて、気が狂ってしまいそうで怖いんだ…――。


「なーつーめ!起きてるー?入るよー?」

久々の休みでのんびり寝ていた俺の元に、バレンタインが近くて忙しいはずの椿が急に訪ねてきた。

「…椿。何しにきたんだ…って、何勝手に上がってんだよ…ったく…。」

「お邪魔しまーす!棗ー、ちょっと台所借りるねー?」

何やら大きな袋を抱えて、俺の部屋につかつかと上がり込んでくる椿に俺は大きな溜息を吐きながら問い掛けた。

「おい、椿。人の部屋に勝手に上がり込んで、一体どういうつもりだ?」

「何だよ…そんな言い方しなくてもいーじゃんか!人がせっかく死ぬ程恥ずかしいの我慢して手作り…っ…!」

椿はそこまで言いかけて頬を染めながら口を噤んでしまう。

「…へえ。椿、俺にチョコ作ってくれるのか?しかも俺の部屋で、こんな可愛いエプロンまでして…誘ってるとしか思えないんだが。」

頬を真っ赤にして固まっている椿の傍に寄ると、そっとエプロンの紐を解いた。

うなじに唇を寄せると、椿の身体がビクッと揺れる。

「…棗のバカ…火傷したらどーすんだよ…?チョコ、湯煎してる最中…なのに…っ…。」

そう呟く椿の瞳は潤んでいて、俺は今すぐにでも押し倒したい衝動に駆られた。

しかし、ここは台所だ。こんな場所で押し倒したら、さすがの椿も俺に愛想を尽かすかもしれない。

「…椿。俺はチョコよりお前が食べたい。いいよな…?」

耳元で甘えるように問い掛けると、椿は小さく身を捩らせ唇から甘い声を漏らした。

「ん…や、だめ……っ…チョコ、せっかく買ったのに…勿体ないだろ…っ…。」

「…だったら、使い切れば問題ないよな?」

俺はそう呟くとまな板に無造作に置いてあった使いかけの板チョコを手に取り、ポケットの中に忍ばせた。

「…?棗…それ、どうするつもり?そのまま食べんの…?」

「椿の中に挿れて溶かして俺のをチョコ塗れにして、それを椿に綺麗に舐め尽くしてもらおうと思ってるけど?」

「なっ……!何考えてんだよ!棗の変態…!」

頬を真っ赤に染め濡れた瞳で俺を睨んでくる椿が可愛くて、俺は思わず椿の唇を塞いだ。

上顎を撫でるように舐めると、椿の腕が俺の腰に遠慮がちに廻されたのを感じ俺の胸は熱く震えた。

「…椿…我慢できない。お前を抱きたい…俺のを咥えていやらしく乱れる椿が見たい…見せてくれるだろ?椿…。」

「ん……いいよ…?でも、終わったら責任持って俺をお風呂に入れることが条件だかんな…?」

俺は優しく微笑み頷くと、椿の身に纏っている衣服を一枚ずつ脱がせていく。

露になっていく椿の綺麗な肌にそっと指を滑らせると、椿の身体がビクンと揺れた。

「……まだどこも触ってないのに、もう固くなってきてるな。どんな想像したんだ?」

ぷっくりと赤く腫れ上がっている乳首に舌を這わせながら問い掛けると、椿は勃起し始めている俺自身を濡れた瞳で見つめ小さな声で呟いた。

「…あっ…ん、ぁ…っ…なつ、め…俺、棗の…舐めたい…。」

「…ああ、いいよ。椿に舐めてもらえるって思うと興奮するよ…。」

ベッドに腰掛けると、椿の舌が俺自身に遠慮がちに這わされたのを感じ俺は僅かに身体を揺らした。

舌先で先端を舐めながら全体を強弱を付け擦り上げてくる椿に、俺は何も考えられない程に感じてしまった。

「んっ…ふ、ぅ…ん…棗…?気持ち良い…?いっぱい溢れてくんね?」

上目遣いで見つめられると、俺は我慢できずに椿の咥内に熱い欲を放ってしまった。

「っっ…!椿…大丈夫か?吐き出してもいいんだからな…?」

「…んくっ……吐き出すわけないだろー?棗が俺の舌で気持ち良くなってくれた証なんだから…。」

椿の優しさが愛おしくて、俺は椿の身体を強く抱きしめその銀色の髪に唇を寄せた。

「…椿……俺、椿が欲しい……椿の全てに触れたい…。」

俺は椿の身体を抱き上げ優しくベッドに寝かせると、真っ直ぐに椿を見つめた。

頬を赤く染め恥ずかしそうに両脚を固く閉じる椿に、俺は堪らなく欲情してしまう。

椿の両腿をそっと撫で廻しながらゆっくりと開かせると、その中心にある欲の塊に指を這わせていく。

椿自身はもう既に固く膨張しきっていて、先端からは半透明な滴が止め処なく溢れ俺の指を濡らしていく。

そっと形を確かめるように握ると切なげに眉を寄せ両脚をビクンと震わせる椿に、俺は胸が苦しくなるのを感じた。

椿への愛しさが込み上げ、気付いたら俺は椿自身を愛撫しながら椿の唇を奪っていた。

