椿×昴 R18 suba様リク
俺がつば兄を意識していると気付いたのは、もう随分と前の事だ。
からかわれる度、意地悪される度、身体の中に熱が生まれる…。
その熱を自らの手で放出する度、どんどんつば兄の事が欲しくなっていく俺が居て…。
こんな邪な感情を実の兄に抱くなんて…俺は、どうかしてる。
「なあ、昴ー?おまえ、最近おかしくね?」
夕食後、いつものようにリビングから部屋に向かう途中、つば兄に話しかけられた。
急に後ろから抱き着いてくるつば兄に、俺は肩をビクンッと揺らしつば兄の腕を振り解こうとした。
けど、つば兄の腕の力が思った以上に強くて、俺の胸は高鳴ってしまう。
こんなに鼓動が速かったら…つば兄に変に思われる…早く、離れなきゃ…!
「つ、つば兄!何だよ、いきなり。俺は…普段通りだよ。別に…何も変な事とか考えてないからっ…!」
「でも…俺、昴が時々、俺の事を濡れて火照った瞳で見てるの、知ってるんだよ…だから…。」
つば兄の熱い息が耳に掛かると、俺の下半身は疼き出してしまい俺の頬は赤く染まる。
身体の力が抜けていくのを感じると、俺は抵抗するのを諦め、きゅっと唇を噛み締めた。
「……つば兄…はっ…離せよ…!つば兄は…俺の事、からかいたいだけなんだろ…?つば兄に遊ばれるのだけは、俺…嫌なんだよ…っ!」
「…なんでそうやって決め付けんの?俺だって…俺だって、昴の事…こんなに好きなんだよ?遊び半分じゃなくて…本気で、昴を愛したい。…だめ?」
つば兄の甘い言葉に、俺は戸惑いを隠せない。
だって…信じられるわけない。
つば兄は、あず兄とデキてるんだとばかり思っていたから。
「そ、そんなの…!信じられるわけ、ないだろ…っ…!」
「…じゃあ、どうしたら信じてくれんの?もう、我慢の限界なんだ……こんなに昴が近くに居るのに、昴を感じられないなんて…俺には耐えらんねーよ…。」
俺は身体を回転させると、涙目でつば兄を見つめた。つば兄の指が俺の唇をなぞると、俺は身体を震わせ瞼を固く閉じた。
数秒後、つば兄は啄むようなキスを俺にくれた。つば兄の体温が唇から伝わってきて、俺の鼓動は更に速くなっていく。
俺はもっとつば兄を感じたくて、自ら誘うようにつば兄の咥内に舌を入れた。
「……ん…っ…ふ、ぅ…ん………はぁ……っ…つば、にい…っ…俺も…つば兄が好き…ずっと…つば兄が…欲しかった…っ…。」
「ん……昴…っ…いいよ…昴に、俺の全部をあげる。そんな切なげな表情でねだられたら、俺…嫌なんて言えねーって…。」
俺の部屋に向かう途中、つば兄が俺の耳元で何度も恥ずかしい言葉を囁いてくるから、俺はムラムラしてしまいつば兄の顔を直視出来なかった。
「……やっと二人きりになれたな。…すーばーるっ。ぎゅー!…ね、俺…昴の触りたい…今、どんな風になってんの…?」
俺の部屋に入った途端、つば兄が俺に抱き付いてきた。
首筋をジュルッと音を立て舐めながら、俺の一番感じる場所に服越しに触れてくるつば兄に俺は思わず甘い声を漏らしてしまった。
「ぁ……っ!ん……っ…や、ん…っ…つば、兄…触ったら…だ、め…っ…勃っちゃう…ぁ…っ!」
「…昴、もうこんなに固くして…エッチな子だね?俺以外の奴に触られても…こんな風になんの?」
つば兄は俺の耳を舐めると、俺の身に纏っている衣服を一枚ずつ剥ぎ取っていく。
部屋の中が意外と寒くて、俺は思わず身体を硬直させると涙目でつば兄を見つめた。
「…ならない…っ…俺は…つば兄としか、こんな恥ずかしい事…しないよ…っ…。」
つば兄の手が俺の乳首を撫でるように弄る。その優しすぎる愛撫に、俺は焦れったさを感じ思わず熱い視線をつば兄に向けた。
「…そう?それならいいんだけど…昴の、温かくてヒクヒクしてんね…?それに、エッチな滴もいっぱい流れてくるし…興奮してんだ?」
つば兄は膝立ちになり、俺自身を両手で包み込むように握ると、その手を上下に動かし始める。
「やっ…ぁ、んんっ……!は、ぅ…あっ……!そん、な、事……訊くなよ…っ…ぁ、もっ…む、り…っ…!イッちゃ…あっ…ん、んぁぁっ……――ッ!」
先端に舌が這わされると、俺の興奮は最高潮に達し、俺は顔を歪ませるとつば兄の顔目掛けて熱い白濁を放ってしまった。
俺は息を乱しながらつば兄に抱き付くと、つば兄自身にそっと指を這わせた。
「昴のイク顔、マジやばかった…俺、萌え死ぬかと思った……ん…っ…昴?どーしたの…?俺の触っちゃって…誘ってんの?」
「うん……誘ってる…ね、つば兄…俺、もう…我慢できない…俺の中に…挿れて…?」
「……っ…!すば、る…!どうなっても、知らねえからな…っ…!」
つば兄の細くて綺麗な指が達したばかりで敏感になっている俺の秘部にぬるりと滑り込んでくる。
中でバラバラといやらしく動き回るつば兄の指の感触に興奮した俺は、更なる快感を得ようと恥ずかしさも忘れて自ら腰を揺らしつば兄を見つめた。
