椿×風斗 R18 あ〜りん様リク
椿兄に優しくされると、胸の奥がキリキリと痛む。
この胸の痛みの理由なんて、とっくの昔に気付いている。
でも…僕は、この気持ちを認めるのが怖いんだ。
だって、椿兄は、僕の血の繋がった兄貴で
椿兄には、梓兄という大切な人が居て…
僕が幸せになれる見込みなんて、1%も無いから。
ねえ、椿兄…?
頼むから…中途半端に優しくするのはやめて。
僕を…これ以上、惑わせないで…――。
「…っくしゅ!っくしゅんっ!」
「風斗、風邪?熱は…うおっ、熱っ!どうしてこんな状態になるまで黙ってたんだよー?」
僕がくしゃみをしたのに気付いた椿兄が隣にやってきて、僕の額に手のひらを当てる。
「う、うるさいなっ!椿兄には関係ないだろっ…っくしゅ!……っ…。」
今日は朝から頭が痛くて、仕事中も集中力途切れまくって、NGも沢山出しちゃって…散々な一日だった。
ただでさえイライラしているのに、椿兄が余計な世話を焼いてくるから…僕は辛くなってしまった。
僕に気がある訳でもないのに、優しくされたら、辛いよ…椿兄…。
僕が涙目で椿兄を睨むと、椿兄は小さく溜息を吐いて僕の頭を撫でた。
「強がんなって。あ、そーだ!椿オニーサンが看病してやろっか?その熱じゃ着替えるのも大変そうだし。」
「はぁ!?いいよ、そんなの…!これくらいの熱で、甘えたくないし…っくしゅ!」
「甘えていいんだって。病人なんだからさ。それに…俺が、風斗の傍に居たいだけだし…ほら、風斗の部屋、行くよ?」
椿兄の頬がほんのり赤く染まる。その表情を見た瞬間、僕は我慢できずに椿兄に抱き付いていた。
「……椿兄…っ…僕、苦しい…。」
「風斗…そんな潤んだ瞳で見るなよ…手出したくなるから。」
「…椿兄…?今、なんて…?」
椿兄が小さな声で呟いた言葉を、僕は聞き逃さなかった。
けど、どうしてもちゃんとした言葉で聴きたくて…僕は椿兄の服の裾を引っ張り椿兄の顔を覗き込んだ。
すると、椿兄の顔が近づいてきて…唇を塞がれた。
抵抗しようにも、熱のせいで思うように身体に力が入らず、僕は小さく身を捩らせた。
椿兄の舌の熱さと、両頬に添えられた手の熱さに、僕の下半身は僅かに反応を示してしまう。
「……風斗が好きだ。」
「…っ!そんなの…嘘だ。信じられないよ…っ…!っ…は、ぁ…っ…は…っ…。」
ただでさえ熱で身体が熱いのに、椿兄に口付けられた部分から新たな熱が生まれていくような気がして、僕の呼吸は乱れてくる。
「風斗…感じてんの?息が乱れてる…熱のせいで敏感になってんだ?かーいい…。ね、もう一回キス、してもいい?」
「なっ…!何、バカな事言ってるんだよっ…!病人に手出すなんてサイテーだと思わないわけ!?それに……本気のキスじゃないなら、僕は…されたくないよ…。」
「…本気だよ。俺は、風斗が大好きなんだ。意地っ張りで強がりで毒舌で生意気な風斗が、愛しくて仕方ない…。」
何も言い返せずに居ると、椿兄は僕を軽々と抱き上げ、僕はお姫様抱っこの体勢で半ば強制的に僕の部屋へと連れて行かれた。
「…椿兄…まさか、僕を抱くつもりなの?」
「風斗がしんどいなら、我慢するけど?…どうする?」
僕を試すような椿兄の言葉に、僕の心は乱されていく。
僕は誘うような視線を椿兄に向けると、椿兄の胸に凭れ掛かるように抱き付いた。
そして、自分でも驚く程に酷く震えた弱々しい声で椿兄に懇願していた。
「…平気だから…僕を抱いて…椿兄に…ずっと、触れて欲しかったんだ…。」
「…っ…風斗…。」
濡れた視線を椿兄に向けると、椿兄の唇が僕の唇に重ねられ、深く口付けられる。
咥内の唾液を吸い尽くされるような激しいキスに、僕は何も考えられなくなってしまう。
椿兄の唇が乳首に到達し、舌で舐められると僕は甘い声を漏らした。
「っぁ…は、ぁっ…んん…椿、兄…っ…。」
「風斗の乳首…こんなに固くなってかーいい…こっちも勃ってきてる…。」
