要×祈織 R18  



心なんて、もうずっと動かないと思ってた。

でも、要兄さんの優しさや温もりを感じる度

胸には温かい気持ちが生まれる…。

ねえ…要兄さん。

こんなに温かくて、幸せな気持ちなのに

どうして、こんなに苦しいのかな…?

もっと要兄さんの事を知りたいと思う

もっと僕に触れて欲しいと思う…

これじゃまるで…要兄さんに、恋をしているみたいで…

すごく、怖いんだ…―――。



ある日の深夜…

僕はなかなか寝付けなくて、気付いたら部屋を飛び出しマンションの廊下を歩いていた。

「……あれ。祈織?どうしたんだ、こんな夜中に。」

「要兄さん……うん、ちょっと寝付けなくて気分転換、かな。」

「そうか…眠れないのなら、俺と話でもする?廊下じゃ寒いし…俺の部屋で。」

どうしてだろう…最近、要兄さんと居ると心が落ち着くのを感じる。

こんな気持ち…抱いてはいけないと、そう頭では思っていても…心が叫ぶんだ。

もっと要兄さんと一緒に過ごしたい、って…。

僕は黙って頷くと、要兄さんに手を引かれながら要兄さんの部屋へと向かった。

繋がれた手の温もりに、僕は胸の奥が苦しくなるのを感じた。

この胸の苦しさには憶えがある。

もう、二度と感じる事なんてないと…そう、思っていたのに…。


「要兄さんの部屋、初めて入ったけど…綺麗にしているんだね。…っ…か、要兄さん…?」

部屋に入るなり、要兄さんが僕を抱き締めてきて、僕は頬が一気に熱くなるのを感じた。

要兄さんの腕に片手を添え俯いていると、要兄さんが僕の耳たぶに舌を這わせたのを感じ、僕は身体をびくんと跳ねさせ唇を噛み締めた。

「いつ…祈織が部屋に来るか解らないからね。掃除はいつも念入りにしてるよ…。」

「…っ…要兄さん…ふざけてるいるのか本気なのか、解り難いよ…ん…っ…。」

耳元で囁かれ、思わず甘い声を上げると、要兄さんは僕の着ているシャツの裾から手を滑り込ませ、僕の乳首に触れた。

「もちろん、本気だよ…?冗談でこんな事するように見える?」

「んぁっ…充分見えるよ…。でも…要兄さんは、僕の事…愛してくれるの?一度、こういう事をしたら…ずっと僕の傍に居て貰うことになるけど…それでもいいの?」

僕が声を震わせながら問い掛けると、要兄さんは僕の身体を回転させ真剣な瞳で僕を見つめると、そっと唇を重ねてきた。

舌を撫でるように舐め廻されると、僕は身体をぴくっと震わせながら遠慮がちに舌を絡めた。

「…俺は、祈織を愛しているよ。祈織以外と恋愛関係になるつもりはないから…もちろん、ずっと傍に居てあげるよ?安心した?」

「……僕は…もう…大切な人は作りたくなかったのに…要兄さん、責任重大だよ…?わかっているの…?」

「ああ、もちろん。わかっているよ。何年かかるか分からないけど…俺が必ず、祈織を心から笑わせてみせる。俺が祈織を幸せにしてあげるよ…。」

僕の瞳から堪え切れなかった涙が次から次へと溢れてくる。その滴を優しく舌で舐め取ってくれる要兄さんを、僕は心から愛おしいと思った。

ベッドに押し倒されると、首筋に要兄さんの唇が押し当てられ、僕は思わず身体を強張らせた。

次の瞬間、ピリッとした痛みが身体中を駆け巡り僕は小さく身動ぎし要兄さんを見上げた。

「あっ……要、兄さん……僕…怖いよ……ねえ、要兄さんは…僕の前から消えたりしないよね…?」

どうしても、過去の恋人と要兄さんを重ねてしまう自分が居る。

いつか、離れて行ってしまうんじゃないかと…不安になる。

「絶対に消えたりなんかしないよ。俺はずっと…祈織の傍から離れない。祈織より先に死んだりしない。一生、祈織のためだけに生きていく。」

要兄さんの瞳は真剣そのもので、僕は何だかプロポーズされているような気分になってしまい、頬を赤らめて黙り込むとそっと要兄さんの手に触れた。

「僕も……要兄さんの傍に居たいよ……。要兄さんのこと…大好き、だから…っ…。」

「祈織……本当に?…嬉しいよ…俺も…祈織のこと、大好きだよ。世界でたった一人…祈織だけを愛しいと想うよ。…だから…俺に愛させて?祈織の全てを愛したいんだ…。」

僕が小さく頷くと、僕の服を一枚ずつ剥いでいく要兄さんに僕は思わずドキッとしてしまった。

要兄さんの舌が乳首に這わされると、僕は身体を震わせ要兄さんの綺麗な金色の髪を掴むと甘い声を漏らした。