「ぁっ…ん、ぁ……!ふ、あっ…ん……っ…や…っ…!…つば、兄……も、指だけじゃ、足りないよ……っ…つば兄の熱くて固くなってるので…気持ち良くなりたい…。」
「……っ…昴…エロ過ぎ……たまんねー…大好きだよ、昴……俺を欲しがって恥ずかしい事を言う昴が愛おしい…。」
つば兄は余裕のない表情で呟くように言うと、俺の中に挿れていた指を引き抜き、トロトロに濡れて赤く光るそこに熱く昂ぶった自身を宛がい、ゆっくりと捩り込むように挿入した。
「んぁぁ……っ!ひ、ぁっ…んぁ、ぁっ…ぃ、あっ…!つばに…っ…俺も…つば兄の事、大好きだよ…ぁんっ……!ぁ、あっ…!」
激しい突き上げの最中、つば兄が俺自身に優しく唇を寄せてきて、俺はあまりの気持ち良さに思わずつば兄の背中に爪を立ててしまった。
「…っ…!ダメだ…俺、昴にハマりそう……いや…もう既に、完全に落ちてる…昴の全てに…っ…!」
「あっ……!ん、ぁ…っ…つ、ばに…い…っ…!耳元、で…そんな甘い言葉…囁かれたら…俺…っ…ぁ、あっ…!っ…んぁっ…――ッ…!」
つば兄がくれる甘過ぎる愛の言葉と、心と身体の両方に感じる優しい痛みに抱かれながら…俺は、つば兄から離れたくないと心の底から思った。
「…つば兄……今晩だけでいいから…俺だけの傍に居て…?」
「…昴…そんな寂しい事、言うなよ…。俺は、ずっと…ずーっと、昴だけの傍に居たいんだから…。」
つば兄の唇が頬に寄せられると、俺はそっと顔をずらしつば兄の唇にキスをした。
「ん……っ…つば兄……俺……不安なんだ。目が覚めたら、つば兄はここには居ないような気がしているから…。」
目に大粒の涙を浮かべてつば兄を見つめると、つば兄は切なげに瞳を揺らし俺を強く抱きしめた。
苦しくて息ができないくらいの抱擁に、俺の胸には優しい痛みがじんわりと広がっていく。
世界で一番愛する人がこんなに傍に居て、こんなに愛されている筈なのに。
それなのに、どうして俺はこんなに不安になってしまうんだろう。
「俺…昴を不安にさせてるんだな…でも、俺はずっと昴の傍に居るよ。昴が嫌って言っても、もう離れてあげらんない…。」
「……俺、不安だとは言ったけど…離れたいなんて、一回も言ってないよ…。だって、こんなに好きなのに…離れられるわけないよ…。」
「……昴が不安になったら、その時はまず俺に言って。間違っても…他の兄弟に相談したりしたら、ダメだかんね?99%辛い結果が待ってるから。」
つば兄の目があまりにも真剣で、俺の胸は温かな気持ちでいっぱいになる。
「……ふふっ!つば兄、目が怖いって…っ…。」
「す、昴?なんで笑ってんだよ!俺、これでもマジで心配して…―――ッ。」
俺は頬を赤くして反論するつば兄の唇に指先で触れると、そっとその柔らかな唇を自分の唇で塞いだ。
「……解ってるから。不安になったら、強がらずにちゃんとつば兄に甘えればいいんだろ?」
「…そうなんだけど…昴の口から聴くと、なんつーかこう…邪な妄想が次から次へと浮かんでくんな…俺、マジで昴にハマってんのかも。」
「それは俺も同じだよ。俺も…つば兄の事、どんどん好きになっていってる…つば兄の全てが欲しくて、どうしたらいいのかわかんないくらい…つば兄に恋してる…。」
そっとつば兄の指に自分の指を絡めると、つば兄も優しく絡め返してくれた。
指先から伝わるつば兄の体温が愛おしくて、俺はつば兄の胸にそっと頬を寄せ目を閉じた。
「……昴、眠いんじゃね?寝てもいいよ?あー、でも…何もしないっていう約束はできないけどねー?」
「…いいよ…別に…。つば兄になら、何されても……。」
「…昴…そんな無防備な顔でそんな台詞言うなんて、ずりーよ…。」
俺はつば兄の手を握り締めながら、ゆっくりと意識を手放した。
隣でつば兄が必死に理性をフル回転させ悶えているなんて、知る由もなく…。
優しい痛みに抱かれて
(この胸に切なく広がる不安や痛みも、君に愛されている証なんだと気付いたから)
end.
今回は久しぶりにリクエストとしての更新です。椿×琉生とか梓×昴も実はリクなのですが、今はリクを受付けていなかったので、なんとなく普通に更新してしまったんです。
でもその分小説自体は愛を込めて書かせて頂きましたので、楽しんで貰えていたらすごく嬉しいです。
それでですね、今回は椿×昴に初挑戦したのですが。
昴さんが素直すぎて書いていて恥ずかしくなっちゃいました…可愛い昴さんが好きな私としてはすごく楽しかったんですけどね。
suba様、リクエストありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
素敵なお題は夢見月*様(PC専用)よりお借り致しました。ありがとうございました。
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