梓×昴 R18
「…あれ?あず兄、おはよ。今日はやけに早起きなんだな?」
「おはよう。ねえ、昴。今日って暇?」
ある日の早朝、ロードワークを終えてリビングで一息吐いていると、あず兄が笑顔で俺に話しかけてきた。
その笑顔が何だか怖くて、俺は少し警戒しつつ頷いた。
「…まあ、特に予定はないけど…?」
「本当?良かった。じゃあ、これから僕とデートしない?」
「…は?デートって…男同士で…つーか、兄弟同士でデートも何もないだろ。」
俺が淡々とした口調で言うと、あず兄は面倒くさそうな顔で溜息を吐き、俺の頬を人差し指でツツ、となぞった。
「昴、全然解ってないみたいだから、一応言うけど…男がデートに誘う理由なんて、一つしかないでしょ。…まだ解らない?」
「……?よく意味がわからな…―――ッ…んんっ……!」
喋り終わる前に、あず兄に唇を塞がれた。
苦しくて思わず口を開けると、あず兄の舌が滑り込んできて、上顎を舐められると甘い声が俺の口から漏れ俺は赤面してしまった。
「……ね?これで僕が言いたい事、理解できたでしょ?僕は昴とこういう事をしたいと思って、それで誘ったんだけど。返事は?」
「………いいよ。俺も……もっと、してほしいって…思ったし…あず兄?な、何でちょっと笑ってんだよ…!」
肩を震わせて声を出さないように笑うあず兄に、俺は恥ずかしさのあまり顔が熱くなった。
「だって……恥ずかしいのを必死で我慢している昴が可愛くって可愛くって…。」
「なっ…!そんな意地悪な事言うなら、デート行ってやらないからな…!」
「え…それは困るな。そんなに怒んないでよ、昴?もう笑わないから…。」
あず兄に背を向けると、後ろからギュッと抱き締められ、俺は身体をビクンと揺らした。
あず兄の熱い息が首にかかって、俺の下半身は熱を帯び始める。
「…んっ…ぁ…あず兄…っ…首…くすぐったいよ…っ…。」
「…くすぐったいだけ?感じてるんでしょ…?昴は敏感なんだね…。」
「…やっ…そんな事…言わないで…ぁっ…は、ぁっ…!」
あず兄の手が服の裾から入り込み、俺の胸を指先で撫でるように弄る。
その手の動きがいやらしくて、俺自身は熱く昂ぶり先端から漏れる先走りが俺の下着を濡らしていく。
「ね、デートはまた今度にして、今日は僕の部屋で一日中エッチな事して過ごさない…?」
「…っ…!あず兄…耳元で喋んないで…変になりそうだから…。」
あず兄の舌が俺の耳をくちゅ、と音を立てて舐め廻す。
今日のあず兄…めちゃくちゃ意地悪で、困る……。
でも…意地悪されてるのに、全然嫌じゃないのは…どうしてなんだろう…?
あず兄の部屋に入ると、俺の服を捲り上げ乳首を甘噛みしてくるあず兄に俺の胸は震えた。
尖った乳首を舌で転がすように舐められると、甘い声が漏れた。
「んっ…ん、ぁ…っ!あず兄…っ…胸ばっかりじゃ…足りないよ…っ…。」
「…じゃあ、教えて?昴は…僕に、どこを舐められたいの?」
「……そ、そんなの……恥ずかしくて言えるわけないだろ…っ!」
瞳から涙を溢しながらあず兄を見つめると、あず兄は困った表情で俺の頬に触れた。
「ごめん、昴の可愛い反応を見たくて…意地悪しすぎちゃった。泣かないで?ちゃんと気持ち良くしてあげるから…。」
俺の履いているジャージを下着ごと降ろすと、あず兄は俺自身を右手で包み込むように握り込み、先端に舌を這わせた。
「うん…あっ…んぁ、はっ…ぁ、んんっ……っ…あ…っ!」
その舌が俺自身を舐め廻す度、艶めかしい水音が耳に届き、俺はいやらしい気分になって耳を塞ごうとした。
「…昴の…ヒクヒク震えて可愛い……あれ?おかしいな…ここはまだ触っていない筈なのに…どうしてこんなに滴が垂れているのかな?」
あず兄は俺の秘部に指を捩り込んでは引き抜く。その度に、グチュッジュプッ、という水音が部屋中に響き渡り、俺はどうにかなってしまいそうになる。
「んぁっ…!も、あず兄…っ…そんな事、訊かないで…恥ずかしくてどうにかなりそうだから…っ…。」
「…ごめん…でも、僕は…昴の口から恥ずかしい言葉を聴きたくて…たまらないんだ…。昴の事が…好きだから…。」
あず兄が切なげな表情をするから、俺はそれ以上何も言えなくなり、あず兄にギュッと抱き付いた。
「………一回しか言わないから、よく聴いてろよ。」
「…昴…?」
俺は真剣な表情であず兄を見つめると、ゆっくりと口を開いた。
「もう、指はいいから……あず兄の、太くて固いの……俺の中に、ちょうだい…?あず兄が欲しいんだ…。」
潤んだ瞳でねだると、あず兄は頬を赤く染め、俺の腰を掴んだ。
そして、固く膨張しきった自身を俺の濡れてヒクついている秘部に宛がい、ゆっくりと俺の中に挿入ってきた。
