棗×昴 R18
俺はずっと、油断していたのかもしれない。
昴は、俺が言うのもなんだが…恋愛に疎い所がある。
だから、そう簡単に恋に落ちたりしないと…そう、心のどこかで決め付けていた。
でも…最近、あの公園でかな兄と昴が一緒に居るところを、何回も見かけてる。
昴はともかく、かな兄があんなに誰かのために時間を費やしてるのはおかしい。
しかも、大好きな女じゃなく、男の昴相手に。
きっと…かな兄は、昴の事を狙ってる。
そう気付いた時、俺の中に芽生えたのは…深い嫉妬心と、歪んだ独占欲だった。
昴のその笑顔は、俺だけに向けられているものじゃない…。
そんな事は、もうずっと前から解っていた筈なのに…。
どうして今になって、この胸は灼けるように熱くなってくるんだろう―――。
俺は、兄弟達が寝ているであろう深夜を狙って昴の部屋を訪れていた。
そっと震える手でチャイムを鳴らすと、遠くから眠そうな昴の声が聴こえてきた。
ずっと聴きたかった昴の声に、俺の心臓は高鳴っていく。
「…はい、誰…?…っ…っ!?な、なつ兄…!?どうしたんだ…?こんな時間に…。」
「…悪い、起こしちまったか?…昴に訊きたい事があってな。それに……久々に、昴の顔が見たかったしな。」
そう言って優しく昴の髪を撫でると、昴は顔を真っ赤にし目を泳がせながら俺を見つめてくる。
その表情に弱いって…教えてやりたいくらいだよ…昴…。
「は…はぁ!?な、な、何恥ずかしい事言ってるんだよ、なつ兄…?…とにかく、立ち話もなんだし…中、入って?」
「…本当の気持ちを言っただけだ。…いいのか?ありがとう、じゃあ、遠慮なくお邪魔させてもらうな。」
昴の部屋に入ると、昴は落ち着かない様子で俺の向かいに座った。その瞳は明らかに戸惑っている。
俺は小さく深呼吸をすると、そっと立ち上がり昴の隣に座り直した。
そして、不安気に揺れる瞳を覗き込むと、その滑々そうな頬にそっと手を添え…そっと昴の唇に自分の唇を重ねた。
「…っ!ん…んんっ…ふ、ぁ…んっ…は、ぁ…っ…なつ、兄……何で…こんな事するんだよ…!」
長いキスの後、俺は気付くと昴に突き飛ばされていた。
だけど、今夜は…今夜だけは、抵抗されたって…拒まれたって、止めてあげられないよ…昴…。
「昴…驚かせて悪いな。けど…俺は…お前の事が、ずっと…好きだった…今も…好きなんだ…。」
俺は震える声で呟くように言い放つと、再び昴に近寄りその身体を力づくで抱き締める。
首筋に舌を這わせると、昴は喉を仰け反らせて甘い声を漏らした。
「あっ…んん、ぁ…っ…なつ兄…っ…どうして、そんな事…今になって言うんだよ…?もっと早く…言って欲しかった…。」
「…!昴……もしかして、他に好きな奴でも居るのか…?」
「…違うよ、なつ兄。俺だって…ずっと、なつ兄の事が好きだったよ…でも、言えなかった。あんなわだかまりが残ったまま、なつ兄のマンションに行く勇気なんて…俺にはなかったしな。」
昴の瞳には薄っすらと涙が浮かんでいて、俺は堪らなく切ない気持ちでいっぱいになった。
「…じゃあ…昴は……俺だけのものだって思ってもいいのか?俺…昴に触れてもいいのか…?」
そっと確かめるように昴の頬を撫でると、昴は俺の手を掴みそのまま俺の胸の中に飛び込んできてくれた。
「…当たり前だろ?りょ…っ両想いなんだからさ…俺達。もっと、俺に触れて…心も、かっ…身体も…っ…全部、なつ兄でいっぱいに、して…?」
ところどころ噛みながらねだってくる昴が可愛くて愛おしくて、俺はそっと昴の身体を床に押し倒すと、昴の着ている衣服を性急に脱がしていく。
徐々に露になっていく昴の身体を射抜くように見つめると、恥ずかしそうに身を捩らせながら涙目で見上げてくる昴に、俺の中の欲望が疼き出すのを感じた。
「…昴、恥ずかしいのは解るが…そんな涙目で見上げないでくれ。理性が利かなくなりそうだ…。」
