僕らなりの幸福論
三つ子バースデー記念SS
椿×棗、棗×梓 R18
12月も終わりが近づいてきたある日。
僕は椿と二人で棗の部屋に押し掛け、棗の部屋で忘年会という名の宅飲みをしていた。
「あ、そういえば、もうそろそろだよねー?」
椿の主語のない発言に、僕は即座に返答する。
「ああ…僕らの誕生日?今年も棗の部屋でお祝いする?」
僕がチューハイを一口飲みながら棗の方を見ると、棗は面倒くさそうに顔を顰めた。
「…来るのは構わないが…飲み過ぎには気を付けてくれよ?色々大変なんだぞ、こっちは…。」
「色々ってー?もしかして、酔って寝ちゃった俺らに手出した事があるとか言わないよなー?」
「ぶはっっ!…な、何バカな事言ってんだよ!ある訳ないだろ!」
椿の発言に思いっきり動揺している棗に、僕は素朴な疑問を投げかけた。
「棗は、僕と椿の事をそういう目で見てるの?だから動揺してるの?」
「っ…そういう目で見てたら、どうだっていうんだよ。俺が入り込める余地なんて無いだろ。」
僕と椿は顔を見合わせた。そして、一歩、また一歩と棗の傍に寄る。
「…拗ねんなよ、棗。俺は棗も梓も同じくらい大好きだよ?」
「僕も棗の事、大好きだよ。だから…棗が笑っていてくれないと、僕は寂しい。」
「っ…な、何だよお前ら、いきなり…!俺は拗ねてなんかないって…っ…。」
耳元で喋られているからか、棗の瞳が徐々に潤んでいくのが解り僕は息を呑んだ。
「そんな潤んだ瞳で拗ねてないって言われても、信じらんねーんだけど?なぁ…俺らと、気持ち良い事しよーよ…?」
「僕らに誕生日プレゼントをあげると思えば、お金もかからないし悪くない話だと思うけど?僕も椿も、棗になら何されてもいいって思ってるし。…ね?椿?」
棗の太腿をゆっくりと撫でながら、椿を見つめ問い掛ける。椿は深く頷き口角だけを上げて微笑うと、棗の服を脱がし始めた。
「お、おいっ…!何で俺が脱がされてんだよ!普通に考えて脱ぐのはお前らだろ!?」
「えー?何でって…そういう気分だったから?それに、棗が一番年下だし、棗に乗っかられるのは後でもいいかなーって。」
「どういう理屈だよ、それ…んっ…ぁ、ふ…ぁ…やめ、ろって…!」
椿が棗の唇を塞いでいる隙に、棗の着ている服を捲り上げ反応し始めている乳首に舌を這わせていく。
頬を赤く染め、声を我慢しようと必死で唇を噛み締めている棗が可愛くて仕方ない。
「ねえ…棗?僕と椿にも触れてよ、やられっぱなしじゃなくてさ。僕、棗が欲しいな…。」
棗の股間を服越しに弄ると、棗の瞳が一瞬ギラッと鋭く光ったような気がした。
棗は椿の肩を押すと、僕と椿の顔を交互に見つめてから僕の服を下着ごと脱がしてきた。
「棗ってば…俺の目の前で梓に手を出すなんて、いい度胸してんねー?まあ、今日だけは許すけど…今日だけなんだからな!」
椿はそう言い放つと、棗の後ろに周り棗のお尻の割れ目をツツ、となぞり、その中心にある秘部に舌を這わせた。
「ひっ…!つ、ばき…ッ…!ん、ぁっ…!」
棗の身体がビクンと揺れ、艶めかしい声が棗の唇から漏れる。
僕はそんな棗のエロイ表情を見て、身体中が熱くなるのを感じ呼吸が乱れてくる。
「…棗の感じてる顔……すごくいい…ゾクゾクしちゃう…っ…。」
「棗?手、止まってるよー?言っておくけど、梓を放置したりしたら…酷くするかもしれないから、よーく覚えとくんだよ?」
椿の指が棗の秘部に滑り込んでいく。そして、少し離れている僕の耳にも届くような激しい水音を立てる椿に、棗は苦しげに眉を顰めた。
その水音と棗の表情だけで、僕自身は徐々に熱く昂ぶっていってしまう。これじゃまるで、AVを見て一人でムラムラしている寂しい奴みたいだ。
僕は誘うように棗自身に指を這わせると、濡れた瞳で棗を見上げ甘い声でねだった。
「ねえ、棗……僕にも、椿にされてるようなこと…してよ…。身体が疼いてるんだ…だから、早く…棗を感じさせて…?」
「っ…梓……っ…そんな瞳で、そんな可愛い事言われたら…俺…っ…。」
棗は僕の唇に噛み付くようにキスをしてきた。互いの舌を吸い合うようなキスに、僕の身体は力が入らなくなり床に倒れ込んでしまった。
そんな僕を棗の腕が瞬時に支える。僕に対しても椿に対しても、棗はいつも優しい。そんな優しい棗に、僕と椿は昔から甘えてばかりだった事を思い出す。
僕の両脚を大きく開かせ、背中を屈めて僕の昂りに舌を這わせてくる棗に、僕の興奮は急激に高まっていく。
そして、まだ僅かにしか濡れていない僕の秘部に熱く猛った自身を宛がい、ゆっくりと腰を沈めてくる棗に僕は瞳から生理的な涙を溢しながら腰を淫らに揺らし棗を求めた。
「あぁっ!あ、んぁっ…ひ、ぁっ…は、ぁ…っ…ん、ぁ…っ!なつ、め…あ、ぁ…っ…や、ん……っ…!」
「っんっ…!ぁっ…!ひ、ぁっ!…は、ぁっ…っ…椿…っ!あっ…ぅ、あっ…!は、ぁっ…!」
突如、棗の口から切なげな嬌声が漏れ始める。僕の視界からでは解らないけれど、多分椿が棗の中に入ったからだ。