「んぁっ…ふ、ぁ…あ…!要、兄さん…っ…んっ…はぁ、ん…!」

「祈織…こんなに尖らせて、可愛い…ねえ、こっちも触っていい?」

要兄さんの綺麗な指が反応し始めた僕自身に触れる。根本から優しく握られると、僕の身体に電流が走った。

「ひぁっ…!ん、ぁっ…!やっ……恥ずかしい、よ…!」

「へえ…嫌なんだ?こんなに張り詰めてエッチな滴溢してるのに?」

「そ、れは…っ…!んぁっ…か、要兄さん、が…あっ…んぁ、はぁ…んん…っ!」

要兄さんの手が上下に激しく動き始め、僕は何も考えられなくなる程に感じてしまった。

「祈織の感じている声…すごく可愛いよ…そそられる。もっと聴かせて…?」

耳元で甘く囁かれると、僕は身体をびくん、と跳ねさせ要兄さんの手のひらに熱い精を放ってしまった。

「はぁっ…はぁ…っ…恥ずかしい…手だけでイッちゃうなんて……。」

「恥ずかしくなんかないよ。祈織のイク顔、すごく魅力的だったよ?ねえ…祈織?俺だけのものになってくれる…?できれば、ずっと…俺だけの祈織で居て欲しい…。」

僕は腕を伸ばし切なげな瞳で見つめてくる要兄さんの頬に優しく触れると、小さな声で言った。

「うん……いいよ?要兄さんも……僕だけのものになってくれるなら……。」

「っ…祈織……っ…。」

噛み付くようなキスをされ、僕は要兄さんの首に腕を廻すと熱い口付けに酔い痴れた。

要兄さんの舌が僕自身に這わされると僕は思わず喉を仰け反らせた。

指は僕の秘部に挿れられ、前と後ろからの刺激に僕自身は再び膨張してきてしまう。

「はぁっ…ぁひっ…んぁっ!は、ぁ…んんっ…要にい、さっ…んぁっ…!」

「祈織の中…俺の指を締め付けて離さないな……もう欲しい?俺のコレ。」

要兄さんは妖しく微笑むと僕の手を掴み自分自身にそっと触れさせてきた。

「っ…!……そんな事っ……恥ずかしくて、言えないよ…っ…!」

「言ってよ、祈織……俺、祈織から求めて欲しいんだ…。」

要兄さんの甘えたような声に胸を打たれ、僕は恥ずかしいのを我慢しながら掠れた声で呟いた。

「……要兄さんの……熱くて脈打ってるの……僕の中に…頂戴…?」

「……祈織…っ!」

要兄さんは僕の脚を大きく開かせると、僕の秘部に熱く昂ぶった自身を宛がい、卑猥な水音を立てながら僕の中に挿入ってきた。

「あぁっ…!んぁっ、は、ぁっ…!ぃっ、あっ…!んぁ、ぁ…っ…要兄さんっ…!」

最奥まで何度も突き上げられると、僕は要兄さんの背中に足を巻き付け、恥ずかしさも忘れ要兄さんを求めた。

「っ…すご…っ…祈織の中…俺のに吸い付いてくる…たまんないな……!」

「っ…や、ん…っ!」

要兄さんが恥ずかしい事を言うから、僕は身体に力が入ってしまい、要兄さん自身をきゅうきゅうと締め付けた。

「っ…!い、おり…!そんなに締め付けたら…!っっ……く…っ!」

「んぁっ、あっ…んぁ…あぁぁっ…―――ッ!」

要兄さんの熱い精液を最奥に感じると、僕も身体を大きく跳ねさせながら自身から半透明な液体を放ち絶頂を迎えた。




行為の後、僕は要兄さんの腕に抱かれながら、掠れた声で問い掛けた。

「……ねえ、要兄さん…僕のこと、ずっと好きで居てくれる?」

「当たり前だよ。俺には祈織だけしか愛せないから…信じられない?」

僕の髪を優しく撫でる要兄さんの手が心地好くて、僕の心は少しずつ要兄さんで埋まっていく。

「…ううん。信じるよ…要兄さんのこと…。ずっと傍に居てね…?」

「いいよ。ずっと傍に居る。どんなことがあったって、祈織だけを守っていくから…。」



永遠を信じているわけじゃないけれど…要兄さんの気持ちは、とても胸に優しく届いたから…。

少しずつ胸の中が要兄さんでいっぱいになって、孤独や不安が押し出されてどこかへ行ってしまえばいいな…。

でも…要兄さんならきっと、僕の孤独や不安ごと愛してくれるって…僕は、信じているよ…―――。

この愛だけは失くさない
(永遠よりも大切なものは、何があっても揺るがない愛だと思うんだ。)

end.

要×祈織が見たいと言ってくれた方が何名か居たので、書いてみました。要さんが若干キャラ違う…かな?皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。


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