「…だ、って…恥ずかしいけどっ……なつ兄が欲しくて、俺…もう…我慢できないんだよ…!」
濡れた瞳で苦しそうに呟く昴に、俺の中の理性がどこかへ消えていくのを感じた。
俺は生まれたままの姿の昴の乳首を指先で摘むと、乳輪を撫でるように舌先でそっと舐め廻していく。
俺の唾液で鈍く光った乳首を甘噛みすると、昴は艶めかしい声を上げた。
俺の手によって、昴が感じている。それだけで涙が出る程幸せな気持ちになれる。
甘い声、濡れた瞳、赤く上気した頬…汗ばんだ身体。
その全てが、俺をどうしようもないくらいに昂ぶらせていく。
この目の前の妖艶な昴の姿を想像しては、頭の中で昴を何度も何度も抱いた。
それくらい、俺はもうずっとずっと、昴の事が欲しくて仕方なかったんだ。
俺は既に固く張り詰めて先走りの滴を溢している昴自身を右手で掴むと、扱きながら先端に舌を這わせちゅぱちゅぱと舐めていく。
「昴の…もうこんなに熱く脈打って、涎溢してる……可愛いな…欲情するよ…。」
「んぁっ…!ひぁっ…んん…ぁ、や…んっ…そんな事、わざわざ言うなよっ…恥ずかしい、だろっ…!」
「わざと恥ずかしくさせてるんだよ。昴の照れてる顔……可愛いからさ。…ここも、ヒクヒク言って、俺を誘うように収縮してる…俺が欲しいか?」
昴の秘部に指で触れると、昴は身体をびくっと震わせ高い声を上げた。
「んっ…ぁ、んぁっ!や…触るだけじゃ、嫌だ…奥まで…指、挿れて…?」
「…っ…!昴……可愛すぎるよ、おまえ…っ…!」
指を二本挿れてみると、敏感なそこは俺の指をきゅうきゅうと締め付けながら生温かい滴を溢し、それが指に伝う光景に俺の興奮は更に高まっていった。
「んぁっ…!あ、ぁ…ひぁっ…!ん、は…っ…ん…っ…なつ兄…も、指だけじゃ足りない…かも…。…なつ兄が…欲しいよ…。」
熱い視線で俺を見つめながらねだってくる昴に、俺は思わず昴を抱き寄せ唇を重ねていた。
舌を追い合うような熱いキスをしながら、片手で自分自身を掴むと昴のヒクヒク蠢いている秘部に宛がい、一気に挿入した。
「昴…っ…昴…!好きだ……っ…昴…っ…!昴の中…温かくて気持ちいいな…ずっとこうしていたいよ…!」
最奥まで何度も貫くと、昴は大粒の涙をぽろぽろと溢し、俺の身体にしがみつきながら快感に堪えていた。
「あっ…!んぁ、ひゃっ…ぁんっ、んぁっ…!なつ、に…好き…俺っ…ずっと…なつ兄と、居たい…っ…ぁっ…んぁっ…!」
「昴……っ…!俺も…ずっと、昴と一緒に居たい…っ…ずっと居てくれよ…俺だけの傍にさ…っ…!」
「あっぁっあ…!ひぁっ、んぁっ…はぅ、あっ…!なつ、にいの…奥まで当たってっ…あっ…んぁっ…イッちゃ、…あ、ぁ、んぁっ…あぁ―――ッ!」
徐々に腰の動きを速めていくと、昴は悩ましい嬌声を上げ自身から白濁を大量に放ち絶頂を迎えた。
その後すぐに俺も昴の中に欲望の証を注ぎ込み、そのまま昴を力いっぱい抱き締めた。
俺の腕の中で力なく微笑む昴を、俺は心の底から愛おしいと思った。
このまま夜が明けなければいい…叶わないと解っていても、願わずには居られなくて。
朝が来たら、帰らなくてはいけないから。繋いだこの手を、放さなくちゃいけないから。
けど…これから先、どんな事があっても、俺は昴を離してやれないと思う。
昴が居なかったら、俺はきっと…生きてさえゆけない…そんな気がするんだ―――。
君だけが俺のすべて
(こんなに傍に居るのに、切なさは止まることを知らないんだ)
end.
昴受を増やして欲しいとのリクエストがあったので書いてみました。ちょっと出だし暗いですが、最終的にはラブラブななつすばに仕上げるよう頑張りました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
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