雅臣×右京 R18
ずっと、気付かない振りをしていた。
私の中で膨らんでいく、雅臣兄さんへのこの切ない想いの正体に。
私は、ずっと逃げていたのかもしれない。
雅臣兄さんを見る度に、胸が張り裂けそうになる事からも
雅臣兄さんの笑顔を、私だけのものにしたいと思ってしまう事からも…。
この感情は、もはや…兄弟愛などではなくて…。
私は…雅臣兄さんを…愛しているんだと、気付いてしまった。
こんな気持ち…私はどうすればいいのですか…―――。
いつものように夕食の準備をしていると、後ろから雅臣兄さんの声が聴こえつい振り向いてしまった。
「あっ…!右京さん、危ないですよっ…!」
「っ…!熱っ…。」
雅臣兄さんの声に気を取られ、火傷をしてしまった。
「右京!?大丈夫?手、見せてごらん?…ああ、思いっきり火傷してるね。すぐに冷やさないと…。」
「…すみません、雅臣兄さん…疲れて帰ってきてるのに、世話を焼かせてしまって…。」
冷たい水で充分冷えた筈なのに、雅臣兄さんが触れたんだと思うと熱くなってくる。
こんな気持ち、雅臣兄さんに気付かれてしまったら…私は…。
「絵麻ちゃん、申し訳ないんだけど…右京が心配だから、今日は絵麻ちゃんに夕食準備、任せてもいいかな?右京は僕の部屋に連れてく。いいよね?右京。」
「え…それは絵麻さんに申し訳ないですよ。というか…どうして私が雅臣兄さんの部屋に連れて行かれるのか、解りやすく説明して貰えますか?雅臣兄さん…。」
雅臣兄さんの顔を見つめると、雅臣兄さんは真剣な表情で見つめ返してきた。
その真剣な瞳から目を逸らせなくて、私は頬が熱くなるのを感じた。
「…それは、ほら。さっきも言ったように、右京が心配だからだよ。それに……僕が一緒に居たいからね。嫌だったかな…?」
「…いいえ。嫌ではないですよ。雅臣兄さんと一緒に居られるのは…私も、嬉しいですからね。」
「あの…夕食は私に任せて、お二人はどうぞお部屋で休んできてください。」
絵麻さんに見送られながら、私と雅臣兄さんは5階のリビングを出てエレベーターに乗り込んだ。
雅臣兄さんの部屋に着くと、雅臣兄さんが火傷を負った手を優しく包み込んできた。
「ねえ、右京……僕は右京にとって、どんな存在なのかな?」
「…どうしたんですか、急にそんな事を訊いてくるなんて。」
「僕はね…右京が好きなんだ。ずっと…ずっと、好きだった…もう、我慢できないよ……右京に触れたくて仕方ない。」
雅臣兄さんからの突然の告白に、私は驚きと緊張のあまり言葉が出てこなくて、雅臣兄さんの手に触れるのが精一杯だった。
雅臣兄さんの顔が近づいてくると、私はそっと目を瞑った。数秒後、唇が重なり、啄むようなキスを何度も繰り返した。
息継ぎのために唇を開くと、雅臣兄さんの舌がぬるりと入ってきて私の舌を捕えると撫でるように舐められ頭が真っ白になりそうになった。
「んぁ…は、ぁ…ふ、ぁ…っ…雅臣兄さ…んんっ…ぁ、は…っ…おかしく、なってしまいそう、なんですが…!」
「…ふふ、いいじゃない、たまには。一緒におかしくなっちゃおうよ?右京を乱れさせてみたいんだ…。」
耳元で甘く囁かれると、身体の力が抜けていくのが解り、私は思わず雅臣兄さんの服の裾を掴み甘い声を漏らした。
「ん…っ…さっきの質問の答え…今、言っても構いませんか…?」
「…うん、いいよ?聴かせてくれる?」
「…雅臣兄さんは…私にとって、最愛の人です。私は…雅臣兄さんの事を、心から愛しています。」
雅臣兄さんを見つめ頬を染めながら告げると、雅臣兄さんはふわりと微笑み私を抱き寄せて肩に顔を埋めた。
「嬉しい…すごく、嬉しいよ…ありがとう。僕も…右京を愛しているよ。ねえ…僕だけのものになってくれる…?」
「……いいですよ。雅臣兄さんも…私だけのものになってくれるのなら……。」
雅臣兄さんの細くて長い指が、私のシャツのボタンを丁寧に外していく。
雅臣兄さんの舌が乳首に這わされると、身体がビクッと跳ね、下半身に熱が集まっていくのを感じ小さく身を捩らせ雅臣兄さんの後頭部に触れた。
「…右京の乳首、ぷっくり腫れて赤くなってるね……美味しそう…。」
「ひぁっ…!噛まないでください…っ…変になってしまいそうですっ…ぁっ…んぁ…っ!」
乳首を甘噛みしながら熱を帯びている自身を服越しに撫で廻してくる雅臣兄さんに、私は何にも考えられなくなる程に感じてしまった。
「右京のここ…もう、こんなに大きくなってる…。服汚れちゃいけないし…下も脱がせちゃっていいよね?」
雅臣兄さんの手が私のスーツの下を脱がしてくる。直に自身に触れられると、私は脚を震わせ涙目になりながら雅臣兄さんを見つめた。
「ぅ、あっ…!ん、は…ぁっ…!雅臣にいさ…っ…ぁ、んぁっ…!」
「…右京の、ヒクヒク脈打って…温かい滴を溢しているね?舐めてもいいかな…?」
「はっ…!?そ、そんな事…っ…わざわざ訊かないでください…恥ずかしいでしょう…っ?」
