風斗×椿 R18 瑠姫様、yukinko様、mira様、未来様、MIA様リク


僕はずっと前から、椿兄に片想いをしている。

でも、椿兄は、僕を愛してはくれない。

そんな事、とっくの昔に気付いていた。

だから僕は、愛なんて求めない。

椿兄の愛なんて、要らない。

僕が欲しいのは…椿兄の温もりだけ。

一度でいいから…僕の事だけを考えて欲しい。

憎まれてもいい。蔑まれたって構わない。

その瞳に、僕だけを映してくれるなら、それだけで…――。





深夜0時過ぎ…。

僕は一人、椿兄の部屋の前まで来ていた。

理由はただ一つ。椿兄をこの腕で抱くためだ。

「………少し、緊張するな…。」

ドラマの撮影や歌番組の生放送よりも数倍緊張する。

僕は深呼吸をすると、震える指でチャイムを鳴らした。

「はーい?誰ー?」

ドアの向こうから聴こえる椿兄の声に、トクンと胸が高鳴るのを感じながら僕は短く答えた。

「…風斗だけど、今…少しいいかな?」

「は?風斗?…うん、別にいーよ?どうせ暇だし。今開けるから待っててー?」

椿兄の足音が近づいきて、15秒程でドアが開き、中から椿兄が顔を見せた。

「…ごめん、いきなり部屋に来たりして。」

「そんな畏まらなくていいって。それで、今日はどーしたんだよ?あ、まあ立ち話もなんだし、中に入れよ。」

部屋に入り、椿兄がドアを閉めたと同時に椿兄に後ろから抱き付いた。

「…椿兄……。僕…椿兄が欲しい…。嫌なら、抵抗して?もし、抵抗しないなら…僕はこのまま椿兄を抱くよ。」

頬を真っ赤にし固まってしまった椿兄の首筋に軽く歯を立てると、椿兄は我に返ったように暴れ出した。

「っ…!風斗…!何、バカな考え起こしてんだよ!嫌だって…!放せよっ!」

本気で嫌がる椿兄に、僕の胸はキリッと痛む。でも、今更放してなんかやれない。

僕は暴れる椿兄の肩を掴んだまま椿兄の前に周り向かい合うと、椿兄の唇を強引に奪った。

固く唇を閉じる椿兄の唇を指で無理やり抉じ開け、舌を挿し込むと逃げ惑う椿兄の舌に自分の舌を無理やり絡めた。

力が入らなくなったのか、椿兄は床にズルズルと座り込んでしまった。

僕はそんな椿兄を押し倒し、その上に跨ると椿兄の頬にそっと指を這わせた。

「……そんなに嫌なら、僕を突き放してよ、椿兄…。思いっきり拒絶して、追い出してくれて良かったのに…。」

「…っ…そんな、こと…出来る訳ねーじゃん…風斗は…俺の大事な、弟なんだから…突き放すとか、拒絶とか…そんな選択肢、俺の中にはねーよ。」

椿兄の言葉は、今の僕には残酷な言葉に聞こえた。弟としてしか見ていない…だから、諦めてくれと…そう、遠回しに言われているように感じた。

「…だったら……今夜だけ、僕に椿兄を独り占めさせてよ。もう…今更、止められないから…。」

「風、斗……泣いてんのか…?」

椿兄に言われて初めて、僕は自分が泣いている事に気が付いた。慌てて拭っても、次から次へと溢れてくる。

溢れてくる涙はそのままに、僕は椿兄の服を乱暴に脱がし始める。

椿兄はもう殆ど抵抗しなくなっていた。僕の涙を見て、戸惑っているのかもしれない。

全部脱がすと、椿兄の乳首にそっと舌を這わせた。椿兄はビクンと身体を揺らし、甘い声を上げながら濡れた瞳で僕を見つめた。

「んっ…は、ぁ…っ…んぁ…!ふう、と…っ…。」

「僕に舐められても感じるんだ?椿兄は僕の事、弟としか思ってないのにね?変なの。」

尖ってきた乳首を甘噛みすると、椿兄は切なげな嬌声を上げ、僕を軽く睨んでくる。

「…ひ、ぁっ…!…っ…調子に乗んなよ…!」

乳首だけで反応を示し始めている椿兄自身をやんわりと握り込むと、椿兄は瞳から大粒の涙を溢し、浅く息を吐き始める。

「椿兄…気持ち良い?もうこんなに先走りでびしょびしょにしちゃってさ…勿体ないから舐めてあげよっか?」

「は、ぁっ…ん…っ…もう、何でもいいから…イカせて…っ…?」

切なげな瞳でねだられ、僕の興奮は一気に高まっていく。