「ひぁっ…や、そんなの…っ…仕方ない、だろ…!エロイ触り方するなよっ…!」
椿兄の手が僕自身に服越しに触れ、ゆっくりと弄るように撫で廻してくる。
「えー?触れて欲しいって言ったのは、風斗の方じゃん?…苦しそうだから、脱がせてあげんね?」
抵抗する体力も残っておらず、僕は瞬く間に身に纏っていた衣服を全て剥ぎ取られてしまった。
生まれたままの姿になった僕の上に、同じように生まれたままの姿の椿兄が跨ってくる。
熱でぐらぐらと揺れる視界の中、椿兄の顔が近づいてくるのが解り、僕は目を瞑った。
今宵三度目のキスは、先程までの激しいキスとは打って変わって、唇と唇が触れ合うだけの優しいキスだった。
その優しすぎるキスは、今の僕にはあまりにももどかしく、僕は堪らなく切ない気持ちになった。
「ん…っ…椿兄…風邪、移っても知らないよ…?」
「風斗に移されんなら、それもいいかなって…それにさ、汗かくと、熱って下がるんだって。だから…俺と、暑くなるようなコト…しよーよ?」
椿兄の指が僕自身に直に這わされると、僕の身体はビクンと跳ね上がった。
「…っあ…!ん、ぁ…っ…椿、兄……ゃ、んっ……っ…!」
「風斗のエッチな滴、どんどん溢れてくるよ?なあ…舐めて欲しい?」
僕自身の形を確かめるように握り込みながら、椿兄は耳元で問い掛けてくる。
先端から溢れる滴を指に絡め僕に見せつけるように指を咥える椿兄に、僕は頬が燃えるように熱くなるのを感じた。
「っ…そんなの…っ…恥ずかしくて、言える訳ないだろっ!…椿兄の……意地悪…っ…!」
「…そんな泣きそうな顔されると、余計に虐めたくなっちゃうんだけど?」
涙目で椿兄を見上げると、切なげな瞳をした椿兄と目が合った。
その切なそうな表情に、何故か僕の胸は押し潰されるように痛んだ。
「……椿兄…僕、寒いんだ…温めてよ…僕、椿兄と…暖かくなるようなコト…したい…。」
「風斗…っ…。」
椿兄は僕の名前を切なげに呼ぶと、僕自身を口に咥えぴちゃぴちゃと卑猥な水音を立て舐め始める。
「んぁ、ぁっ…!ひ、ぁ…!椿兄…っ…ん、ぁっ…!あっぁっ…!」
その艶やかな姿に僕は堪らなく興奮してしまい、もっと椿兄と一緒に気持ち良くなりたくて、気付くと僕は椿兄の股間に右手を当てていた。
「んっ…?風斗…どーした?俺のが欲しくなっちゃった?…そんなエッチな手つきで触られたら、コーフンしちゃうなー…固くなってるだろ?これがこれから、風斗の中に入るんだよ?」
「あのさあ…いちいち言葉にすんなよ、恥ずかしい奴だな!それくらい、高校一年生ならフツーに知ってるって…。」
「頭では解ってても、言葉にされると恥ずかしいもんだよねー。俺は、風斗に恥ずかしい気持ちになってもらいたいの!だから今のはわざと♪」
「なっ…!何で僕ばっかり恥ずかしい思いしなきゃなんないわけ!?」
椿兄は妖しく微笑むと、椿兄の股間に当てられていた僕の手に左手を重ねてきた。そして、そのまま上下にゆるゆると手を動かしてくる。
椿兄自身から直に伝わってくる脈動と熱に身体中がゾクゾクするような感覚がして、眩暈がしそうになる。
もう、恥ずかしくて今にも逃げ出したいと頭では思うのに、身体は更なる快感を求めて淫らに脚を開いている…僕は、どうかしてる。
「んっ…は、ぁっ…風斗のも、固くなって震えてんね?俺の触って興奮してんだ?風斗ってばマジかーいいな…俺だけのものにしたくてしょーがねーんだけど。」
「…っ…椿兄だけのものにしてよ…僕の事…椿兄の事しか、考えられなくさせてよ………僕、を…愛して…?椿兄…っ…!」
「風斗…そんな可愛い事言われたら…俺…っ…どうしたらいいのか、わかんなくなる…風斗が好き過ぎて…俺の愛で汚してしまいそうで…怖くなる…。」
椿兄の指が、僕の濡れて淫らに収縮している秘部にするりと滑り込んでくると、僕は瞳を潤ませ椿兄の首に両腕を伸ばした。