「…昴…っ…好きだよ…大好きだよ…昴は…?」
激しい律動の最中、あず兄に耳元で甘い声で訊かれ、俺は瞳から涙を溢しながら嬌声交じりに答えた。
「…あぁっ…ん、ぁ…俺、もっ…あず兄が…好き…ひぁっ…んぁっっ…は、ぁ…ん…っ!」
好きと言った瞬間、腰を動かすスピードを急に速めるあず兄に俺は必死にあず兄の背中にしがみつき与えられる快感に身を任せた。
最奥を強く突き上げられると、俺は我慢できずに自身から半透明な滴を大量に放ち、力尽きたようにベッドに倒れ込んだ。
その後すぐ、あず兄も俺の中に欲望の証を注ぎ込むと、俺の身体を包み込むように抱き締めた。
「…あず兄…俺…あず兄に触れたい…触ってもいい?あず兄の…。」
「昴…?どうしたの…?まだ足りない?」
あず兄自身に手を伸ばすと、あず兄は困ったように微笑み俺の瞳を覗き込んだ。
「…うん……足りない…。もっと、欲しい…だめ…?」
熱っぽい視線をあず兄に向けると、あず兄は俺の唇に触れるだけのキスを落とした。
「…昴って、大胆なんだか奥手なんだか、わからないね?けど…僕も、昴が欲しいから…今日は一日中、昴を独占させて…?」
「…うん……俺…あず兄になら……一日じゃなくて…一年中でも、独占されたいよ…。あず兄だけの俺になりたい…。」
あず兄の胸に頬を寄せ掠れた声で言うと、あず兄は俺の額に優しくキスを落とし、強く抱き締めてくれた。
「……もう…どうしてそんなに可愛い事ばかり言うの?我慢できなくなっちゃうよ…。昴をめちゃくちゃにしたくなる…。」
俺を抱きしめるあず兄の腕の力が強くて、俺の胸は締め付けられる。
あず兄が好き…そう思うだけで、身体中が熱くなる。
「……いいよ…。あず兄になら……めちゃくちゃにされても……。」
「っ…!昴…そんな事をそんな瞳で言って…僕をどうしたいの…?」
あず兄は切なげに瞳を揺らすと、俺の両方の太腿に触れてくる。
そのままゆっくりと両脚を開かされ、再び俺の中に静かに埋め込まれるあず兄の熱い欲の塊に俺は恍惚な表情であず兄を見つめた。
全部入ると、繋がったままの体勢で唇を重ね合った。
「………ぁっ…んぁ、は、ぁ…っ…ん…あず、兄…っ………い……っ…んぁ…っ!」
先程よりも優しく、それでいて濃厚なセックスに、俺は無意識のうちに小さな声で"気持ちいい…"と呟いてしまった。
「…ふふっ…昴……聴こえたよ?僕も…すごく、気持ち良いよ…昴と繋がってると思うと…すごく興奮する…。」
「…っ…あず兄…ぁ…っ…あず兄の…今、おっきくなった……あず兄も、感じてる…?」
「当たり前でしょ…?大好きな昴と、こんなエッチな事をしているんだから…それに…。」
「…?あず兄…?」
突然頬を赤らめ言葉を濁すあず兄に、俺は思わずあず兄の顔を覗き込んだ。
「…昴の中…すごく、熱くて…気持ち良いから…。」
耳元で恥ずかしい言葉を囁かれ、俺は思わずあず兄自身をきゅうきゅうと締め付けてしまった。
「や、ん…っ……あず兄…っ…耳元で…そんな台詞、言われたら…俺…っ…!」
「…っ…!昴っ…そんな締め付けたら…っ…っ……くっ……!」
あず兄の熱い精液を最奥に感じると、その刺激に俺の興奮も最高潮に達し俺は自身から白濁を放ち、トロンとした瞳であず兄を見つめた。
「…あず兄…抱きしめて…。」
「…ふふ、どうしたの?急に甘えんぼさん?」
あず兄は俺の頬に愛しげに唇を寄せると、俺の腰に腕を廻し引き寄せるように抱き締めてくれた。
「…あず兄の温もりを感じたくて…。」
「あんなに熱く抱き合ったのに、まだ足りないの?」
「なっ…そういう意味じゃないって…!」
頬を真っ赤にしながら反論すると、あず兄は優しく微笑み俺の唇を舐めた。
「わかってるよ。…僕の温もりで良ければ、いくらでもあげる。だから、そんな風に無防備に甘えるのは…僕の前だけにしてね?」
好きだけじゃ切なくて、愛してるだけじゃ足りなくて
キスを交わせば、温もりを求めてしまう
そして、身体を繋げば…心までも欲しくなる
愛は途切れることなく、俺達を繋いでくれている
まだ知らない二人の明日へと、導いてくれる
…そう、信じているから。
あなたの愛が優しすぎるから
(何度愛されてもまだ足りなくて、どうすればいいのかわからなくなるよ)
end.
またしてもマイナーなCPですみません。梓×昴を書いてみました。不完全燃焼ですが、昴が可愛く書けたので、結構気に入っています。小説50本越えました。とりあえず60本を目指して頑張っていこうかな、なんて思っています。宜しければ、これからもお付き合い下さいね。
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