「俺に挿れられながら、梓を犯している今の気分はどう?俺は大切な大切な梓が襲われてるのを見ながら、梓を襲ってる張本人を襲ってる状況…悪くねーなって思ってるけど。」
「つば、き…!あっぁっ…!ひ、ぁっ…!俺、は…っ…椿と梓が、こんな妙な状況でも愉しんでいるなら…これはこれで、いいと思うけど…。」
こんな時にまで、僕らの気持ちを優先する棗が信じられなくて、僕と椿は一瞬黙り込んでしまった。
それでもすぐに、それが棗だよね…と思い返した僕は、棗の手に自分の手を重ね誘うような視線を棗に向けた。
「ねえ…棗?ちゃんと動いてくれないと…僕、辛いんだけど?椿ばかりに気を取られてないで…ちゃんと僕の事も愛して。」
「そーだぞー、棗!梓に寂しい想いなんてさせたら、この俺が許さないんだからな。っく…棗、中に出すよ…?」
椿はそう言うと腰を動かすスピードを急激に速め、棗の中に欲を放った。
「んっぁっ…!あっ……!つば、き…っ!んっ…ひ、ぁっ…!」
棗は身体を震わせながらも僕への突き上げを止める事はしなくて、僕は何だかいつも以上に興奮してしまう。
棗の後ろから覗く椿の感じている表情や甘い声、僕を抱きながら椿に挿れられて感じている棗の淫らな表情や淫乱さ、僕の中でどんどん質量を増す棗の欲の塊…
そのどれもが、僕を淫らな気分にさせていく。
僕は切なげな嬌声を上げると、棗の手を取り、そっと僕自身へと触れさせた。
「んっ…は、ぁっ…ん……ねえ…棗…扱いてよ…僕、もう…イキそうだから…棗もそろそろでしょ…?一緒にイキたい…ね、いいでしょ?」
ねだるように棗の手を僕自身にグッと押し付けると、棗の手がためらいがちに上下に動き出した。
「梓…っ…気持ち良いか…?沢山溢れてくるな…梓のいやらしい滴…。」
「棗…調子乗んなよ?棗のココも、俺のを咥えてヒクヒク蠢いて…すっげやらしー眺めなんだけど?」
椿が棗の耳元で低めの声で囁くと、棗は身体を大きく跳ねさせ、僕の中に熱い欲を放った。
「んぁっ…!は、ぁっ…っ…ん、っ…あぁぁぁっ…――ッ!」
その刺激で僕の興奮は最高潮に達し、棗の手のひらに熱い欲を迸らせると、僕と椿は棗にすり寄るように棗の身体にくっついた。
棗はそんな僕と椿の肩を両腕でしっかりと抱くと、髪を優しく撫で続けてくれた。
「そういえば…まだ誕生日じゃないよね…?…って事は、もう一回三人で愉しめるんだね?ふふ…っ…楽しみだなあ。」
「…はあ!?梓、おまえ…何考えてんだよ…こんな妙なセックス、俺はもう………っ…。」
棗はそこで口を噤むと、頬を真っ赤にして目を泳がせてしまう。
「へえ…棗ってば、やることやってる筈なのに、変なトコで照れるんだねー?俺、ちょっとだけドキッとしちゃった!」
棗の頬にチュッと音を立てて口付ける椿に、棗はみるみるうちに不貞腐れた表情になっていく。
「…おまえらと違って、俺は常識人なんだよ。気持ち良けりゃいいってもんじゃないだろ?」
「…それは、そうだけど。でも…僕と椿だって、好きじゃない人とこんな恥ずかしいこと…しないよ?」
僕が棗の耳元で諭すように話すと、椿は深く頷き棗の髪を指にクルクルと巻き付けながら棗に語り掛ける。
「そーだぞ、棗。俺と梓だって、愛がないわけじゃないんだからさ。そんな身体目当てみたいな言い方されたら、地味にヘコむんだけど。」
「……解ってるよ、愛があるって事くらい。今のは……俺なりの照れ隠しなんだよ。身体目当てだなんて思ってない。だから気にすんな。」
棗が優しい表情で笑う。何もかも受け止めて、それでも愛想を尽かさずに僕と椿を好きで居てくれてる棗に、僕は目の奥が熱くなった。
僕と椿が、棗にしてあげられることがあるとしたら…きっと、それは…いつも幸せで居ること。
棗は優しいから、僕と椿が少しでも嫌な思いをしていたり、落ち込んでいると、一緒になって落ち込んでしまう所がある。
棗の幸せは、僕と椿が幸せで居てくれること。
そして、僕と椿の幸せには、どうしても棗が必要なんだ…。
「棗、大好きだよ。」
「俺も!俺も棗が大好きだよー。」
「…俺も、大好きだよ。椿の事も、梓の事も。」
Happy Birthday dear tsubaki,azusa,natsume!
end.
三つ子でわちゃわちゃさせたかっただけなのに、結局エロに走ってしまった…(笑)
完全に自己満で書いちゃってすみません…。そして、記念日SSなのにクオリティが低くてすみません…。
椿と梓の誕生日記念SSなのに椿梓じゃないという…何とも訳の分からない話ですね…(他人事じゃないだろ)
今年は沢山書いたので力尽きていたと思うんで、クオリティの低さは大目に見て頂けると大変有難いです。来年からまた頑張りますので!
今年も最後の最後まで色々と頑張ってくれた感謝も込めまして、お祝いの小説とさせて頂きます。
三人共、お誕生日おめでとうございます。これからもずっと大好きです!
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