僕は椿兄自身を口に含みながら、まだ触れた事のない椿兄の秘部に指を滑り込ませ前立腺の辺りを引っ掻くように刺激していく。

「いいよ…イキたかったらイッて?椿兄のイク顔…僕に見せてよ。」

「んぁっ…!あっぁ……!ひぁっ…も、出るっ…!っ…んぁぁぁっ…――ッ!」

妖しく呟きながら、先端を思いきり吸うと、椿兄は身体をビクッと震わせながら僕の咥内にその欲を放った。

「…んっ…椿兄……もう、僕も限界…挿れるからね?」

僕は椿兄が放った白濁を一滴残さず飲み干した後、椿兄の耳元で囁くと、椿兄の中に挿れていた指を引き抜いた。

そして、達したばかりでヒクヒクといやらしく蠢くそこに、熱く昂ぶった自身を宛がうと、ずぷぷ…っという卑猥な水音を立てながら埋め込んでいく。

「んっ、ぁっ…!あっぁっ…!ひ、ぁっ…!んぁっ…は、ぁ…んんっ…!風斗…の、おっき…ひぁっ…!」

「っ…椿兄…煽らないでよ…っ…出そうになっただろ…っ…!」

激しい律動の最中、椿兄の手が不意に僕の手に触れた。

僕の指をためらいがちに握ってくる椿兄がとても愛おしく感じて、無意識のうちに握り返していた。

「ぁっ…は、ぁっ…!んぁっ…っ!い…あっ…!は、ぁっ…!風斗…っ…!俺、もう…っ…イキそ…ッ…!」

「うん…っ、僕も…そろそろヤバイかも…!」

腰を動かすスピードを更に速め、最奥ばかりを何度も擦り上げると、椿兄は背中を仰け反らせ身体を大きく跳ねさせながら自身から熱い欲を迸らせ、床に倒れ込んだ。

その後すぐ、僕も椿兄の中に欲望の証を注ぎ込むと、放心状態の椿兄をそっと抱き抱えベッドに寝かせた。



「…ん…?風斗…?どーしてそんなとこに居んの?寒いから、こっち来てオニーサマを温めてよー?」

「……椿兄…?僕がしたこと…怒ってないの?僕…椿兄を無理やり犯したんだよ?」

椿兄に腕を強く引っ張られ、半ば無理やりベッドの中に引きずり込まれた。

椿兄の身体は温かくて、頬はまだ少し上気していて凄く色っぽい。

「…怒ってないわけじゃないけど…泣く程俺の事を想ってくれてたって知って、ちょっと心が揺れ動いたっつーか…。」

「…椿兄って意外と、お人好し?僕、結構サイテーな事してると思うんだけど。」

椿兄の視線と僕の視線が不意に絡まり合う。そして、そっと唇が重なった。

「……またしたくなったら、今度はいきなりじゃなくて連絡して?もしかしたら、先客が居るかもしれないから、さ。」

その先客と言うのは、間違いなく梓兄の事だと、僕は瞬時に悟ってしまった。

何度椿兄を襲ったとしても、僕が椿兄の一番大切な人になる日は絶対に来ない。

そんな事、もうずっと前から知っていた。

それでも、僕はこの想いを棄てる事が出来なかった。

椿兄の特別になんて、なれなくたって構わないよ。

だから…今だけは、僕の事だけを考えてよ。

「椿兄……おやすみ。」

「うん…おやすみ、風斗。」

僕が隣に居る、今、この瞬間だけは…。

僕を突き放して、忘れさせて
(きっと、僕の腕の中に居る今も、君は別の温もりを思い出しているね)

end.



瑠姫様、yukinko様、mira様、未来様、MIA様リクからのリクで、風斗×椿を書きました。長い間お待たせしてしまい申し訳ありません。
無理矢理的なのは、実はあまり書いた事が無くて悪戦苦闘してました。何とか完成しましたが…短い気がする…てか、台詞少ない?(笑)
椿受ってなかなか難しいですが、大好きなのでこれからも増やしていきたいです。
一生懸命書かせて頂いたので、少しでも楽しんで貰えたら小躍りして喜びます!
瑠姫様、yukinko様、mira様、未来様、MIA様、リクエストありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。

素敵なお題は確かに恋だった様よりお借り致しました。ありがとうございました。



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