棗×昴 R18 木葉様リク
その瞳が、俺だけを見ていなくても
その心に、俺以外の誰かが居ても
その笑顔が…俺だけのものじゃなくても
俺には…この気持ちを捨てる事は、きっと一生できない
そう思ってしまうくらいは、許してほしい
なつ兄の事だけを…悲しいくらい想っているから―――。
近頃、なつ兄の帰りが遅くなったように感じる。
「なつ兄……最近、帰って来るの遅いよな…。」
「なっちゃん、彼女が出来たみたいだよ?俺、この前偶然見かけちゃったんだよね……すばちゃん?」
「…ごめん、かな兄。俺…部屋、戻る。」
俺は走ってリビングから抜け出しエレベーターに乗り込むと、ズルズルと座り込み目をギュッと瞑った。
かな兄の言葉がぐるぐると脳内を駆け巡る。
どうして…俺は傷ついてるんだよ…。
なつ兄…格好良いし…彼女が居たって、別におかしくないのに…。
俺…今、初めて気付いた。なつ兄の事が…好きだって…。
気付いた瞬間に失恋なんて…寂し過ぎるよ…。
俺は無意識になつ兄の部屋の前まで来ていた。
なつ兄の部屋のドアにそっと手を当て、なつ兄の事を想っていたら、後ろからなつ兄の声がして俺は咄嗟にドアから手を離した。
「…昴?何してるんだ?」
「…あ…いや?何でも。ちょっと…立ち眩みしちゃっただけだから。気にしないで?」
俺は一生懸命笑顔を作ると、なつ兄は心配そうな顔をして俺に駆け寄ってきた。
「立ち眩みって…大丈夫なのか?…こんな時間だし、部屋まで送る。」
「…触らないで…!」
なつ兄が俺の肩に触れた時に感じた、女物の香水の匂い。
そんな匂いを漂わせて、俺に触らないで…お願いだから…。
「…おい、昴…どうしたんだよ…?俺…何かしたか…?」
「…何でもないよ。なつ兄は…悪くないんだ。ごめん…部屋には一人で戻れるから…。一人で…大丈夫だから。」
必死に笑顔を作るけど、なつ兄は切なげな表情で俺を見つめている。
好きな人に…こんな顔させちゃ、だめだよね…俺、何やってんだろ…。
「…昴……そんな作り笑い、もうやめろよ。本当は、俺に何か言いたい事があって来たんじゃないのか…?」
なつ兄に肩を掴まれると、俺の瞳からは堪え切れずに涙が溢れ出す。
「……俺……なつ兄の事が好きだ…。なつ兄に彼女が居たって…この気持ちは、消せないよ……。」
「……昴……部屋、入れよ。…一緒に寝よう?…朝まで。」
なつ兄の意味深な言葉に、俺の胸はトクンと高鳴る。
そして、誘われるままになつ兄の部屋へと足を踏み入れると、なつ兄が俺を強く抱き締めてきた。
「…俺…確かに彼女居たけど、ついさっき別れてきたばかりなんだ。だからって、代わりなんかじゃないからな?俺は、昴だから寝たいって思った。」
「…本当に…?でも…なつ兄、やっぱり…彼女とは、その…セックス、したんだろ…?俺……なつ兄を満足させる自信、ないんだけど…。」
「…比べたりなんかしないさ。昴は昴だから…というか、大事なのは…どっちが気持ち良いかじゃなくて、どっちに気持ちがあるか、だろ?」
なつ兄は俺の頬に優しく手を添え、深く口付けてきた。唇の隙間から舌が入ってくると、遠慮がちに絡めた。
「んっ…ふ、ぅ…ん…は、ぁ…なつ兄……っ…。」
「昴……俺に、昴の全部を見せてくれるか…?」
本気じゃなくても、構わないと思った。なつ兄に触れてもらえるなら…それでいい。
ゆっくりと頷くと、なつ兄は俺の身体を優しく押し倒し、Tシャツの裾から乳首に触れると指の腹でクニュクニュと押し潰してきた。
ふとなつ兄を見ると、余裕のない表情をしたなつ兄がそこには居て…俺の胸の鼓動は速くなっていった。
初めて見るただの男の顔をしたなつ兄に俺は興奮してしまい、身を捩らせ涙目でなつ兄を見上げた。
「んぁっ…は、ぅ…んん…っ…なつ、兄…っ…。」
「昴の乳首、もうこんなに固く尖ってるな…可愛いよ…。」
「やっ…ん、ぁ……恥ずかしいから、あんま見んなよ…っ…!」
なつ兄の熱い舌が乳首に這わされると、身体の中心に熱が集まっていくのを感じ俺の顔は熱くなった。
「見せてくれよ。俺だけに、昴の可愛いトコ、全部……昴の全てに触れたい。」
耳元で甘く囁かれると、身体に力が入らなくなっていくのが解り、俺はなつ兄の服を掴んだ。
「…なつ兄…っ…胸ばっかりじゃ、嫌だ…もっと…なつ兄を感じさせて…?」
「…昴は、俺にどこを触って欲しいんだ?」
「…っ…俺の…なつ兄に触って欲しくて、もうこんなに大きくなってるんだよ…っ…なつ兄が…落ち着かせて…?」
なつ兄の手は俺の腰や太腿を撫で廻していて、絶対に解ってて言ってると思いながらも、俺は顔を真っ赤にしながらなつ兄に懇願した。
「………昴のおねだりの威力、半端ねえな…俺、自分で言わせといて恥ずかしくなっちまった…。」
なつ兄は頬を真っ赤にしながら、熱く脈打っている俺自身に手を添えると裏筋に舌を這わせ舐め始めた。