「椿兄の愛に汚されるなら…僕は幸せだよ…もう、我慢できない…挿れ、て…?椿兄の全部で…僕に愛を伝えて…?」
掠れた声でねだると、椿兄の瞳から一粒の涙が溢れ、その綺麗な滴が僕の頬に流れ落ちた。
「…風斗…好きだ…ずっと、お前だけを好きで居させてよ…。」
「んっ…ぁあっ…!あっ、んぁっ…!出ちゃ、うっ…!あっ…ぁ…っ!っ、いぁぁぁっ…――ッ!」
椿兄の指が僕の中を淫らに動き廻る。ある一点を強く引っ掻くように刺激されると、僕は我慢できずに自身から熱い欲を放った。
呼吸を整えている隙に、椿兄自身が僕の中に捩り込まれる。初めて感じる快感に、僕の目尻からは涙が溢れ出す。
「風斗…?泣かないでよ…風斗に泣かれたら、俺も悲しくなっちゃうじゃんか…痛いなら、抜こっか…?」
「っ…いやっ…!抜かないで…気持ち良すぎて、泣いてるだけだからっ…もっと、椿兄を感じたいんだ…だから…その…っ…動い、て…?」
「…っ…!風斗…っ!お前、可愛すぎだって…!」
激しい律動が始まると、僕は椿兄の首に両腕を巻き付け切なげな嬌声を上げた。
最奥に椿兄の熱い欲の塊が当たる度、脳が痺れてしまいそうな程感じて、無意識に腰が淫らに揺れてしまう。
「あっぁっ…!はぁ、んぁっ…!つば、にい…っ!ぁん、ひ、ぁっ!好き…好きだよ…椿兄が大好き…っ!」
「…っ…風斗…俺も…俺も、風斗の事が大好きだよ…!これからもずっと…風斗の傍に居させて…?」
繋がったままの体勢で唇を重ねられた時には、もう僕は椿兄のことで頭がいっぱいになっていた。
「んっ……椿兄……気持ち良い?僕の中……。」
「…うん…すっげ気持ちいーよ?でも、急にどーした…?」
「……だって…椿兄の、今…ちょっとだけ大きくなったから…。」
「…風斗と繋がってんだなーって思ったら…興奮しちゃったんだよね。でも、風斗が気付くなんて思わなかったからちょっと焦った…ははっ。」
「…!椿、兄…っ…ん…っ…ぁ…っ!」
そう言って照れくさそうに笑う椿兄を見て僕はドキドキしてしまい、思わず身体に力を入れてしまった。
「…っ…風斗…!そんなに締め付けたら…っ!俺…っ…っく……っっ…!!」
「あっぁっ…!んぁ、はぁ、んっ…!つばに…っ…も、だめっ…イッちゃ…、っ…あぁぁぁっ――ッ!」
椿兄の熱い精液を最奥に感じると、その刺激で僕の興奮も最高潮に達し、僕は自身から半透明な滴を放った。
そのまま椿兄に抱き付きその胸に頬を寄せると、椿兄の腕が僕を包み込むように抱き締めてくれた。
君の笑顔が、僕を幸せにする。
君の温もりが、僕を切なくさせる。
でも、普段の僕は君の事ばかり考えている訳にはいかなくて。
それが、いつもすごく苦しい。
だから、想いが通じ合った今だけは…君だけを感じさせて。
君の事だけしか、考えられないくらいに…君の愛を僕だけに注いで。
「風斗…愛してるよ。」
「うん…僕も、椿兄の事…愛してる…。」
君のことだけを考えていたい、今だけでいいから
(君のことで頭がいっぱいになって、何も手に付かなくなっても構わないとさえ思ったんだ)
end.
あ〜りん様からのリクで、椿×風斗×看病ネタを書いてみました。タイトルが長い…第一印象はきっとそこだろうなと思います。
糖度もエロ度も低め…かな?そして、看病ネタのはずが看病するシーンが殆どないという…ごめんなさい…。
そして、最後の方のお二人は誰これ状態になってしまい…申し訳なく感じています。
でも、普段より文字数が長い分、濃い話が書けたかな?なんて思ってたりします。
風斗受って自分からはあまり手出したことないので、今度落ち着いたらまた書いてみようと思います。
あ〜りん様、リクエストありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
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