昴×棗 R18


なつ兄と居ると、心は温かくなる

なつ兄が笑うと、俺も嬉しくなる

なつ兄を想う度、心は切なくなる

なつ兄だけにしか反応しない俺の心…

依存しているわけじゃない

ただ、なつ兄が必要なだけ

ただ、なつ兄と恋に落ちていたいだけ…

ただ、それだけなんだ…―――。


ある日の深夜――。

ふとなつ兄の声が聴きたくなって、俺は無意識になつ兄に電話をかけていた。

「…もしもし、昴?」

「…あ…なつ兄?夜中にごめん…寝てた、よね?」

携帯越しに聴こえるなつ兄の声は少し掠れていて、俺は胸が高鳴るのを感じた。

「いや、起きてたから大丈夫だよ。どうした?何か声…暗くないか?」

「…なつ兄の声が聴きたくて、電話したんだけど…顔も見たくなったから、部屋に行ってもいい?」

なつ兄を抱きしめたくて、なつ兄を感じたくて…苦しいよ…なつ兄…。

「…もちろんいいけど、俺が行くよ。こんな真夜中に昴を部屋の外に出すのは心配だからな。すぐ行くから、部屋で待ってて。」

「別に、平気なのに。なつ兄は心配性だな。分かった…待ってる。」

電話を切った後、暫く携帯の画面をぼんやりと見つめていた。

すると数秒後、チャイムが鳴った。

本当にすぐ来た…なつ兄ってすげえな…走って来てくれたのかな…嬉しいな…。

「来たぞ、昴…って、昴…泣いてんのか…?」

「だって…なつ兄が来てくれて…俺、すげえ嬉しいんだ…!」

扉を閉めるとなつ兄に抱き付いて、泣き顔を見られないように肩に顔を埋めた。

急いで来たからか、なつ兄の鼓動が速くて、俺は胸が苦しくなった。

なつ兄から身体を離すと、なつ兄の両腕が首に廻され、そのまま誘われるように唇を重ねた。

「んっ…んん…ふ、ぅ…はぁっ…昴……俺も、昴に必要とされて、すげえ嬉しいよ…。」

「なつ兄…っ…もっと、なつ兄を感じたいよ…俺に…なつ兄の全てを、愛させて…?」

「……ああ、構わないよ。昴だけに、俺の全てをあげるから…。」

切なげな表情でベッドに座るなつ兄を強引に押し倒すと、鎖骨に唇を押し当て強く吸い付き痕を残した。

なつ兄の着ているシャツのボタンを全部外し、胸を弄るように撫で、乳首を甘噛みするとなつ兄は甘い声を上げた。

「んっ、ぁ……っ!すば、る……っ…胸だけじゃ、なくて…下も触って…?」

「…下ってどこだ?ちゃんと言ってくれないと、解んないんだけど。」

「なっ…!おまえ…解ってるくせに…!」

顔を真っ赤にして睨んでくるなつ兄に、俺の鼓動は速くなっていく。

「…俺…なつ兄におねだり、されてみたいんだよ…なつ兄に恥ずかしい言葉、言わせたい……だめかな?」

「……昴…可愛いな、おまえ。顔真っ赤だぞ?それに…心臓の音も、こんなに聴こえてくるし…ドキドキしてる?」

「おっ…俺の事はいいって!それより…触って欲しい場所を早く教えてくれよ。そろそろ我慢できなくなりそうだからさ…。」

くすくす笑うなつ兄の笑顔は、とても綺麗で…俺は思わず息を呑んだ。

「……ここ、気持ち良くして…?昴が欲しくて…疼いて仕方ないんだ。」

なつ兄は俺の手を取ると、自分の股間へと触れさせ、潤んだ瞳で俺を見上げた。

俺はなつ兄自身を下着から取り出すと、包み込むように握り、上下に扱きながら先端の大きい部分を口に含み舐めていく。

「…っふ、ぅ…んっ…なつ兄の…ヒクヒク震えて、エッチな滴溢してる…すげえエロい眺め…。」

「やっ…あぁっ…!ん、ぁっ…昴っ…は、ぁひっ…!バカ…そこで喋んなって…っ!は…ぁ、んんっ…あ…っ…ん、ぁ…あぁっっ…―――ッ!」

双球をやんわりと揉みながら先端を強く吸うと、なつ兄は堪え切れずに身体をビクビクッと跳ねさせながら俺の咥内に熱い欲を放った。

俺はまだ呼吸の整っていない状態のなつ兄の脚を大きく開かせると、咥内に残っていたなつ兄の精液をなつ兄の秘部に舌で塗りたくった。

「なつ兄のココ…ヒクヒク蠢いて、滴が垂れてる…俺が欲しいの?」

「そんなの…わざわざ訊くなっ……っ!欲しいに決まってるだろ…!」

指で秘部を押し広げながら、舌を窄めて舌を挿れ奥の方まで舐め解したところで舌を抜き、そのまま自分の固く膨張しきった自身をなつ兄の柔らかくなった秘部に押し当て一気に挿入した。

「っ…なつ兄の中…すげえ、熱くて…気持ちいいよ…。」

「あぁっ…!ひぁっ…っ…んっ…ぁ、はぁ、んぁ…!昴…っ…もっ…と…!激しく、して…っ…?」

なつ兄は甘い声を漏らしながら、濡れた瞳でねだってくる。

何度も激しく突き上げる度に、背中に廻されているなつ兄の腕の力が強くなっていくのが解り、俺の胸は締め付けられた。

「なつ、兄…っ!俺、もう…っ…っ!」

「うん…っ…は、ぁっ…ん、俺もイキそう…一緒にイこ…っ…?」

なつ兄の目尻から溢れ落ちる涙を舌で舐め取ると、なつ兄は照れくさそうに笑った。

最奥を何度か突くと、なつ兄は俺自身をきゅうきゅうと締め付けながら身体をびくんと震わせ自身から熱い精を放つと、俺にギュッと抱き付いてきた。

数秒後、俺もなつ兄の中に欲望の証を注ぎ込むと、抱き付いているなつ兄の腰に腕を廻し引き寄せるように抱き締めた。




「なつ兄……好きだよ。大好き。だから…俺と、最後の恋…してくれる?」

「…もちろん。俺にはもう…昴しか居ないよ。だから…これからも、俺の傍に居ろよ。」

少し身体を屈めてなつ兄の胸に耳を当てると、なつ兄は優しく俺の髪を撫でてくれた。

「なつ兄の心臓の音聴くと…安心するんだ。俺の傍で生きていてくれて、嬉しいって…そう思うんだ。」

「昴……俺は…ずっと、昴と生きていきたいって思ってるんだけど…どうだ、一緒に住まないか?二人暮らしだとやりたい放題できるし。」

「うん…それもいいな。いつか……実現できたらいいよな。常に二人っきりっていうのは、我慢できるのか心配だけど…。」

もう、止まらない。君との恋に、溺れていくだけだ。

一秒ごとに強くなっていく君への想いに、戸惑っている自分が居るけど…。

けど、もう君以外じゃ俺の心は動かせないんだ。

君が居ないと、生きてさえいけない…そんな気がするんだ…―――。

真夜中の心音
(繋いだ指先から、愛してるが聴こえたような気がした)

end.



精神的に棗×昴な昴×棗でした。久しぶりの更新になってしまいすみませんでした。スランプからなかなか抜け出せません…。

素敵なお題はkara no kiss様よりお借り致しました。ありがとうございました。



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