「…んっ…ん……っ…ゃ、ん…っ…なつ、め……っ…もっと…もっと、気持ち良い事…して…?俺のここ…棗が欲しくて疼いてるんだ…。」

「あんまり可愛い事言わないでくれよ…どうしたらいいか解らなくなるだろ。」

椿の濡れて淫らに蠢く秘部に舌を這わせ、窪みの周りを指先でなぞるように撫でると椿は物足りなさそうな表情でねだってきた。

「んっ…あ、ぁっ……!ん、ぁっ…は、ぁ、んん…棗…ゆ、び…中に挿れて…?」

「……っ…椿…指だけで足りるのか…?もっと欲しいものがあるんじゃないか?」

耳元で甘い声で問い掛けると、椿は涙目で俺を睨み掠れた声で呟いた。

「…棗の…おっきくて熱くなってるソレ…俺の中に挿れて…いっぱい突いて…?」

「……椿…好きだ……やっと…椿と繋がれるんだな…。嬉しいよ…。」

俺はそう呟くと、椿の濡れてヒクヒクと収縮している秘部にポケットに入れていた溶けかけた板チョコを細かく割って捩り込んでいく。

「あっ…な、棗のバカ…っ…!お腹壊したら…棗の所為だからなっ…!」

「ああ、わかってる。でも、ほら…椿の中が熱いから、もうこんなにチョコが溶けてきてる…すげえエロい眺め。」

俺はくすくすと笑うと、椿のチョコ塗れになった秘部に自身を宛がいゆっくりと腰を沈めていく。

「んぁぁっ!ひ、ぁっ…!あっ…んぁっ…は、ぁ…っ…あぁっ…!なつ、めっ…好き…!大好きだよ…棗…っ…!」

最奥を激しく突き上げる度、椿が艶めかしい声を上げるから俺の興奮はどんどん膨れ上がっていく。

「椿…つば、き…っ…!椿の中…温かくて、狭くて…すげえ気持ち良いよ…朝なんか来なければいいのにな…。」

「ぁっ…んぁっ…!や、ん…っ…棗…耳元で恥ずかしい事言うなって…っ…力、入っちゃうだろ…っ…。」

「っ…!椿…っ!そんなに締め付けたら…俺…っ…っ…っく……ッッ…!」

椿の中が俺のをきゅうきゅうと締め付けてくるから、俺は我慢できずに椿の中に熱い欲の証を放つと椿を強く抱き寄せた。

その後すぐ、椿も俺の後を追いかけるように自身から熱い白濁を迸らせると俺の胸に顔を埋め優しい笑みを浮かべた。





行為の後、俺と椿は二人で仲良く風呂に入りお互いの身体を洗い合った。

「棗の、チョコだらけだったなー。舐めたらやっぱり甘かったのかな?」

「…どうだろうな。確かめてみるか?チョコ、まだ残ってるけど?」

「は…!?な、何バカな事言ってんだよ!あんな恥ずかしい事、もう二度としねーっつの!」

顔を耳まで真っ赤にしながら俺から離れる椿を無理やり引き寄せると、深く唇を重ねた。

湯船の中で微かに触れ合う互いの欲の塊に、二人して頬を染めて黙り込んでしまった。

「…なあ、椿…俺はもう…椿と離れたくない…だからさ…帰ってもいいかな?あのマンションに…いつも椿の傍に居たいんだ…。」

「棗…うんっ…もちろん。いつでも帰ってきていーんだよ?俺も…棗に傍に居てほしいし…できるなら、ずっと…。」

そう言って優しく笑う椿の笑顔が愛おしくて、俺はそっと椿の目尻にキスをした。


君に触れているだけで、俺の胸はこんなにも幸せでいっぱいになる。

さっきまで飽きる程に体温を分け合っていた筈なのに、もうこんなに君が欲しくなっている俺が居る。

君を独り占めしたい。できるなら、帰したくない…俺だけのものにしてしまいたい。

こんな想いを、君は受け入れてくれるだろうか。

それだけが不安で、怖くて…苦しいんだ。

だから、今夜はこのまま…君を抱きしめながら眠らせて。

繋いだ手は、どうか離さないままで…――。

「…おやすみ、椿。愛してる。」

「…俺も愛してるよ。おやすみ…棗。」

君を味わう夜は切ない
(君に触れていないと、苦しくて泣いてしまいそうな夜だった)

end.





バレンタインデーの記念に書いてみました!CPは最近密かに好きな棗椿でした(笑)
私のサイトに来ている方は棗受好きな人多いようなので載せるのためらいましたが、椿受が好きな人も居ると信じて載せてみました。
支部にはバレンタイン当日に上げようかと思ってます。チョコレートを使ったベタな変態プレイネタなので、被ってる作品がありそうで怖いですけどね(笑)
読んで頂きありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら、嬉しいです。



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