俺はなつ兄の熱い舌の感触に堪らなく感じ、思わず甘い声を漏らしてしまう。
「あっ…ぁ、んんっ…はぁ、んっ…なつ、兄…っ!」
「…もっと聴かせて…?昴の、エッチな声……。」
「やっ…は、ずかし…ぁんっ…は、ぁ…ん…っ!」
俺自身から口を少しだけ離して喋るなつ兄。なつ兄の表情はスゲーえろくて、俺は更にムラムラしてきてしまう。
「…あ。昴の、今また大きくなったな。そうか…昴の舐めてる俺見て、興奮したのか…昴は可愛いな。」
なつ兄の熱い息が俺の一番感じる自身にかかり、俺は我慢できずになつ兄の咥内めがけて熱い精を迸らせてしまった。
「あっ、なつ、に…そこで喋られたらっ…あ、ぁぁっ…んぁぁぁっ…―――ッ!」
「…んっ…昴…可愛い……俺も、もう…我慢できない…。けど…昴ん中、俺の入るかな……。かなり狭そうだけど。」
なつ兄は中の狭さを確認するように指を一本ずつ入れてくる。3本入るとバラバラと動かされ、達したばかりなのに俺の自身はまた膨らんできてしまった。
「…なあ、昴…俺、昴が好きだよ。俺の愛を…信じてなんて言わない。ただ…認めて欲しい。俺の胸に溢れるこの想いを…愛だと認めて…昴…。」
なつ兄は俺自身に愛しげに触れながら言うと、秘部に入れていた指を引き抜き、太く膨張しきった自身をそっと宛がいゆっくりと腰を沈めてきた。
「あぁっ…はぁ、んぁっ…!なつ、にい…ぃ、あっ!んぁっ、はぅ…ん、あっ…や、んぁっ…!」
「昴の中…すげえ温かくて、狭くて…気持ち良いよ…っ…昴…!」
「んぁっ……でも…っ…やっぱり、女のほうがいいんじゃないのか…?」
涙目で訊くと、なつ兄は俺の最奥を突き上げながら俺の唇にキスをしてきた。
「…まだ疑ってるのか?大好きな昴にそんな事言わせちまうなんて…ダメだな、俺は。」
「答えろよっ、なつ兄…!不安になるだろ…!」
「…そんなの…昴のほうがいいに決まってるよ。だって…俺が今恋してるのは…紛れもなく、昴なんだからな。」
優しいなつ兄の言葉に、俺の中に降り積もっていた悲しみや不安が一気に溶けて…俺の瞳からは堪え切れずに大粒の涙が溢れた。
「…ふ、ぇっ…なつ兄…っ…俺も…なつ兄に恋してる…他の誰にも触れないで…俺だけのなつ兄で居て……?」
中に挿入っているなつ兄自身が少し大きくなった気がして、そっとなつ兄を見上げると、顔を耳まで真っ赤にしたなつ兄が居た。
「…昴…っ!可愛すぎだ、おまえは…っ!悪いが今日はこれ以上優しくしてやれないからな…っ!」
なつ兄の腰のスピードが急激に速まり、俺はなつ兄にしがみつくと、突き上げられる度に悩ましい嬌声を漏らした。
「あぁぁっ…んぁっ、はぁっ…あぁ…!んっ…ぁっ…!なつ兄…好き…っ…大好き…っ!」
「…昴…!俺も…っ…昴が好きだ…!大好きだ…っ…!」
なつ兄の欲の証を体内に感じると、俺は身体をびくんと震わせて自身から熱い精を放ち、なつ兄の胸の中に飛び込んだ。
「なあ…なつ兄?…なつ兄は、信じてくれなくていいって言ったけど…俺は、なつ兄の愛を信じてるよ。」
「…昴…嬉しいけど…でも、どうして?」
優しく俺の髪を撫でてくるなつ兄の手が温かくて、俺は涙目になりながら顔だけを上げなつ兄を見つめた。
「だって、優しくしてやれないって言いながらも、俺にこんなに温かい愛をくれたんだから…なつ兄の優しい愛…俺には、充分過ぎるくらい伝わったから…。上手く言えないけど…。」
言った後で恥ずかしくなりなつ兄の胸に顔を埋めると、なつ兄の唇が俺の髪に触れた。
髪にキスをされた事に気付くと、俺はそっと顔を上げると唇を指差し…なつ兄に熱っぽい視線を向けた。
「…昴…キス、欲しい?」
頬を真っ赤にして頷くと、ゆっくりとなつ兄の顔が近づき、唇を塞がれた。
啄むだけのキスが物足りなくて、俺はゆっくり瞼を開けなつ兄を見つめた。
「ん…なつ、兄……もっと…。」
「…これ以上はダメだ。キス以上の事、したくなっちまう。」
なつ兄が切なげな表情で俺の唇に指で優しく触れる。
なつ兄の優しい心遣いが嬉しいけど…俺は…それでもいいのに、なんて思ってしまう。
こんな事を想ってしまうのは、いつだってなつ兄だけ。
俺が欲しがるのは、いつだってなつ兄の愛だけだから――。
「…ずっと傍に居てね、なつ兄。」
あなたの愛に包まれていたい
(いつも、いつでも、君の愛だけを感じていたいんだ)
end.
木葉様よりリクを頂いていた棗に彼女ができてショックを受けるけれど無理をして明るく振る舞う昴のお話。漸く完成しました。お待たせして申し訳ありません。
台詞は少し変えてしまったので、ご希望に添えていなかったらすみません。少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。リクエストありがとうございました!
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