「…ふふ、それもそっか。でも…右京の感じる姿を見て、僕も興奮してきちゃったよ…ほら、解る?」
雅臣兄さんは私の手を掴むと、自分自身にぴと、っと触れさせてきた。雅臣兄さん自身は、既に熱く膨張しきっており先端からは生温かい滴が垂れていて、私は思わず赤面してしまった。
「雅臣兄さんも……私に欲情しているのですね……。嬉しいかもしれませんね…。」
「も、って事は、右京も僕に欲情してくれているのかな?そうだとしたら、僕もすごく嬉しいんだけど。」
私の股間に顔を埋めながら、手で扱きつつ舌を遣い丹念に舐め始める。雅臣兄さんの口元に半透明な滴がとろりと伝う光景が妙にいやらしくて、私は目をギュッと瞑った。
「ぁっ…!は、ぁ…んん…っふ、あ…!雅臣、兄さ…んんっ…は、ぁ…んぁっ…!」
「右京のが…僕の口の中で大きくなってく…たまらないよ…。…右京…ごめん…!もう、挿れさせて…?」
雅臣兄さんは私自身から口を離すと、私の秘部に指を挿れてきた。体液やら先走りやらで湿っていたそこは雅臣兄さんの指を容易く3本も飲み込んでしまった。
中で指をバラバラと動かされると、無意識のうちに腰が揺れてしまい、私は思わず雅臣兄さんの首にしがみついた。
「んぁっ、はぁっ…んっ…ぁ…!雅臣兄さん…っ!」
「右京…気持ちいいの?腰が揺れているよ…っ?…もう、挿れても大丈夫そうだね…右京…愛しているよ…。」
優しい声で囁かれると、雅臣兄さんの唇が私の唇に重なり、舌を舐め合うようなキスをしながら秘部に雅臣兄さん自身が宛がわれずちゅっ…という音と共に私の中に入ってきた。
「ぃあっ…!は、ぁ…んぁっ…あっ…!雅臣兄さんの…っ…熱い……あぁっ……!んぁ、は…ぁっ…!雅臣兄さん…っ…愛しています…っ!あなた、だけを…っ!」
「んっ…っ!右京の中……僕のに吸い付いてくる…っ!温かくて…気持ち良いよ…っ!…右京…僕も…右京だけを、愛しているよ……っ!」
腰を激しく動かされる度、脳が溶けてしまいそうな程感じてしまい、私は恥ずかしさも忘れて雅臣兄さんを求めた。
「んぁっ…あ、はぁ、んっ…!あぁ…!雅臣兄さん…もう、そろそろ…限界が…あっ…ぁ…っ…!んあぁぁぁっ―――ッ!」
最奥を数回突かれると、私の興奮は最高潮に達し、生理的な涙を溢しながら自身から熱い精液を迸らせ絶頂を迎えた。
その数秒後、雅臣兄さんの熱い欲の証を体内に感じ、小さく吐息を漏らすと、雅臣兄さんを見つめた。
初めての"される側"のセックスに疲れ果て、雅臣兄さんの胸に寄りかかると、雅臣兄さんは私の中から自身をヌポッと引き抜きそっと私を抱き寄せてきてくれた。
私の中から雅臣兄さんの精液と私の体液が混ざり合ったものがポタリと滴り落ち、恥ずかしいと思いながらもその光景から目が離せなくなり私は雅臣兄さんの手に遠慮がちに自分の手を重ねた。
「…ふふっ…。右京。恥ずかしいなら、見なければいいのに。それとも…気になるの?そうだよねえ…僕と右京が愛し合った証拠だもんね?」
「なっ…!べ、別に気になってなんかいませんよ…ただ…先程までの行為を思い返していただけです。」
「そうなの?思い返してどうだった?僕には、結構感じているように見えたんだけど…。」
どこか楽しそうに私の顔を覗き込んでくる雅臣兄さんに、私は顔を真っ赤にしながら呟くように言った。
「気持ち良かった…ですよ。雅臣兄さんしか見えなくなりそうな程に…愛を感じました。」
「…右京。そんな可愛い事言われたら……また興奮してきちゃうんだけど…いい?もう一回…。」
「…なっ…何言って…!あんな濃厚なセックス、一日一回が限度でしょう!腰を痛めたらどうするんですか…!」
「その時は、僕が責任持って介抱してあげるよ。それに、僕は医者だから大丈夫だよ。」
「…どんな理屈ですか…はあ………。」
雅臣兄さんをこんなに愛おしいと思ってしまう事も
雅臣兄さんとずっと一緒に居たいと思ってしまう事も
全ては、雅臣兄さんだからこそ生まれる感情なのだと思う
私だけのために笑って欲しくて
私だけに愛を囁いて欲しくて
そんな切ない想いも、きっと雅臣兄さんなら笑顔で叶えてくれるだろう
私は…雅臣兄さんの愛だけが欲しいのです
雅臣兄さん以外は、目に入らないくらい…
あなただけに溺れているから…―――。
あなただけしか見えなくて
(あなたの事だけを、ずっと見ていたいから)
end.
最近、リクに応えずに書きたいものばかり更新して、すみません。右京さんプレイ中なので右京さんを書きたくなってしまった…。10月からは、リク消化に努めます。もう10月ですが…(笑)皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
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